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本命の好きな子にはとことんヘタれな俺が衝動的に告白した結果、彼女がかわいすぎて死にそうです
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「へ?え?どうして?」
三澄があの喫茶店をやめる?
そんなの寝耳に水だ。
三澄があの喫茶店をやめてしまったら、ますます接点がなくなって、会えなくなる。
というか、理由はなんだ。
あの店は見た感じ、充分利益をあげていそうに見えていた。
三澄のお父さんがすこし腰を痛めていたから、三澄の手伝いがなければ店がまわらないほど繁盛している。
だからこそ、三澄はほかの企業に就職せず、実家を手伝うことにしたと聞いていたのに。
……まさか、結婚、とか?
考えないようにしていたけど、三澄のこのかわいさだ。
容姿だけじゃなく、仕草や、しゃべり方とかも、めちゃくちゃかわいい。
加えて働き者だし、料理もうまい。
三澄は恋愛には興味なさそうだからって安心していたけど、俺以外の男だってとうぜん放っておかないだろう。
三澄だって恋愛に興味はないなんて言っても、強く口説かれたら、ほだされるってこともありうる。
彼氏ができたとかは聞いてないけど、いちいち俺に言ってくれるって保証もない。
客商売だけあって三澄のご両親も顔が広いし、お見合いとかの可能性もある。
このままの関係でいたいなんて、なまっちょろいこと言ってるうちに、他の男にかっさらわれる可能性は高いんじゃないか?
今まで目をそらしてきたありそうな現実に、ざぁっと体から血の気がひいた。
このままでもいい、フラれて顔を見られなくなるなんて嫌だから。
って、そりゃ本音だけど。
でも、三澄が他の男のものになったら。
顔だけ見られても。
他の男と付き合ってる三澄の、ただの元同級生として、店の客として会うだけって。
それは……、そんなんじゃ、いやだ。
一瞬で思考はうずまく。
平静を装って、そう三澄に尋ねるのが精いっぱいだった。
三澄は前を向いたまま、なんてことないように言う。
「お兄ちゃんが、店に戻ってくる予定だったから」
「お兄ちゃん?三澄の?」
答えは、予想外すぎて。
鸚鵡返しに繰り返す。
「うん。お兄ちゃんはむかしから家を継ぐつもりでね。料理の専門学校に通ってて、そのあとホテルで修行しているの。で、今年には戻ってくる予定だったから。私は、どっかほかのところで働いてみようかなーって思ってたんだ」
「へぇ。じゃぁ、お兄さんの予定が変更になったんだ?」
なんだよー。
びびらせるなよ。
お兄さんの予定変更、ね。
おっけー、おっけー。
むしろ三澄が今まで通り、家の喫茶店にいてくれるほうがこちらとしては大助かりだ。
三澄が別の店に働くようになって、そっちにも通い詰めてたら、さすがに俺が三澄に会いたいから店に通ってるんだってバレそうだからな。
……つか、バレたほうがいいのか?
このままって。
それって、いつまで、このままでいられるんだ?
俺も三澄も、24歳だ。
まだ周辺に結婚してるやつはいないけど、そろそろ付き合ってる子と結婚しようかとか言ってるやつはいる。
三澄も、まだ結婚を意識している感じはないけど、実際の心の中はわからない。
いや、結婚は先走りすぎかもだけど、誰かが三澄に告白して付き合うことになったり、三澄が誰かを好きになる可能性は、今だって常に当たり前にある危機なんじゃね?
なんで俺、今までそんなことも考えなかったわけ?
「そう。今やっている企画、お兄ちゃんが主軸になっているっぽくて、辞められないんだって。……っていうかさぁ、あれ、絶対に仕事が面白くなってきて、辞めたくないんだと思うんだよね。まだしばらくは戻ってきそうにない。だったら、私ももっと腰を据えて、家のお手伝いをしようかなーっと思って」
三澄があの喫茶店をやめる?
そんなの寝耳に水だ。
三澄があの喫茶店をやめてしまったら、ますます接点がなくなって、会えなくなる。
というか、理由はなんだ。
あの店は見た感じ、充分利益をあげていそうに見えていた。
三澄のお父さんがすこし腰を痛めていたから、三澄の手伝いがなければ店がまわらないほど繁盛している。
だからこそ、三澄はほかの企業に就職せず、実家を手伝うことにしたと聞いていたのに。
……まさか、結婚、とか?
考えないようにしていたけど、三澄のこのかわいさだ。
容姿だけじゃなく、仕草や、しゃべり方とかも、めちゃくちゃかわいい。
加えて働き者だし、料理もうまい。
三澄は恋愛には興味なさそうだからって安心していたけど、俺以外の男だってとうぜん放っておかないだろう。
三澄だって恋愛に興味はないなんて言っても、強く口説かれたら、ほだされるってこともありうる。
彼氏ができたとかは聞いてないけど、いちいち俺に言ってくれるって保証もない。
客商売だけあって三澄のご両親も顔が広いし、お見合いとかの可能性もある。
このままの関係でいたいなんて、なまっちょろいこと言ってるうちに、他の男にかっさらわれる可能性は高いんじゃないか?
今まで目をそらしてきたありそうな現実に、ざぁっと体から血の気がひいた。
このままでもいい、フラれて顔を見られなくなるなんて嫌だから。
って、そりゃ本音だけど。
でも、三澄が他の男のものになったら。
顔だけ見られても。
他の男と付き合ってる三澄の、ただの元同級生として、店の客として会うだけって。
それは……、そんなんじゃ、いやだ。
一瞬で思考はうずまく。
平静を装って、そう三澄に尋ねるのが精いっぱいだった。
三澄は前を向いたまま、なんてことないように言う。
「お兄ちゃんが、店に戻ってくる予定だったから」
「お兄ちゃん?三澄の?」
答えは、予想外すぎて。
鸚鵡返しに繰り返す。
「うん。お兄ちゃんはむかしから家を継ぐつもりでね。料理の専門学校に通ってて、そのあとホテルで修行しているの。で、今年には戻ってくる予定だったから。私は、どっかほかのところで働いてみようかなーって思ってたんだ」
「へぇ。じゃぁ、お兄さんの予定が変更になったんだ?」
なんだよー。
びびらせるなよ。
お兄さんの予定変更、ね。
おっけー、おっけー。
むしろ三澄が今まで通り、家の喫茶店にいてくれるほうがこちらとしては大助かりだ。
三澄が別の店に働くようになって、そっちにも通い詰めてたら、さすがに俺が三澄に会いたいから店に通ってるんだってバレそうだからな。
……つか、バレたほうがいいのか?
このままって。
それって、いつまで、このままでいられるんだ?
俺も三澄も、24歳だ。
まだ周辺に結婚してるやつはいないけど、そろそろ付き合ってる子と結婚しようかとか言ってるやつはいる。
三澄も、まだ結婚を意識している感じはないけど、実際の心の中はわからない。
いや、結婚は先走りすぎかもだけど、誰かが三澄に告白して付き合うことになったり、三澄が誰かを好きになる可能性は、今だって常に当たり前にある危機なんじゃね?
なんで俺、今までそんなことも考えなかったわけ?
「そう。今やっている企画、お兄ちゃんが主軸になっているっぽくて、辞められないんだって。……っていうかさぁ、あれ、絶対に仕事が面白くなってきて、辞めたくないんだと思うんだよね。まだしばらくは戻ってきそうにない。だったら、私ももっと腰を据えて、家のお手伝いをしようかなーっと思って」
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