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あまったれなのは性分なのですが
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私が、どれだけレイに甘えているか。
家も、食事も世話してもらって、魔獣からも助けてもらって。
それがどんなにありがたいことか、わかっているつもりだ。
なのに、とがめるように言ってしまう。
「帰れないとか、簡単に言わないで……」
泣きそう。
声が、震えてしまう。
これも、レイに甘えているからなのかな。
でもでもでも。
ほんとに、私、異世界で生きていこうなんて、思いきれないんだよね。
私はあまったれな性分なんだもん。
日本国内でも、遠方で就職するとか、遠方の人と結婚するとかも考えられないってタイプの人間なんだよ。
実家から数時間以内で通えるところっていうのが、就職でも結婚でも、絶対条件だったの。
そんな私に、異世界生活を送る覚悟なんて、そう簡単にきめられっこないっての。
だけど。
だけど、現実としては、それも考えなくちゃいけないのかも。
このまま元の世界に帰れないって可能性は、私だってわかってる。
それがこわくてこわくて、たまらない。
でも、考えなくちゃいけないことだってことも。
だけど、今はまだ考えたくないんだよ。
せめて、今夜だけは。
レイも、深くは追及するつもりはないみたいだった。
「悪い。配慮のねぇこと言ったな……」
「レイが悪いわけじゃないですよ。私も、わかってるんです。その可能性があるってことも。でも、まだ。今夜はまだ、考えたくない……」
うつむいて、かぶりをふる。
「ごめん」
レイは、私の頭を撫でてくれる。
そのためらいがちな大きな手に、心が溶かされる。
ぽろりと涙がこぼれた。
「……っ」
レイは立ち上がって、私が座っているソファの隣に腰かけた。
そしてぎゅっと私を抱きしめてくれる。
その大きな腕の中に閉じ込められて、私はぽろぽろと涙を流した。
やだな。
これで、2度目だ。
レイにすがって、泣くの。
あー、もうなんだろ。この感情のふり幅の大きさは。
異世界にきたって不安と、レイのそばにいることの安心感。
この腕の中にいると、ほんと守られている気がするんだよ。
いっぱい涙を流して泣いていると、すこし気持ちがおさまる。
それでもまだ、レイから離れがたくて、レイが抱きしめてくれているのをいいことに、レイの胸にすがったままぼんやりする。
「俺はさ」
泣きつかれたぼんやりした頭で、レイのかすれた声を聴く。
「普段の俺なら、異世界の人間を屋敷に連れて来たりはしねぇよ。どんな人間かもわからねぇし。相手が女ならなおさらだ。周囲に誤解されるのも、みょうな隙をつくるのもごめんだしな」
「……はい」
話の着地点が見えない。
けど、落ち着いたレイの声を聴いていると、それだけで心が落ち着いてくる。
「相手にとっても、知らねえ男の家に連れて来られるより、どこか宿でもとったほうが安心だろ?信用できる宿に泊めて、様子をみるとか。まぁ、そういう感じで対処すると思うんだよ」
このお屋敷だと、知らない男の人の家って感じはしないけど。
まぁ、レイは前もそんなことを気にしてたっけ。
異世界の人間と遭遇したときなんて、考えたこともないよね、普通。
レイは考えながら話しているせいか、とぎれとぎれに言う。
「そのはず、なんだけどよー……」
「……!」
レイは、ぎゅっと私を抱きしめる。
それは、今までのなだめるようなものとは、どこか違っていて。
「美咲。お前が相手だと、どうしても俺のそばにいてほしかったんだよ」
心臓が、また大きな音をたてた。
家も、食事も世話してもらって、魔獣からも助けてもらって。
それがどんなにありがたいことか、わかっているつもりだ。
なのに、とがめるように言ってしまう。
「帰れないとか、簡単に言わないで……」
泣きそう。
声が、震えてしまう。
これも、レイに甘えているからなのかな。
でもでもでも。
ほんとに、私、異世界で生きていこうなんて、思いきれないんだよね。
私はあまったれな性分なんだもん。
日本国内でも、遠方で就職するとか、遠方の人と結婚するとかも考えられないってタイプの人間なんだよ。
実家から数時間以内で通えるところっていうのが、就職でも結婚でも、絶対条件だったの。
そんな私に、異世界生活を送る覚悟なんて、そう簡単にきめられっこないっての。
だけど。
だけど、現実としては、それも考えなくちゃいけないのかも。
このまま元の世界に帰れないって可能性は、私だってわかってる。
それがこわくてこわくて、たまらない。
でも、考えなくちゃいけないことだってことも。
だけど、今はまだ考えたくないんだよ。
せめて、今夜だけは。
レイも、深くは追及するつもりはないみたいだった。
「悪い。配慮のねぇこと言ったな……」
「レイが悪いわけじゃないですよ。私も、わかってるんです。その可能性があるってことも。でも、まだ。今夜はまだ、考えたくない……」
うつむいて、かぶりをふる。
「ごめん」
レイは、私の頭を撫でてくれる。
そのためらいがちな大きな手に、心が溶かされる。
ぽろりと涙がこぼれた。
「……っ」
レイは立ち上がって、私が座っているソファの隣に腰かけた。
そしてぎゅっと私を抱きしめてくれる。
その大きな腕の中に閉じ込められて、私はぽろぽろと涙を流した。
やだな。
これで、2度目だ。
レイにすがって、泣くの。
あー、もうなんだろ。この感情のふり幅の大きさは。
異世界にきたって不安と、レイのそばにいることの安心感。
この腕の中にいると、ほんと守られている気がするんだよ。
いっぱい涙を流して泣いていると、すこし気持ちがおさまる。
それでもまだ、レイから離れがたくて、レイが抱きしめてくれているのをいいことに、レイの胸にすがったままぼんやりする。
「俺はさ」
泣きつかれたぼんやりした頭で、レイのかすれた声を聴く。
「普段の俺なら、異世界の人間を屋敷に連れて来たりはしねぇよ。どんな人間かもわからねぇし。相手が女ならなおさらだ。周囲に誤解されるのも、みょうな隙をつくるのもごめんだしな」
「……はい」
話の着地点が見えない。
けど、落ち着いたレイの声を聴いていると、それだけで心が落ち着いてくる。
「相手にとっても、知らねえ男の家に連れて来られるより、どこか宿でもとったほうが安心だろ?信用できる宿に泊めて、様子をみるとか。まぁ、そういう感じで対処すると思うんだよ」
このお屋敷だと、知らない男の人の家って感じはしないけど。
まぁ、レイは前もそんなことを気にしてたっけ。
異世界の人間と遭遇したときなんて、考えたこともないよね、普通。
レイは考えながら話しているせいか、とぎれとぎれに言う。
「そのはず、なんだけどよー……」
「……!」
レイは、ぎゅっと私を抱きしめる。
それは、今までのなだめるようなものとは、どこか違っていて。
「美咲。お前が相手だと、どうしても俺のそばにいてほしかったんだよ」
心臓が、また大きな音をたてた。
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