29 / 36
召喚された勇者が望むのは、婚約破棄された騎士令嬢
5: side 勇者1
しおりを挟む
「タキイ・ラグノール、呼び出しがかかったぞ!来い!」
緊急連絡が、ホールに響く。
「呼び出し……?」
「マジかよ!よかったな、タキイ!!」
ちょうど5対5の無重力テニスの試合の真っ最中だった。
けど、仲間たちはラケットを放りなげて、俺のとこけ駆けてきて、バンバン背中をたたく。
一瞬呆けていたけど、その痛みで、これが現実だとわかった。
「呼び出し……、き、き、きたーーーーー!!」
緊急連絡での呼び出し。
これは文明が完成しきってなにもかもコントロールされてるh2@;k-で、唯一のイレギュラーだ。
h2@;k-は、この宇宙圏でぶっちぎりに文明が発達している小星だ。
いちおう先進星自主規制連合に加入しているものの、あまりにも他の星との文明差が大きくて、栄光ある孤立をするしかない小星。
俺たちの遠いご先祖様は、他の星を侵略したり、文明を促進したり、未開生物をさらってペットにしたりといろいろやりたい放題だったらしい。
が、そういう関わりすら、近代では遠のいている。
あまりの文明差に、他星へは、興味や関心もわかなくなるらしい。
けど、そんな中でも例外はある。
それが俺たち、「ツガイ持ち」ってやつだ。
h2@;k-では、人類種の増殖は、男性種がマザーパールに自分の種を植え、マザーパールがある程度育った子を産みだすという形態をとっている。
けれど「ツガイ持ち」は、神代のころと同じように、同じ人間種同士が交わって子どもを産むという、極めて動物的な関わりを求めずにはいられないイレギュラーな人類種だ。
もちろんh2@;k-では、子どもを胎に宿せる女性種は大昔に絶滅している。
だから「ツガイ持ち」は、自分と番ってくれる相手を探すため、他星の人類種との出会いをいつも求めている。
まぁ子ども云々は言い訳のようなもので、実際に番う相手は、男性種であることも多いんだけどね。
けれど、相手は必ず他星の人類種。
なぜか他星でツガイとして男性種を選ぶ人間でも、同じh2@;k-の人間と番うことはない。
このへんの謎は、いまだ明かされていないのだが、問題はそこではない。
「ツガイ持ち」の「ツガイ」は、特定の誰かを指すわけじゃない。
だが、不思議なことに、出会えば「わかる」らしい。
先達は、口をそろえてそういっている。
そしてやっかいなことに、「ツガイ持ち」は、ツガイとして選んだ相手たった一人しか愛せない。
いくらイレギュラーな「ツガイ持ち」という人類種とはいえ、h2@;k-で生まれ育った人類種にとって、人間同士の交わりというのは生理的嫌悪があるからだろう。
連綿と体と心に受け継いできた常識すら跳ね返すほどの相手でなければ、性愛をともなう愛情など育てられないのだ。
つまり、ツガイとして選んだ相手に拒絶されたら、残りの人生は真っ暗ってわけだ。
大昔のこととはいえ、h2@;k-は、わりとガチで他星を侵略したり、他星を狩場にしたり、滅ぼしたりしてきた。
だが現在では、先進星自主規制連合の取り決めに寄って、他星への干渉をこまかに規制されている。
ぶっちゃけそんなもの無視して好きにふるまっても、他星などh2@;k-の敵ではない。
気に入らなければぷちっと潰してしまってもよいのだが、h2@;k-の人類種はおおむね鷹揚で、自主的に他者に足並みをそろえることにしていた。
そもそも大多数のh2@;k-の人類種は他星に興味などないので、干渉を規制されても問題はないのだ。
そして数少ないイレギュラーである「ツガイ持ち」は、自分のツガイに嫌われるようなことは、こわくてできないので、約束事を守らざるをえない。
そんなh2@;k-の人間が、他星への関わりを許される例外事項。
それが「ツガイ持ち」が申請するツガイがいる国への転移許可願だ。
「ツガイ持ち」というイレギュラーな人類種が、h2@;k-の鑑定で、自分のツガイがいると鑑定された星へ転移するのだけは、認められているのだ。
これは、「ツガイ持ち」だった連合国トップが他星を威圧して得た権利らしい。
けれど、転移許可にはひとつの条件がつけられていた。
相手の星から、h2@;k-の人間への招待がなされてなければいけないのである。
「ツガイ持ち」自体が少数だからか、実際に他星へ転移許可が出ることはほとんどない。
年に1件か2件……、まったくないまま10年がすぎることもある。
俺も5年前に成人してすぐ転移許可願を出してはいるものの、あと数十年待つくらいの覚悟はあった。
けど、呼び出しは来た!
緊急連絡が、ホールに響く。
「呼び出し……?」
「マジかよ!よかったな、タキイ!!」
ちょうど5対5の無重力テニスの試合の真っ最中だった。
けど、仲間たちはラケットを放りなげて、俺のとこけ駆けてきて、バンバン背中をたたく。
一瞬呆けていたけど、その痛みで、これが現実だとわかった。
「呼び出し……、き、き、きたーーーーー!!」
緊急連絡での呼び出し。
これは文明が完成しきってなにもかもコントロールされてるh2@;k-で、唯一のイレギュラーだ。
h2@;k-は、この宇宙圏でぶっちぎりに文明が発達している小星だ。
いちおう先進星自主規制連合に加入しているものの、あまりにも他の星との文明差が大きくて、栄光ある孤立をするしかない小星。
俺たちの遠いご先祖様は、他の星を侵略したり、文明を促進したり、未開生物をさらってペットにしたりといろいろやりたい放題だったらしい。
が、そういう関わりすら、近代では遠のいている。
あまりの文明差に、他星へは、興味や関心もわかなくなるらしい。
けど、そんな中でも例外はある。
それが俺たち、「ツガイ持ち」ってやつだ。
h2@;k-では、人類種の増殖は、男性種がマザーパールに自分の種を植え、マザーパールがある程度育った子を産みだすという形態をとっている。
けれど「ツガイ持ち」は、神代のころと同じように、同じ人間種同士が交わって子どもを産むという、極めて動物的な関わりを求めずにはいられないイレギュラーな人類種だ。
もちろんh2@;k-では、子どもを胎に宿せる女性種は大昔に絶滅している。
だから「ツガイ持ち」は、自分と番ってくれる相手を探すため、他星の人類種との出会いをいつも求めている。
まぁ子ども云々は言い訳のようなもので、実際に番う相手は、男性種であることも多いんだけどね。
けれど、相手は必ず他星の人類種。
なぜか他星でツガイとして男性種を選ぶ人間でも、同じh2@;k-の人間と番うことはない。
このへんの謎は、いまだ明かされていないのだが、問題はそこではない。
「ツガイ持ち」の「ツガイ」は、特定の誰かを指すわけじゃない。
だが、不思議なことに、出会えば「わかる」らしい。
先達は、口をそろえてそういっている。
そしてやっかいなことに、「ツガイ持ち」は、ツガイとして選んだ相手たった一人しか愛せない。
いくらイレギュラーな「ツガイ持ち」という人類種とはいえ、h2@;k-で生まれ育った人類種にとって、人間同士の交わりというのは生理的嫌悪があるからだろう。
連綿と体と心に受け継いできた常識すら跳ね返すほどの相手でなければ、性愛をともなう愛情など育てられないのだ。
つまり、ツガイとして選んだ相手に拒絶されたら、残りの人生は真っ暗ってわけだ。
大昔のこととはいえ、h2@;k-は、わりとガチで他星を侵略したり、他星を狩場にしたり、滅ぼしたりしてきた。
だが現在では、先進星自主規制連合の取り決めに寄って、他星への干渉をこまかに規制されている。
ぶっちゃけそんなもの無視して好きにふるまっても、他星などh2@;k-の敵ではない。
気に入らなければぷちっと潰してしまってもよいのだが、h2@;k-の人類種はおおむね鷹揚で、自主的に他者に足並みをそろえることにしていた。
そもそも大多数のh2@;k-の人類種は他星に興味などないので、干渉を規制されても問題はないのだ。
そして数少ないイレギュラーである「ツガイ持ち」は、自分のツガイに嫌われるようなことは、こわくてできないので、約束事を守らざるをえない。
そんなh2@;k-の人間が、他星への関わりを許される例外事項。
それが「ツガイ持ち」が申請するツガイがいる国への転移許可願だ。
「ツガイ持ち」というイレギュラーな人類種が、h2@;k-の鑑定で、自分のツガイがいると鑑定された星へ転移するのだけは、認められているのだ。
これは、「ツガイ持ち」だった連合国トップが他星を威圧して得た権利らしい。
けれど、転移許可にはひとつの条件がつけられていた。
相手の星から、h2@;k-の人間への招待がなされてなければいけないのである。
「ツガイ持ち」自体が少数だからか、実際に他星へ転移許可が出ることはほとんどない。
年に1件か2件……、まったくないまま10年がすぎることもある。
俺も5年前に成人してすぐ転移許可願を出してはいるものの、あと数十年待つくらいの覚悟はあった。
けど、呼び出しは来た!
0
あなたにおすすめの小説
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
弟が悪役令嬢に怪我をさせられたのに、こっちが罰金を払うだなんて、そんなおかしな話があるの? このまま泣き寝入りなんてしないから……!
冬吹せいら
恋愛
キリア・モルバレスが、令嬢のセレノー・ブレッザに、顔面をナイフで切り付けられ、傷を負った。
しかし、セレノーは謝るどころか、自分も怪我をしたので、モルバレス家に罰金を科すと言い始める。
話を聞いた、キリアの姉のスズカは、この件を、親友のネイトルに相談した。
スズカとネイトルは、お互いの身分を知らず、会話する仲だったが、この件を聞いたネイトルが、ついに自分の身分を明かすことに。
そこから、話しは急展開を迎える……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪中、味方が多すぎて王子が孤立している件について
夏乃みのり
恋愛
バーンスタイン伯爵家の令嬢ラミリアは、魔力も剣の才能もない「ごく普通」の地味な女性。
ある日のパーティーで、婚約者であるジェラルド第二王子から「地味で無能で嫉妬深い」と罵られ、身に覚えのない罪で婚約破棄を突きつけられてしまう。
しかし、断罪劇は予想外の展開へ。
実家に帰ったら平民の子供に家を乗っ取られていた!両親も言いなりで欲しい物を何でも買い与える。
佐藤 美奈
恋愛
リディア・ウィナードは上品で気高い公爵令嬢。現在16歳で学園で寮生活している。
そんな中、学園が夏休みに入り、久しぶりに生まれ育った故郷に帰ることに。リディアは尊敬する大好きな両親に会うのを楽しみにしていた。
しかし実家に帰ると家の様子がおかしい……?いつものように使用人達の出迎えがない。家に入ると正面に飾ってあったはずの大切な家族の肖像画がなくなっている。
不安な顔でリビングに入って行くと、知らない少女が高級なお菓子を行儀悪くガツガツ食べていた。
「私が好んで食べているスイーツをあんなに下品に……」
リディアの大好物でよく召し上がっているケーキにシュークリームにチョコレート。
幼く見えるので、おそらく年齢はリディアよりも少し年下だろう。驚いて思わず目を丸くしているとメイドに名前を呼ばれる。
平民に好き放題に家を引っかき回されて、遂にはリディアが変わり果てた姿で花と散る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる