秘密の生徒会室 君とふたりきり

むらさ樹

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__翌日

昨夜は、生徒会室に行こうか行かないかずっと悩んでいて、なかなか寝付けなかった。
なのに、朝は早くから目が覚めてしまった。

…始業ベルが鳴る15分前に待ってる…か。
会った所で、何の本音を話したらいいのかわからない。むしろ、本音を話した所で逆にツラくなるだけじゃないのかな。

もしまた桐生君に抱きしめられたら…
もしまた優しくキスをされたら…

せっかく元の生活に戻ろうとしているのに、決心が鈍ってしまうかもしれない。
だったらこのまま、何も触れないで…





散々迷った挙げ句、わたしはわざと登校を遅らせて、始業ギリギリの時間に着くように家を出た。
もちろん、生徒会室には行かない為に。



桐生君からの約束を無視したまま、1時間目が始まった。
何事もなく授業は普通に進められる。



2時間目3時間目も同じよう過ぎていき、4時間目が終わって昼休みになった。
今日は午後の5時間目から臨時総会だ。

なんの話をするのかよくわからないまま、わたしは副会長の席で参加しなくちゃならないんだろうけど…。




相変わらず、教室に1人でお弁当の包みを開けようとしたその時、クラスの女子生徒が廊下に向かって黄色い声をあげていたのに気付いた。

視線をそっちに向けると、開いた教室のドアからわたしの方を立って睨んでいる桐生君の姿が見えた。

何か書類みたいなものを持ったまま腕を組み、しかめっ面をしていた。

………明らかに、朝わたしが約束を破ったのが原因だ。


「………………」

多分…じゃなくても、怒ってるのはわかる。
だけど、あれは一方的な約束だもの。別に行くなんて、わたしは言ったわけじゃない。

トゲのある桐生君の視線は敢えて無視をし、わたしはお弁当の包みを開いた。

カギだってわたしに押し付けただけだもの。
わたしは悪くな………

「榊さん!
呼ばれたらちゃんと来てくれないと困るんだけど!」

「…なっ」

…桐生君は、廊下から開いたドア越しに怒鳴るように言ってきた。

友達同士で机を囲ってご飯を食べていた他の生徒も、さすがにその声には驚いて手を止めてこっちを見た。

そして…半数以上の生徒が、わたしと桐生君を交互に見ている。


「あ、あのねぇ。
わたし、今お昼ご飯…」

「次の時間には総会が始まっちまうだろ!
いいから、すぐに来いよ!」

もう一度怒鳴るような声をあげると、桐生君はクルリと背を向けて行った。

多分、3階の生徒会室に向かったんだ。


確かに昼休みが終わったら、総会は始まる。

…あれ?
もしかして生徒会室に来いって言うのは、本当に生徒会の用事があるから?
昨日本音を聞きたいって言ってたけど、あくまでも意見が聞きたかったって事だったのかな。

総会の内容で話し合う事があったのかもしれない。
なのに、わたしだけサボっちゃったんだ。


「……………もぉ…」

生徒会の仕事なら仕方ないか。
わたしは開きかけたお弁当の包みを戻し、生徒会室に行く事にした。

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