44 / 52
④
しおりを挟む
廊下に出てみると、桐生君の姿はもうなかった。
さっさと行っちゃったんだろうな。
わたしも急いで階段を上がって3階に向かう。
…わたしの提出した案、何か問題があったのかな。
学校のシステムを変えるなんて事自体がまずかったかしら。
だけど、うちは本気で勉強する事を目指したバリバリの進学校だもの。これくらいは認められてもいいと思うのに。
…ま、今となっては、どっちでもいい気分ではあるんだけど。話が面倒くさそうだったら、適当に妥協して穏便に済ませよう…。
人通りの少ない3階廊下をまっすぐ突き進み、わたしは生徒会室の前まで来た。
「……………」
朝行かなかったのは、ちゃんと連絡が伝わってなかったからって事にしよう。生徒会の話があるんなら、ちゃんとアイツがそう言うべきなのよっ
「………はぁ…」
もう一度ため息をつくと、わたしは生徒会室のドアに手をかけて開けた…
「あ、あれっ」
…の、つもりだったけど、カギがかかっていて開かなかった。
「え、何で?」
さっき桐生君が来いって言ったの、ここじゃなかったの?
でも他にどこに…
それとも、もしかしてわたしの方が先に来ちゃったとか?
そんなわけないよね。
桐生君、職員室に行ったのかな。
それとも今から総会があるなら体育館とか?
「うーん…」
て言うか!
だからちゃんと連絡事項は正確に伝えなさいよね!
わたしなんかお昼ご飯も食べずに来たってのに!
一応、わたしはカギを開けて生徒会室の中を確認してみる事にした。
カチリと錠が外れた音がした後、ガラガラと音をたてながらドアを開けた。
中には、何も置かれていない長机2台が見えるだけ。メンバーたちがそこに座っているとか、資料が並べられているとか、そんな事は全くなかった。
「なによ、やっぱり居ないんじゃ…」
「やっと来たね。
またすっぽかされるかと思ったよ」
誰も居ないと思っていた生徒会室。
だけどドアのすぐ横にある棚の陰で見えなかっただけで、そこに桐生君は腕を組んだまま立っていた。
「ちょっ!
…て言うか、何なのよ!
カギをかけたまま中にいるなんて、入らせる気なかったって事と一緒じゃない!」
「カギなら返しただろ?
だから入ってこれたじゃないか」
「違うわよ!
これじゃあ他のメンバーたちは入って来れないでしょって言ってるの!」
「入って来なくていいよ。
来てほしかったのは、榊だけなんだから」
「なんでっ………え?
だって生徒会の話があるから、みんなを呼んだんでしょ?」
桐生君の言う事はいつもよくわからない。
一体何を考えているのよ。
「いや?
まぁある意味そうなんだけど、オレが呼んだのは榊だけだよ」
ある意味そうってのもわからないし、呼んだのがわたしだけってのも謎だ。
「じゃあ…何の話を…」
「その前にさ、まずは閉めようよ。ドア」
まだ開けたままになっている生徒会室のドアを指した桐生君に従い、わたしはまたガラガラと音を立てて閉めた。
「まだだよ。カギも閉めて。
ほら、早くしないと昼休み終わっちまうだろっ」
「…カギも?」
ドキン とした。
以前にもあった環境。
カギを閉めた生徒会室は密室。
…わたしと桐生君だけの、特別な空間という名の、密室。
さっさと行っちゃったんだろうな。
わたしも急いで階段を上がって3階に向かう。
…わたしの提出した案、何か問題があったのかな。
学校のシステムを変えるなんて事自体がまずかったかしら。
だけど、うちは本気で勉強する事を目指したバリバリの進学校だもの。これくらいは認められてもいいと思うのに。
…ま、今となっては、どっちでもいい気分ではあるんだけど。話が面倒くさそうだったら、適当に妥協して穏便に済ませよう…。
人通りの少ない3階廊下をまっすぐ突き進み、わたしは生徒会室の前まで来た。
「……………」
朝行かなかったのは、ちゃんと連絡が伝わってなかったからって事にしよう。生徒会の話があるんなら、ちゃんとアイツがそう言うべきなのよっ
「………はぁ…」
もう一度ため息をつくと、わたしは生徒会室のドアに手をかけて開けた…
「あ、あれっ」
…の、つもりだったけど、カギがかかっていて開かなかった。
「え、何で?」
さっき桐生君が来いって言ったの、ここじゃなかったの?
でも他にどこに…
それとも、もしかしてわたしの方が先に来ちゃったとか?
そんなわけないよね。
桐生君、職員室に行ったのかな。
それとも今から総会があるなら体育館とか?
「うーん…」
て言うか!
だからちゃんと連絡事項は正確に伝えなさいよね!
わたしなんかお昼ご飯も食べずに来たってのに!
一応、わたしはカギを開けて生徒会室の中を確認してみる事にした。
カチリと錠が外れた音がした後、ガラガラと音をたてながらドアを開けた。
中には、何も置かれていない長机2台が見えるだけ。メンバーたちがそこに座っているとか、資料が並べられているとか、そんな事は全くなかった。
「なによ、やっぱり居ないんじゃ…」
「やっと来たね。
またすっぽかされるかと思ったよ」
誰も居ないと思っていた生徒会室。
だけどドアのすぐ横にある棚の陰で見えなかっただけで、そこに桐生君は腕を組んだまま立っていた。
「ちょっ!
…て言うか、何なのよ!
カギをかけたまま中にいるなんて、入らせる気なかったって事と一緒じゃない!」
「カギなら返しただろ?
だから入ってこれたじゃないか」
「違うわよ!
これじゃあ他のメンバーたちは入って来れないでしょって言ってるの!」
「入って来なくていいよ。
来てほしかったのは、榊だけなんだから」
「なんでっ………え?
だって生徒会の話があるから、みんなを呼んだんでしょ?」
桐生君の言う事はいつもよくわからない。
一体何を考えているのよ。
「いや?
まぁある意味そうなんだけど、オレが呼んだのは榊だけだよ」
ある意味そうってのもわからないし、呼んだのがわたしだけってのも謎だ。
「じゃあ…何の話を…」
「その前にさ、まずは閉めようよ。ドア」
まだ開けたままになっている生徒会室のドアを指した桐生君に従い、わたしはまたガラガラと音を立てて閉めた。
「まだだよ。カギも閉めて。
ほら、早くしないと昼休み終わっちまうだろっ」
「…カギも?」
ドキン とした。
以前にもあった環境。
カギを閉めた生徒会室は密室。
…わたしと桐生君だけの、特別な空間という名の、密室。
0
あなたにおすすめの小説
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
12年目の恋物語
真矢すみれ
恋愛
生まれつき心臓の悪い少女陽菜(はるな)と、12年間同じクラス、隣の家に住む幼なじみの男の子叶太(かなた)は学校公認カップルと呼ばれるほどに仲が良く、同じ時間を過ごしていた。
だけど、陽菜はある日、叶太が自分の身体に責任を感じて、ずっと一緒にいてくれるのだと知り、叶太から離れることを決意をする。
すれ違う想い。陽菜を好きな先輩の出現。二人を見守り、何とか想いが通じるようにと奔走する友人たち。
2人が結ばれるまでの物語。
第一部「12年目の恋物語」完結
第二部「13年目のやさしい願い」完結
第三部「14年目の永遠の誓い」←順次公開中
※ベリーズカフェと小説家になろうにも公開しています。
背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)
MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。
しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。
母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。
その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。
純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。
交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる