タイムスリップ チョコレート

むらさ樹

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スョ

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「ええっ、じゃあ俺の勘違い!?
でもだったら、どうして……」



どうやらようやく誤解が解けたようだけど。

でもオジサンが心配してくれたように、チョコを投げ捨てようとしたんだから半分は正解だもんね。




「…実はこのチョコを、捨てようかなって思ってたの」



「え? ………あぁ…」



ポロリ あたしの漏らした事情に、オジサンは改めて納得したみたいだった。

だって今日は、バレンタイン。



「好きな先輩に今年こそ!って思ってたんだけど勇気出せなくって…。そのまま渡し損ねちゃったの。
先輩、今年で卒業しちゃうのに……っ」



思い出すと、また胸の奥からジワジワと切ない気持ちになってきた。


渡せるチャンスはいっぱいあったんだけどね。

でもいざ近くに行くと、スゴくドキドキして心臓壊れそうになっちゃうんだもん。


はあぁ。
これでもう、あたしの恋も終わったようなものだよぉ。



「…告白とか、しなかったの?」



するとそんなあたしの気持ちに同情してくれたのか、オジサンは心配そうにあたしの顔を覗き込みながら訊いてきた。



「うーん…ホントはチョコを渡す時に告白するつもりだったんだけど、モテモテな先輩だからね。あたしなんて、どちみちダメかなって」



今まで廊下ですれ違う時や教室の窓から見てただけで、何か交流があったってわけじゃない。

それでなくても、あたしは特別かわいいわけじゃない、思いっきり普通に普通な女子生徒だもん。


これが最後だし、バレンタインなら勢いで告白できるかもーって思ったけど、もうそれもできないままになっちゃったんだなぁ…。




「あ…、夕陽が河に吸い込まれていってる……」



ずっと海の向こうにと続いている、この大きな河。

あたしが生まれるずっと前から留まる事なんてなく、時の流れを具現化してるかのように今も絶え間なく流れ続けている───…


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