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11話
しおりを挟む「知識としては一通り頭に入れていた。リゼットを気持ち良くしたい一心でやっていたから、上手いかどうかは自分では分からないな」
テオドールは先端を蕾と蜜口にゆるゆると擦り付け始めた。突然の淡い快感に喘いでしまう。
「あっ…!」
「リゼットを好きにならなければ、俺は一生こういうことに縁が無かったし、好きな相手と体を重ねることがこんなに幸せなことだって気づくこともなかっただろう」
ありがとう、と囁きながら割と容赦なく腰を進めてきた。グチュ、と濡れた音を立てて剛直が蜜口に入り込んでくる。
あ、ああ…!」
指や舌とは比べ物にならない圧迫感を伴って屹立がグリグリ押し進められる。熱い、大きい、思わず息をするのも忘れて堪える。誰も受け入れたことのない膣内をメリメリと押し広げながら、奥へ奥へと誘われる。襞に剛直が擦れながら進むだけで蜜が溢れ、潤滑油となって滑りが良くなっていて痛みより快感が上回りつつあった。
痛みはすぐに和らいだ。けど圧迫感はどうしても消えずに目をぎゅっと瞑る。苦しい、まだ収まらないのだろうか。リゼットが痛がってると思ったテオドールは頬を掌で撫でる。
「…痛いか?」
目を開けると心配そうに自分の顔を覗き込んでいた。ふるふると首を振る。
「痛みはそんなに…お腹が苦しくて」
チラリと結合部分に目をやると、赤黒い棒を自分の蜜口が咥え込んでいる卑猥な光景が。まだ全部は収まっておらず、テオドールが腰を進めている途中だ。かなり奥まで熱い塊で満たされた気がするのに、まだ先があるなんて。
「やっぱり大きい…んんぅ」
突然唇を塞がれて舌を挿し込まれる。クチュクチュと舌で中を掻き回して満足したのか、すぐに唇は解放された。ハァハァ、と涙目でリゼットは息を整えて上目遣いでテオドールを見る。
「急に何ですか…」
「…本当に頼むから大きいとか言わないでくれ、冗談抜きで頭がおかしくなる」
いつのまにか屹立が全て収まったようで互いの茂みが擦れていた。テオドールは苦しそうな顔で懇願している。
「リゼットの声も手も、何もかも俺を昂らせるのに、煽られると理性が焼き切れそうになるんだよ、獣みたいに犯しそうで怖い」
獰猛な光を宿す蒼い瞳の奥には不安の色が揺れている。薬の名残か、彼の本性なのかは分からない。さっきも乱暴に抱きそうと言っていたのにリゼットの体を高めることに集中していた。彼の言う「犯す」はちっとも怖くない。リゼットのために必死で自分を抑えてくれているその優しさを愛しいとすら思う。
「団長は大丈夫ですよ、酷いことはしないで、んんっ!」
急に優しく奥を突かれて乳房が揺れる。不機嫌なテオドールと目が合った。
「俺は名前で呼んでるのに、なんでリゼットは団長呼びなんだ」
要するに名前で呼ばないことが不満だったと。なら口で言って欲しい。だが、そんな面倒なテオドールに対して仕方ない人だな、という気持ちしか湧いてこないのでリゼットも大概手遅れだ。
「…テオドール様?…え、あ!」
収まっている屹立が大きくなった。狭い膣内を更に広げられてお腹が苦しい、けど気持ちいい。テオドールは目を伏せ自嘲気味に呟く。
「…いよいよ俺はおかしいみたいだな。名前呼ばれただけでこれだ」
みっちりとテオドールで埋め尽くされた膣内は、襞がうねって絡みつき、動いていないのにそれだけでうっとりしてしまうほど気持ちが良い。大きくなればなるほど快感が増すので、何をすれば大きくなるのか試したくなるほど、リゼットの思考ははしたない方向に引っ張られ始めていた。おかしいのはリゼットもだ。2人ともおかしくなっている。
テオドールは目を閉じて感じ入っている表情で、ふぅ、と色っぽいため息をつく。
「リゼットの中、気持ちが良すぎる。何もしてないのに達しそうだ」
リゼットも同じ気持ちだと、口で言うのは恥ずかしいので首を腕を回して胸板に顔を埋めて口付ける。お返しにつむじに口付けが落ちた。
「クールな才女がこんなに感じやすくてはしたないなんて、俺しか知らないんだな」
「氷の騎士がこんなにだらしのない顔をするなんて、私しか知らないんですね」
「そうだ、リゼットに名前呼ばれると大きくなるし触られるとすぐ射精するようになった」
もう少しオブラートに包んで欲しい、と思わなくもないが口には出さない。
「…さっきのあれ、薬のせいだけじゃ無かったんですね」
「薬で身体が熱くてきつい時に、好きな奴に触られて我慢できるわけないだろ」
あのドロリのした生臭くて不味い白濁液。クラクラするほど男としての本能を感じさせる。テオドールは触れられただけで射精するほど、リゼットに対する思いを募らせていたのだ。その事実に胸が甘く締め付けられる。テオドールがリゼットの首元に顔を埋め、背中に腕を回す。
「もう、リゼット以外に反応しない。人を好きになれないと思ってた俺をこんな風に変えた責任取ってくれ」
プロポーズのようでもあり、甘い脅迫のようでもあった。
「それは大変ですね、責任は取らないといけません。なら、私をキスするだけで蕩ける身体にした責任も取ってください」
「ああ、そうだった。君の身体をこんな風にした責任、一生かけて取るよ」
茂みに隠れた蕾を捏ねながら、リゼットの中を探るように動き始めた。腰を引かれると一瞬の喪失感、だが直ぐに中が剛直で満たされる。下腹部から漣のように快感が四肢へと広がり出す。パチュパチュと腰と腰がぶつかる卑猥な音が寝室に響く。決して強引には突き入れず、気持ちいいところを見つけようとする。ある一箇所を擦られると大袈裟なくらい喉を反らせるので、テオドールにはすぐバレる。そこをゴリゴリと下から抉るように擦られるとガクガク揺さぶられながらひっきりなしに鳴いてしまう。気持ち良すぎて、好きな男で満たされる悦びで涙が滲み出す。
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