2 / 12
第2話 帰宅部、冒険者になる
しおりを挟む
「やった!召喚成功です」
若い女性の声で目を覚ました。
そこはレンガ造りの密室で、5人ほどの修道服を身につけた男女に囲まれていた。
……何だこの状況は?
「俺は死んだはずじゃ?」
「いいえ、私たちが死の直前にこちらの世界に連れてきました」
今度は男が答えた。
こちらの世界?
何を言ってるんだ。
「あなたの名前はなんと言うのですか?」
修道士が尋ねてきた。
「俺の名前はアキラ」
「そうですかアキラ様、それでは簡単に事情を説明します」
どうやらここは今まで俺がいた世界とは違う、いわゆる異世界ということになるらしい。
俺はこの世界で起きている様々な厄災をおこす《バンディット》と呼ばれる怪物を倒すために呼ばれたらしい。
「私たちからの説明はここまでです」
「はあ、でもなんで俺?」
バンディットってのは怪物なんだろ?
帰宅部でゲームばっかりしている俺なんかが倒せるのか?
「それは神が決めたことなので、私たちにもわかりません」
「神の審判は公平で正しく行われるので、あなたはバンディットを倒すのにふさわしい存在なのでしょう」
俺がふさわしい存在?
神は信仰してないんでよく分からんが、自分は何かしら期待されているのだろう。
本来なら俺は死ぬはずだった身だ。
元の世界に思い残しもな━━━━━
ああああああああぁぁぁ
「イベント参加できねーかッッッ!!!」
「きゅ、急になんですか!」
突然大声を出してしまったので、若い修道女が驚いてそう返してきた。
「い、いえ、なんでもないです」
失礼しましたと短く謝る。
俺は涙を拭き、最愛のゲームと決別する。
さらばR・Oまた会う日まで!
「それでは、冒険者になる準備をしましょう」
俺は修道服達に連れられて部屋を出た。
今までいた部屋は地下室だったようだ。
階段を上り、外に出ると景色が開けた。高い吹き抜けだ。
さっきの人達の格好とこの建物、ここは教会だったのか。
「こちらですアキラ様」
修道女は俺をその部屋まで送り届けると、中に入るように言った。
部屋の奥には司祭服に身を包み、神聖な雰囲気を漂わせた老人がいた。
「そなたがアキラかね」
老人がおもむろに口を開く。
「ええ、私がアキラです」
「そうか、私はロベール=レオトー、このリルトン教会の教皇だ」
「そなたには冒険者になってバンディット退治の旅に出もらう」
「この教会の近くに街があるから、そこでギルドに登録して、旅を始めなさい」
教皇は「期待しておるよ」と優しく微笑んだ。
俺が教皇にお辞儀をして部屋を出るとさっきの修道女がいた。
「今度はこちらへ」
案内された場所へ行くと、そこには小袋と小さなカードがあった。
「これは?」
「小袋には金貨10枚、銀貨50枚が入っています」
「銀貨10枚で金貨1枚分の価値があります」
「冒険者への支援金です、それで必要なものを揃えてください」
「その黒くて丸い物は?」
「これは冒険者デバイスです」
修道女は冒険者デバイスを手に取って説明した。
どうやら冒険者はデバイスで様々な機能を使うことができるらしい。例えばモンスターのデータを調べたり、自分のステータスを調べたり、地図を見たり、ほかの冒険者デバイスと通話をする事もできるらしい。
「冒険者デバイスは高価なので盗難や紛失されないよう、注意してください」
「わかった」
冒険者デバイスを小袋に入れる。
「それではお気をつけて」
俺は修道女に一礼して教会を出た。
「……すごい」
俺の眼下にはRPGに出てくるような中世ヨーロッパのような街が広がっている。
その奥に広がる海は真昼の太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。
「まってろ俺の冒険者ライフ!今行くぞー!」
俺は教会の建つ丘を駆け下りて街へ向かった。
若い女性の声で目を覚ました。
そこはレンガ造りの密室で、5人ほどの修道服を身につけた男女に囲まれていた。
……何だこの状況は?
「俺は死んだはずじゃ?」
「いいえ、私たちが死の直前にこちらの世界に連れてきました」
今度は男が答えた。
こちらの世界?
何を言ってるんだ。
「あなたの名前はなんと言うのですか?」
修道士が尋ねてきた。
「俺の名前はアキラ」
「そうですかアキラ様、それでは簡単に事情を説明します」
どうやらここは今まで俺がいた世界とは違う、いわゆる異世界ということになるらしい。
俺はこの世界で起きている様々な厄災をおこす《バンディット》と呼ばれる怪物を倒すために呼ばれたらしい。
「私たちからの説明はここまでです」
「はあ、でもなんで俺?」
バンディットってのは怪物なんだろ?
帰宅部でゲームばっかりしている俺なんかが倒せるのか?
「それは神が決めたことなので、私たちにもわかりません」
「神の審判は公平で正しく行われるので、あなたはバンディットを倒すのにふさわしい存在なのでしょう」
俺がふさわしい存在?
神は信仰してないんでよく分からんが、自分は何かしら期待されているのだろう。
本来なら俺は死ぬはずだった身だ。
元の世界に思い残しもな━━━━━
ああああああああぁぁぁ
「イベント参加できねーかッッッ!!!」
「きゅ、急になんですか!」
突然大声を出してしまったので、若い修道女が驚いてそう返してきた。
「い、いえ、なんでもないです」
失礼しましたと短く謝る。
俺は涙を拭き、最愛のゲームと決別する。
さらばR・Oまた会う日まで!
「それでは、冒険者になる準備をしましょう」
俺は修道服達に連れられて部屋を出た。
今までいた部屋は地下室だったようだ。
階段を上り、外に出ると景色が開けた。高い吹き抜けだ。
さっきの人達の格好とこの建物、ここは教会だったのか。
「こちらですアキラ様」
修道女は俺をその部屋まで送り届けると、中に入るように言った。
部屋の奥には司祭服に身を包み、神聖な雰囲気を漂わせた老人がいた。
「そなたがアキラかね」
老人がおもむろに口を開く。
「ええ、私がアキラです」
「そうか、私はロベール=レオトー、このリルトン教会の教皇だ」
「そなたには冒険者になってバンディット退治の旅に出もらう」
「この教会の近くに街があるから、そこでギルドに登録して、旅を始めなさい」
教皇は「期待しておるよ」と優しく微笑んだ。
俺が教皇にお辞儀をして部屋を出るとさっきの修道女がいた。
「今度はこちらへ」
案内された場所へ行くと、そこには小袋と小さなカードがあった。
「これは?」
「小袋には金貨10枚、銀貨50枚が入っています」
「銀貨10枚で金貨1枚分の価値があります」
「冒険者への支援金です、それで必要なものを揃えてください」
「その黒くて丸い物は?」
「これは冒険者デバイスです」
修道女は冒険者デバイスを手に取って説明した。
どうやら冒険者はデバイスで様々な機能を使うことができるらしい。例えばモンスターのデータを調べたり、自分のステータスを調べたり、地図を見たり、ほかの冒険者デバイスと通話をする事もできるらしい。
「冒険者デバイスは高価なので盗難や紛失されないよう、注意してください」
「わかった」
冒険者デバイスを小袋に入れる。
「それではお気をつけて」
俺は修道女に一礼して教会を出た。
「……すごい」
俺の眼下にはRPGに出てくるような中世ヨーロッパのような街が広がっている。
その奥に広がる海は真昼の太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。
「まってろ俺の冒険者ライフ!今行くぞー!」
俺は教会の建つ丘を駆け下りて街へ向かった。
0
あなたにおすすめの小説
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
才能は流星魔法
神無月 紅
ファンタジー
東北の田舎に住んでいる遠藤井尾は、事故によって気が付けばどこまでも広がる空間の中にいた。
そこには巨大な水晶があり、その水晶に触れると井尾の持つ流星魔法の才能が目覚めることになる。
流星魔法の才能が目覚めると、井尾は即座に異世界に転移させられてしまう。
ただし、そこは街中ではなく誰も人のいない山の中。
井尾はそこで生き延びるべく奮闘する。
山から降りるため、まずはゴブリンから逃げ回りながら人の住む街や道を探すべく頂上付近まで到達したとき、そこで見たのは地上を移動するゴブリンの軍勢。
井尾はそんなゴブリンの軍勢に向かって流星魔法を使うのだった。
二日に一度、18時に更新します。
カクヨムにも同時投稿しています。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
台風のよる、君ひそやかに、魔女高らかに
にしのくみすた
ファンタジー
【空を飛ぶ魔女たちの、もちもち百合ファンタジー・コメディ!】
台風の夜、魔女はホウキで空を翔け――嵐と戦う!
この街で台風と戦うのは、ホウキで飛ぶ魔女の仕事だ。
空を飛ぶ魔女に憧れながらも、魔法が使えない体質のため夢を諦めたモチコ。
台風の夜、嵐に襲われて絶体絶命のピンチに陥ったモチコを救ったのは、
誰よりも速く夜空を飛ぶ“疾風迅雷の魔女”ミライアだった。
ひょんな事からミライアの相方として飛ぶことになったモチコは、
先輩のミライアとともに何度も台風へ挑み、だんだんと成長していく。
ふたりの距離が少しずつ近づいていくなか、
ミライアがあやしい『実験』をしようと言い出して……?
史上最速で空を飛ぶことにこだわる変な先輩と、全く飛べない地味メガネの後輩。
ふたりは夜空に浮かんだホウキの上で、今夜も秘密の『実験』を続けていく――。
空を飛ぶ魔女たちの、もちもち百合ファンタジー・コメディ!
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる