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3.波乱の二人
7.まずは友達から
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「お願い朱莉!一緒に来て!」
「えー……」
朝。
私の目の前には頭を下げるクラスメイト。
「人数足りなくなっちゃって! 座ってるだけでいいから!」
「そう言ってもね……」
「お金持ちでエリート高校生との合コンなのよ! 滅多にないチャンスなの!」
そう。大和朱莉、人生初、合コンに誘われています。まあ、ただの人数合わせですけどね。
「ぶっちゃけあまり興味ない……」
お金持ちエリートは蒼司で充分だし。それに大事になると面倒なことになる。そんな予感がする。
「冷めてるわー、あんた。彼氏いないんでしょ? 恋とかしたくないの!?」
「……それは」
彼氏……は、一応いない。恋は……どうだろう。
したいかといわれると……。
「別にいいかなぁ」
「おい!」
怒られた。
そんなに怒らなくてもいいじゃない。
クラスメイトはというと腕を組んで宙を見上げ、うーん、とかあー、とか唸っている。
「……っていうか私以外に誘う人いないの?」
「あんたのネームバリューが欲しいんだってば」
「ネームバリュー?」
なにそれ、おいしいの?
意味が分からず首をかしげると彼女はウソだろ、と目を見開いてこちらを見た。
「このあたりの高校じゃ、あんた有名人だよ? 生徒会長と並んで」
「はぁ!?」
どうしてそんなことになってるの!?
「ウチみたいに生徒同士の対立を容認している学校なんて他にないから……ね」
「あぁ……」
そういえば周防さんもこの間言っていた気がする。
「つまり私は見世物のパンダか」
ますます行く気無くなったわ。話し合いを拒否し、予習に集中するフリをする。
クラスメイトはまだ動こうとしない。
そこに。
「あれぇ。合コンですかぁ?楽しそうですねぇ」
越前さんがやってきた。
今日もいつも通りのふわふわした喋り方だ。私ははっと気が付いた。
「越前さん! 越前さんがいるじゃん、誘えば?」
私がクラスメイトをつっついてそう言うと、彼女は微妙そうな表情になる。
そして越前さんには聞こえないくらいの小声で私に言った。
「……絶対に負ける。見た目で」
「あぁ……キャラもでしょ」
「それもそうか」
全部持ってかれるってことね。もちろん越前さんはこんな会話に気が付かず、無邪気に私に言う。
「大和さん、せっかくのお誘いですよ。断ったらもったいないです~」
味方を得た、とばかりにクラスメイトが更に勢いを増す。
「そうよ! お願い!」
両側から女の子二人に挟まれる。……うぅ。断りづらい。
葛藤していると、越前さんはくるりと後ろを振り返って言った。
「ねえ、蒼司くん」
彼女の視線の先には鞄を持って立っている蒼司。
一体いつからいたんだろう……。
蒼司は私の顔を数秒じっと見て、視線をそらすと自分の席に座った。
「良いんじゃないか。大和さんなら良い見世物になるだろう」
「……は?」
なんですって。人のことを……良い見世物ですって!?
そのままヤツは予習を始めた。
人のことを煽るだけ煽っておいて!!
「……行く」
「え?」
私はうつむいて体を震わせながら絞り出すように声をだした。
もちろん怒りで震えている。
「合コン、絶対行く!! 見世物やってやろうじゃないの!」
越前さんがポツリと呟いた。
「……煽り耐性ゼロですねぇ」
そして合コン当日。
私はクラスメイトに引っ張られるようにして、駅前のカラオケにやってきた。
「……あ、来た来た」
しばらく女子5人ぐらいで入り口で待っていると、同じ制服を着た男性の集団が近づいてきた。
ベージュのジャケットに濃紺のタータンチェックのズボンとネクタイ。
異様にキラキラとしたオーラがその集団から放たれていた。
……あれ? この制服見覚えが。って……。
「飛鳥学園!?」
「そう! 言ったでしょ、お金持ちのエリートだって」
確かに文句のつけようがないエリート集団だった。
「あれ? そっち4人?」
クラスメイトが目で飛鳥学園男子の人数を数えて首をかしげる。
「あー。ごめんごめん。あと一人、遅れてくるってさ。先入ってようぜ」
そういって男の子たちは慣れた様子でカラオケ店の中に入っていった。
私たちも後に続く。……お金持ちもカラオケするんだ。
と思わず変なところに感心してしまった。
そして彼らの姿を良く見て納得。
着崩したエリート校の制服に隠れ、かすかに香水の香り。そして耳にゆれるピアス。明るい色に染めた髪。
結構遊んでるんだ。
「何してるの? 朱莉」
隣に立っていたクラスメイトに不思議そうな顔で見られ、私は慌ててみんなに続いてカラオケの中に入った。
ちょっと広めのパーティールームみたいな部屋に通された。
注文したドリンクも届いて、さあ自己紹介だ、と男の子が一人立ちあがった瞬間、部屋のドアが開いた。
「ごめん、待たせたね」
入ってきたのは飛鳥学園の制服を着た男子。彼も少し制服を着崩しているけど、髪は染めてない。
彼は部屋の中をぐるりと見回すように首を動かして……私に笑いかけた。
「大和さん。まさかこんなところで会えるなんて」
……って。
「す、周防さん!?」
遅れてやってきたその人こそ、飛鳥学園生徒会長の周防深夜さん。
以前、蒼司と一緒に参加した学校交流会で会ったことがある。相変わらず王子様オーラが半端ない。
「な、なに! 朱莉、知り合いなの!?」
呆然と私達のやり取りを見ていたクラスメイトが、勢いよくわき腹を突っつく。痛い痛い。
「うーん、前にちょっとね」
話すと色々と長いから曖昧に誤魔化しておいた。
周防さんは飛鳥学園の人と少し話をしたあと、空いている隅っこの方の席――つまり私の横だ――に座って、女の子達に微笑んだ。
「今日は、よろしくね」
キラキラと音が聞こえそうなほどの完璧な王子様スマイル。
あー……これは何人か陥落した。
前回これをくらった私は、人ごとのようにそう思った。
広い部屋の中に、最近流行ってる男性歌手のバラードが流れている。
趣味でバンドをやっている、という飛鳥学園の男子がノリノリでマイクを持っている。
「ねえ、なんで今日参加したの?」
それにぼんやりと耳を傾け、オレンジジュースを飲んでいたら、周防さんがそう訊いてきた。
「全然歌ってないし、雰囲気を楽しみに来たわけでもなさそう。ましてや男目当てでもなさそうだし……」
質問の意図が分からなくて、ストローをくわえたまま間の抜けた顔をしてしまう。
「……なぜそんなことを?」
「いや。吉野君はいいのかなぁ、って」
どうしてここで蒼司の名前が出てくる。
「……別に関係ないですよ。むしろあいつが行けって言ったんです」
「……二人は付き合ってるんじゃないの?」
「違います」
たぶん。私の返事を聞いて、周防さんはへぇとつぶやいた。
「周防さんこそ、どうして今日は来たんですか?」
周防さんほどの人なら、合コンなんか来なくても女の子が周りにたくさん集まるだろうに……と勝手な想像をしてみる。
「君が来るって聞いたから」
「は?」
彼の口から出たのは私の予想外の答えだった。
「もう一度君と話をしたいと思っていたんだ……君のことが気になって」
「はぁ……」
なぜ?
頭の中をよぎったのはそんな疑問。そんなことを思われるような私の価値っていえば……。
「私がレジスタンスのリーダーだから?」
「きっかけはそうだったけど、この間会ってみて……一目ぼれした」
「はぁ!?」
今、なんて言いました!?
私が叫んだことにより、他で談笑していた人たちの視線が一斉にこちらを向く。すみません、お気になさらず……。
手を振ってなんでもない、とアピールをすると皆は不思議そうな顔をしたまま戻っていく。
「……聞き間違い?」
そう返すと、周防さんは笑顔のまま答える。
「もう一度言おうか?」
「……遠慮します」
開いた口が塞がらない。
なんで! どうして!
よりによって私!? 自分で言うのもあれだけど、容姿は並だよ!?
一目ぼれされる要素が……見当たらない。
という旨を、混乱して支離滅裂になりながら伝える。
「君は意外と、自分のことを分かっていないようだ」
そんな私を見て、周防さんが目を細める。
「まっすぐで、いつも一生懸命で、皆を引っ張っていく力のある女の子。とても魅力的だ。……吉野君が君の事を気に入る理由がよく分かる」
最初の部分も言いたいことはあるけど、とりあえず。
「気に入られてなんかないです」
それだけ直しておいた。
「あ、そっちも自覚無しか」
「……?」
呆れたようなため息をつかれる。……なんで私、呆れられてんの?
「でも、それならなおさら好都合」
周防さんは制服のジャケットからスマートフォンを取り出すと、言った。
「LIME、交換しようか」
「……いいですけど」
友達交換くらいならまあ別に普通だし……。
そう思って、私もスマホを取り出す。ピロリン、と軽い電子音がして画面に周防さんの連絡先が表示された。
「まずは友達から、ってことで」
「はあ……」
未だに状況についていけていない私とは反対に、周防さんはご機嫌らしく、ニコニコと笑っている。
私なんかの連絡先でそんなニコニコしてくれると、なんだかいたたまれない。
周防さんは移動して他の子としゃべることも、マイクを持って歌うことも無く、ただ私の横に座っていた。
時折私に話しかけてくること以外は、終始みんなの様子を見守っている。
そんな感じだ。……本当にこの人は、私が目的で来ただけなんだろうか。
「周防、場所変わって」
一曲歌い終えた飛鳥学園の男子が周防さんに向かって言った。さっきバラードを歌っていた人だ。
「お前ばっかりその子独占してずりぃよ」
「あぁ。ごめんごめん。でも、僕もこの子が気にいっちゃって」
……!? 何、言ってくれちゃってんのこの人!!
周防さんに話しかけた男子生徒が一瞬沈黙した。
「お前がそんな風に言うのなんて珍しいな!」
「えぇ! 何!? 朱莉、いつの間に周防さんと……!」
その声に反応したクラスメイトたちも私と周防さんのほうを一斉に向く。
うわぁ。面倒なことになった!
「な、なんでもない! 私、ちょっと出てくる!」
面倒な事はごめんだ。逃げるように、私は席を立った。
「帰りたい……」
廊下の壁に寄りかかり、はぁとため息をつく。どこかの部屋から男女の歌声とタンバリンの音が聞こえてきた。
ただの人数あわせのはずで、穏やかに済むはずだったのに……。
どうしてこうなった。頭の中をそんな言葉がよぎる。
なんて言い訳しようか、とか、戻るのいやだなぁ、とか色々考えていると、ポケットに突っ込んだスマホが着信を知らせた。
LIMEの画面に表示されたのは、吉野蒼司。
「……なぜこのタイミングで」
周防さんとのあれやこれやがあった後だから、というわけではないけれど……もの凄く疲れていた。
用件は代議部の仕事のこと。何か不備があったのだろうか。
『詳細教えて。明日対応する』
そう返信を打つと、すぐに返事がきた。
『今聞いておきたいことがある。通話はできるか?』
……腕時計を見る。部屋を出てきて5分。
まあ、そんなに長い話ではないと思うし、大丈夫。
『できる』
そう返事をして数秒後、今度は着信音が鳴った。
「もしもし」
『突然悪い。……後ろが騒がしいな』
「ああ……ごめん。今、カラオケだから。聞こえる?」
『問題ない。早速だが、朝の提案書の件で聞きたいことがある』
淡々といくつかの質問が読み上げられる。
私は記憶を手繰りながら、その質問に淡々と答えていった。
ふと、視界の隅にベージュのブレザーが映った。記憶を手繰るため伏せかけていた顔をあげると、周防さんが立っていた。
とりあえず会釈だけしておく。しかし、そのまま立ち去ると思っていた周防さんは私のほうに近づいてきた。思わず電話のことを忘れて、そちらに気をとられてしまう。
『大和さん?』
電話の向こうで、蒼司が怪訝そうに言った。私が集中できていないことに気付いている。慌てて意識を戻した。
「……あ、ごめん。なんだっけ」
『ガイダンスの会場案内の……』
電話から再び蒼司の声が流れはじめた。一方、周防さんは、壁にもたれている私の目の前に立った。思わぬ至近距離に私の視線が泳ぐ。電話に集中しようにも、これじゃできない。
……一体なんなの!?
そのまま周防さんは、私の腕をつかむと、手からスマホを奪い取った。
「ちょっと!?」
早業になすすべも無い。
『……朱莉!?』
声が聞こえたのか、蒼司の焦ったような呼び声が電話から聞こえた。それを聞いた周防さんは。
「……朱莉、ねぇ」
小さくつぶやき、電話を切ってしまった。スマホを私にはい、と差し出す。
「何するんですか!」
「他の男と話してる君を見ていると……嫉妬しちゃって」
「……何言ってるんですか。冗談はやめてください」
「本心だよ。さっきも言ったけど、僕は君が好きなんだ。できることなら、今すぐ君を……」
トンっ。
周防さんの手が壁に触れる。丁度、私の耳の辺り。両手で逃げ道を封じ込められた。
「……あいにく、壁ドンは萌えないんですけど」
「でもこうしないと、君は逃げちゃうよね」
当たり前だ。こんな状況、誰でも逃げる。
叫ぶか、殴るか……。どうやってここから抜け出そうか。そう考えながら、周防さんの目をじっと見つめる。
彼は……楽しそうに笑っている。何を考えているのかさっぱり分からない。
蒼司とは違う目だ。今なら分かる。あの目はもっと、まっすぐでわかりやすい。
「ねえ、さっき言ってたよね?吉野君と大和さんは、付き合ってないんだって」
「……はい」
小さくうなずいた瞬間、視界が暗くなった。間近に周防さんの顔が迫る。彼の腕が、私の顔の横から滑るように移動した。
「んっ!?」
体が強く、壁に押し付けられる。唇に柔らかくて、温かい感触が広がる。
自分が何をされているか分かって、私は彼の体を強くたたいた。それでも私の体を押さえる腕の力は緩むことが無い。私の力なんて、彼には何の影響も無い。
うまく息ができなくて、頭がくらくらする。
……長い時間が過ぎた気がした。実際には1分も経っていないんだけど。ようやく周防さんは離れてくれた。
「……友達からじゃなかったんですか」
尋ねた声が震えた。
……だめだ。しっかりしないと。
「僕は我慢が苦手なんだ」
「……ふざけないでください!」
……もう無理!
彼のよく分からない笑顔を見た瞬間、我慢できなかった。私はその場から走り去った。
その後、どうやって帰ったのか覚えてない。でも、気がついたら家のベッドで頭から布団を被っていた。
何回かおばあちゃんが様子を見に来てくれた。顔は出せなかった。ご飯も食べず、私はひたすらに布団にもぐっていた。
悲しいのか、怒ってるのか……自分でも分からないくらい、感情がぐちゃぐちゃ。
スマホ何回も着信を知らせてくる。友達から、クラスメイトから……そして蒼司から。
あんな微妙なところで電話が切れてしまったから、心配してくれてるんだろうか。画面に表示されたその名前を見るたびに、心が痛んだ。
……今は、とてもじゃないけど話せない。
私の身になにがあろうと、学校は普通にある。重たい心を抱えたまま、私は教室のドアを開けた。
ざっ、と音がしたような気がした。クラスの視線が一斉に私の元に。
「な、なに……?」
意味が分からず首をひねると、数名のクラスメイトが駆け寄ってきた。
「朱莉! あんた、どうやって落としたのよ!」
「はぁ?」
何のことやらさっぱり分からない。
「飛鳥学園の生徒会長よ! 付き合ってるんでしょ!?」
「はぁ!?」
違う、違う。と首を必死に横に振る。
「誤魔化したって無駄よ。昨日見た子いるんだから! あんたが、周防さんとキスしてるところ!」
「長くてあつーい、熱烈なキスだったんでしょ!」
そしてスマホの画面を突きつけられる。そこには壁にもたれた私に、顔を近づける周防さんの写真が。
……あれかぁぁぁぁ!
頭を抱えたくなった。
見られていた。その上写真まで撮られて、誤解されてる……。
「あれは違う! 周防さんのいたずらのようなもので……!」
聞く耳を持たないクラスメイトに必死で弁明しようとしていると、誰かの手によって右手で持っていたスマホが抜き取られた。
「……」
「……あ」
振り向くと鞄を持った蒼司が無言でスマホの画面を見つめていた。その横から越前さんがひょっこりと顔を出す。
「わぁ。すごーい。ラブラブですねぇ」
「……ずいぶん、仲がいいな」
「そ、それは……」
蒼司はそのまま自分の席に戻って予習を始めてしまった。心なしか雰囲気がぴりぴりしている。
……これ、もしかしてマズイんじゃ。
「えー……」
朝。
私の目の前には頭を下げるクラスメイト。
「人数足りなくなっちゃって! 座ってるだけでいいから!」
「そう言ってもね……」
「お金持ちでエリート高校生との合コンなのよ! 滅多にないチャンスなの!」
そう。大和朱莉、人生初、合コンに誘われています。まあ、ただの人数合わせですけどね。
「ぶっちゃけあまり興味ない……」
お金持ちエリートは蒼司で充分だし。それに大事になると面倒なことになる。そんな予感がする。
「冷めてるわー、あんた。彼氏いないんでしょ? 恋とかしたくないの!?」
「……それは」
彼氏……は、一応いない。恋は……どうだろう。
したいかといわれると……。
「別にいいかなぁ」
「おい!」
怒られた。
そんなに怒らなくてもいいじゃない。
クラスメイトはというと腕を組んで宙を見上げ、うーん、とかあー、とか唸っている。
「……っていうか私以外に誘う人いないの?」
「あんたのネームバリューが欲しいんだってば」
「ネームバリュー?」
なにそれ、おいしいの?
意味が分からず首をかしげると彼女はウソだろ、と目を見開いてこちらを見た。
「このあたりの高校じゃ、あんた有名人だよ? 生徒会長と並んで」
「はぁ!?」
どうしてそんなことになってるの!?
「ウチみたいに生徒同士の対立を容認している学校なんて他にないから……ね」
「あぁ……」
そういえば周防さんもこの間言っていた気がする。
「つまり私は見世物のパンダか」
ますます行く気無くなったわ。話し合いを拒否し、予習に集中するフリをする。
クラスメイトはまだ動こうとしない。
そこに。
「あれぇ。合コンですかぁ?楽しそうですねぇ」
越前さんがやってきた。
今日もいつも通りのふわふわした喋り方だ。私ははっと気が付いた。
「越前さん! 越前さんがいるじゃん、誘えば?」
私がクラスメイトをつっついてそう言うと、彼女は微妙そうな表情になる。
そして越前さんには聞こえないくらいの小声で私に言った。
「……絶対に負ける。見た目で」
「あぁ……キャラもでしょ」
「それもそうか」
全部持ってかれるってことね。もちろん越前さんはこんな会話に気が付かず、無邪気に私に言う。
「大和さん、せっかくのお誘いですよ。断ったらもったいないです~」
味方を得た、とばかりにクラスメイトが更に勢いを増す。
「そうよ! お願い!」
両側から女の子二人に挟まれる。……うぅ。断りづらい。
葛藤していると、越前さんはくるりと後ろを振り返って言った。
「ねえ、蒼司くん」
彼女の視線の先には鞄を持って立っている蒼司。
一体いつからいたんだろう……。
蒼司は私の顔を数秒じっと見て、視線をそらすと自分の席に座った。
「良いんじゃないか。大和さんなら良い見世物になるだろう」
「……は?」
なんですって。人のことを……良い見世物ですって!?
そのままヤツは予習を始めた。
人のことを煽るだけ煽っておいて!!
「……行く」
「え?」
私はうつむいて体を震わせながら絞り出すように声をだした。
もちろん怒りで震えている。
「合コン、絶対行く!! 見世物やってやろうじゃないの!」
越前さんがポツリと呟いた。
「……煽り耐性ゼロですねぇ」
そして合コン当日。
私はクラスメイトに引っ張られるようにして、駅前のカラオケにやってきた。
「……あ、来た来た」
しばらく女子5人ぐらいで入り口で待っていると、同じ制服を着た男性の集団が近づいてきた。
ベージュのジャケットに濃紺のタータンチェックのズボンとネクタイ。
異様にキラキラとしたオーラがその集団から放たれていた。
……あれ? この制服見覚えが。って……。
「飛鳥学園!?」
「そう! 言ったでしょ、お金持ちのエリートだって」
確かに文句のつけようがないエリート集団だった。
「あれ? そっち4人?」
クラスメイトが目で飛鳥学園男子の人数を数えて首をかしげる。
「あー。ごめんごめん。あと一人、遅れてくるってさ。先入ってようぜ」
そういって男の子たちは慣れた様子でカラオケ店の中に入っていった。
私たちも後に続く。……お金持ちもカラオケするんだ。
と思わず変なところに感心してしまった。
そして彼らの姿を良く見て納得。
着崩したエリート校の制服に隠れ、かすかに香水の香り。そして耳にゆれるピアス。明るい色に染めた髪。
結構遊んでるんだ。
「何してるの? 朱莉」
隣に立っていたクラスメイトに不思議そうな顔で見られ、私は慌ててみんなに続いてカラオケの中に入った。
ちょっと広めのパーティールームみたいな部屋に通された。
注文したドリンクも届いて、さあ自己紹介だ、と男の子が一人立ちあがった瞬間、部屋のドアが開いた。
「ごめん、待たせたね」
入ってきたのは飛鳥学園の制服を着た男子。彼も少し制服を着崩しているけど、髪は染めてない。
彼は部屋の中をぐるりと見回すように首を動かして……私に笑いかけた。
「大和さん。まさかこんなところで会えるなんて」
……って。
「す、周防さん!?」
遅れてやってきたその人こそ、飛鳥学園生徒会長の周防深夜さん。
以前、蒼司と一緒に参加した学校交流会で会ったことがある。相変わらず王子様オーラが半端ない。
「な、なに! 朱莉、知り合いなの!?」
呆然と私達のやり取りを見ていたクラスメイトが、勢いよくわき腹を突っつく。痛い痛い。
「うーん、前にちょっとね」
話すと色々と長いから曖昧に誤魔化しておいた。
周防さんは飛鳥学園の人と少し話をしたあと、空いている隅っこの方の席――つまり私の横だ――に座って、女の子達に微笑んだ。
「今日は、よろしくね」
キラキラと音が聞こえそうなほどの完璧な王子様スマイル。
あー……これは何人か陥落した。
前回これをくらった私は、人ごとのようにそう思った。
広い部屋の中に、最近流行ってる男性歌手のバラードが流れている。
趣味でバンドをやっている、という飛鳥学園の男子がノリノリでマイクを持っている。
「ねえ、なんで今日参加したの?」
それにぼんやりと耳を傾け、オレンジジュースを飲んでいたら、周防さんがそう訊いてきた。
「全然歌ってないし、雰囲気を楽しみに来たわけでもなさそう。ましてや男目当てでもなさそうだし……」
質問の意図が分からなくて、ストローをくわえたまま間の抜けた顔をしてしまう。
「……なぜそんなことを?」
「いや。吉野君はいいのかなぁ、って」
どうしてここで蒼司の名前が出てくる。
「……別に関係ないですよ。むしろあいつが行けって言ったんです」
「……二人は付き合ってるんじゃないの?」
「違います」
たぶん。私の返事を聞いて、周防さんはへぇとつぶやいた。
「周防さんこそ、どうして今日は来たんですか?」
周防さんほどの人なら、合コンなんか来なくても女の子が周りにたくさん集まるだろうに……と勝手な想像をしてみる。
「君が来るって聞いたから」
「は?」
彼の口から出たのは私の予想外の答えだった。
「もう一度君と話をしたいと思っていたんだ……君のことが気になって」
「はぁ……」
なぜ?
頭の中をよぎったのはそんな疑問。そんなことを思われるような私の価値っていえば……。
「私がレジスタンスのリーダーだから?」
「きっかけはそうだったけど、この間会ってみて……一目ぼれした」
「はぁ!?」
今、なんて言いました!?
私が叫んだことにより、他で談笑していた人たちの視線が一斉にこちらを向く。すみません、お気になさらず……。
手を振ってなんでもない、とアピールをすると皆は不思議そうな顔をしたまま戻っていく。
「……聞き間違い?」
そう返すと、周防さんは笑顔のまま答える。
「もう一度言おうか?」
「……遠慮します」
開いた口が塞がらない。
なんで! どうして!
よりによって私!? 自分で言うのもあれだけど、容姿は並だよ!?
一目ぼれされる要素が……見当たらない。
という旨を、混乱して支離滅裂になりながら伝える。
「君は意外と、自分のことを分かっていないようだ」
そんな私を見て、周防さんが目を細める。
「まっすぐで、いつも一生懸命で、皆を引っ張っていく力のある女の子。とても魅力的だ。……吉野君が君の事を気に入る理由がよく分かる」
最初の部分も言いたいことはあるけど、とりあえず。
「気に入られてなんかないです」
それだけ直しておいた。
「あ、そっちも自覚無しか」
「……?」
呆れたようなため息をつかれる。……なんで私、呆れられてんの?
「でも、それならなおさら好都合」
周防さんは制服のジャケットからスマートフォンを取り出すと、言った。
「LIME、交換しようか」
「……いいですけど」
友達交換くらいならまあ別に普通だし……。
そう思って、私もスマホを取り出す。ピロリン、と軽い電子音がして画面に周防さんの連絡先が表示された。
「まずは友達から、ってことで」
「はあ……」
未だに状況についていけていない私とは反対に、周防さんはご機嫌らしく、ニコニコと笑っている。
私なんかの連絡先でそんなニコニコしてくれると、なんだかいたたまれない。
周防さんは移動して他の子としゃべることも、マイクを持って歌うことも無く、ただ私の横に座っていた。
時折私に話しかけてくること以外は、終始みんなの様子を見守っている。
そんな感じだ。……本当にこの人は、私が目的で来ただけなんだろうか。
「周防、場所変わって」
一曲歌い終えた飛鳥学園の男子が周防さんに向かって言った。さっきバラードを歌っていた人だ。
「お前ばっかりその子独占してずりぃよ」
「あぁ。ごめんごめん。でも、僕もこの子が気にいっちゃって」
……!? 何、言ってくれちゃってんのこの人!!
周防さんに話しかけた男子生徒が一瞬沈黙した。
「お前がそんな風に言うのなんて珍しいな!」
「えぇ! 何!? 朱莉、いつの間に周防さんと……!」
その声に反応したクラスメイトたちも私と周防さんのほうを一斉に向く。
うわぁ。面倒なことになった!
「な、なんでもない! 私、ちょっと出てくる!」
面倒な事はごめんだ。逃げるように、私は席を立った。
「帰りたい……」
廊下の壁に寄りかかり、はぁとため息をつく。どこかの部屋から男女の歌声とタンバリンの音が聞こえてきた。
ただの人数あわせのはずで、穏やかに済むはずだったのに……。
どうしてこうなった。頭の中をそんな言葉がよぎる。
なんて言い訳しようか、とか、戻るのいやだなぁ、とか色々考えていると、ポケットに突っ込んだスマホが着信を知らせた。
LIMEの画面に表示されたのは、吉野蒼司。
「……なぜこのタイミングで」
周防さんとのあれやこれやがあった後だから、というわけではないけれど……もの凄く疲れていた。
用件は代議部の仕事のこと。何か不備があったのだろうか。
『詳細教えて。明日対応する』
そう返信を打つと、すぐに返事がきた。
『今聞いておきたいことがある。通話はできるか?』
……腕時計を見る。部屋を出てきて5分。
まあ、そんなに長い話ではないと思うし、大丈夫。
『できる』
そう返事をして数秒後、今度は着信音が鳴った。
「もしもし」
『突然悪い。……後ろが騒がしいな』
「ああ……ごめん。今、カラオケだから。聞こえる?」
『問題ない。早速だが、朝の提案書の件で聞きたいことがある』
淡々といくつかの質問が読み上げられる。
私は記憶を手繰りながら、その質問に淡々と答えていった。
ふと、視界の隅にベージュのブレザーが映った。記憶を手繰るため伏せかけていた顔をあげると、周防さんが立っていた。
とりあえず会釈だけしておく。しかし、そのまま立ち去ると思っていた周防さんは私のほうに近づいてきた。思わず電話のことを忘れて、そちらに気をとられてしまう。
『大和さん?』
電話の向こうで、蒼司が怪訝そうに言った。私が集中できていないことに気付いている。慌てて意識を戻した。
「……あ、ごめん。なんだっけ」
『ガイダンスの会場案内の……』
電話から再び蒼司の声が流れはじめた。一方、周防さんは、壁にもたれている私の目の前に立った。思わぬ至近距離に私の視線が泳ぐ。電話に集中しようにも、これじゃできない。
……一体なんなの!?
そのまま周防さんは、私の腕をつかむと、手からスマホを奪い取った。
「ちょっと!?」
早業になすすべも無い。
『……朱莉!?』
声が聞こえたのか、蒼司の焦ったような呼び声が電話から聞こえた。それを聞いた周防さんは。
「……朱莉、ねぇ」
小さくつぶやき、電話を切ってしまった。スマホを私にはい、と差し出す。
「何するんですか!」
「他の男と話してる君を見ていると……嫉妬しちゃって」
「……何言ってるんですか。冗談はやめてください」
「本心だよ。さっきも言ったけど、僕は君が好きなんだ。できることなら、今すぐ君を……」
トンっ。
周防さんの手が壁に触れる。丁度、私の耳の辺り。両手で逃げ道を封じ込められた。
「……あいにく、壁ドンは萌えないんですけど」
「でもこうしないと、君は逃げちゃうよね」
当たり前だ。こんな状況、誰でも逃げる。
叫ぶか、殴るか……。どうやってここから抜け出そうか。そう考えながら、周防さんの目をじっと見つめる。
彼は……楽しそうに笑っている。何を考えているのかさっぱり分からない。
蒼司とは違う目だ。今なら分かる。あの目はもっと、まっすぐでわかりやすい。
「ねえ、さっき言ってたよね?吉野君と大和さんは、付き合ってないんだって」
「……はい」
小さくうなずいた瞬間、視界が暗くなった。間近に周防さんの顔が迫る。彼の腕が、私の顔の横から滑るように移動した。
「んっ!?」
体が強く、壁に押し付けられる。唇に柔らかくて、温かい感触が広がる。
自分が何をされているか分かって、私は彼の体を強くたたいた。それでも私の体を押さえる腕の力は緩むことが無い。私の力なんて、彼には何の影響も無い。
うまく息ができなくて、頭がくらくらする。
……長い時間が過ぎた気がした。実際には1分も経っていないんだけど。ようやく周防さんは離れてくれた。
「……友達からじゃなかったんですか」
尋ねた声が震えた。
……だめだ。しっかりしないと。
「僕は我慢が苦手なんだ」
「……ふざけないでください!」
……もう無理!
彼のよく分からない笑顔を見た瞬間、我慢できなかった。私はその場から走り去った。
その後、どうやって帰ったのか覚えてない。でも、気がついたら家のベッドで頭から布団を被っていた。
何回かおばあちゃんが様子を見に来てくれた。顔は出せなかった。ご飯も食べず、私はひたすらに布団にもぐっていた。
悲しいのか、怒ってるのか……自分でも分からないくらい、感情がぐちゃぐちゃ。
スマホ何回も着信を知らせてくる。友達から、クラスメイトから……そして蒼司から。
あんな微妙なところで電話が切れてしまったから、心配してくれてるんだろうか。画面に表示されたその名前を見るたびに、心が痛んだ。
……今は、とてもじゃないけど話せない。
私の身になにがあろうと、学校は普通にある。重たい心を抱えたまま、私は教室のドアを開けた。
ざっ、と音がしたような気がした。クラスの視線が一斉に私の元に。
「な、なに……?」
意味が分からず首をひねると、数名のクラスメイトが駆け寄ってきた。
「朱莉! あんた、どうやって落としたのよ!」
「はぁ?」
何のことやらさっぱり分からない。
「飛鳥学園の生徒会長よ! 付き合ってるんでしょ!?」
「はぁ!?」
違う、違う。と首を必死に横に振る。
「誤魔化したって無駄よ。昨日見た子いるんだから! あんたが、周防さんとキスしてるところ!」
「長くてあつーい、熱烈なキスだったんでしょ!」
そしてスマホの画面を突きつけられる。そこには壁にもたれた私に、顔を近づける周防さんの写真が。
……あれかぁぁぁぁ!
頭を抱えたくなった。
見られていた。その上写真まで撮られて、誤解されてる……。
「あれは違う! 周防さんのいたずらのようなもので……!」
聞く耳を持たないクラスメイトに必死で弁明しようとしていると、誰かの手によって右手で持っていたスマホが抜き取られた。
「……」
「……あ」
振り向くと鞄を持った蒼司が無言でスマホの画面を見つめていた。その横から越前さんがひょっこりと顔を出す。
「わぁ。すごーい。ラブラブですねぇ」
「……ずいぶん、仲がいいな」
「そ、それは……」
蒼司はそのまま自分の席に戻って予習を始めてしまった。心なしか雰囲気がぴりぴりしている。
……これ、もしかしてマズイんじゃ。
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