記憶を持ったままどこかの国の令嬢になった

さこの

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嫌われ令嬢

「エマさん!」
「コリンナさん、奇遇ですね」

 今日は早速食堂に来た。入学して半年が経ち初めての事だった。

「エマさんを食堂で見るのは初めてですね。どうされたのですか」
「今まで放課後のお茶以外で食堂に来たことがなかったので来てみました。何かおすすめはありますか」
「クロワッサンのサンドイッチがおすすめですよ」

 ハムとチーズとたまごがサンドされていてサラダやスープがセットになっていた。

「おいしそうですね。これにしてみますね」
「エマさんおひとりですか? 席は取ってありますか?」

 食堂は先に席を取っておかないと座れなくなってしまう。

「はい。コリンナさんは?」
「今から取るところなんです。だれか知っている顔がいれば合流しようとしていたのですが、今日に限ってたくさんの人がいますね」

 食堂は満員御無礼で空いている席がなさそうに見えた。

「良かったらご一緒にどうですか? エルマンもいるけれど、聞いてきますね」

 エルマンにコリンナさんも一緒の席に座っていいかと聞きに行くと。いいよ。と言われた。

「コリンナさん、一緒に食べましょう。エルマンもいいと言ってくれました」
「助かります。お邪魔させてください」

 私はクロワッサンのセットをコリンナさんはサンドイッチのセットを選んで席に着いた。エルマンはステーキを選んでいた。昼からがっつり食べるようだ。

「私まですみません。お邪魔します」
「いや。構わない。きみはエマの友人だから」

 エルマンが気を悪くしていないようでよかった。エルマンは令嬢が苦手だから嫌がるかと思った。

「エルマン、エマちゃん、えっと君は」
「コリンナ・ディオと申します」
「コリンナ嬢はエマの友達だ。何か用か? フェルマン」
「いや君たちの姿が見えたから一緒に食べようと思ってさ」

 コリンナさんの隣に座るフェルマン様。
「勝手に座るな!」
「コリンナ嬢いい?」
「どうぞ。私もお邪魔している立場なのですけれど」

 なぜか4人でランチを頂くことになったのだけどフェルマン様がいてくれたおかげで楽しく過ごすことができた。

「エマさんは最近放課後お忙しのですよね」
「はい。せっかくお茶に誘ってもらったのにごめんなさい」

 放課後はエルマンの家に行きお義母様とお茶を飲みながら楽しく侯爵家の歴史を学んでいる。その間エルマンは執務を行っていてたまにフェルマン様も来て賑やかになる。

「放課後は無理だけど、ランチを摂るくらいならいいんじゃないか? 俺もいるけど」
「いいね。俺もこれから一緒に食べようかな。一人だと寂しいからね」

 コリンナさんとは週に何度か一緒にランチをすることになった。提案をしてきたのはエルマン。そういうの嫌がるかと思った。と言うと、コリンナさんの録音機械で助けてもらったのと、私の学園での唯一友人と呼べる人だからって言った。一番の理由はエルマンやフェルマン様を異性としての興味がないところなんですって。確かにコリンナさんからエルマンやフェルマン様に声を掛けることはない。
 私とコリンナさんが話をしているときエルマンは適度に相槌を打ったりしていた。フェルマン様は自分から話を振ったりするし、コリンナさんも嫌な感じではなかったみたい。

 食堂でランチをしていると正直目立つ! エルマンだけでなくフェルマン様が加わると更に目立つのだ。コリンナさんは嫌じゃないのかなと思い聞いてみた。

「クラスの子達から何を話しているのか聞かれましたが、あの子たちの興味はエルマン様とフェルマン様なんですよ。中には私がエマさんと仲良くするふりをしてエルマン様とフェルマン様に近づいていると思っていた子もいました! それは絶対にないので信じてくださいませ」

 コリンナさんに手を握られて頷いた。そういうそぶりを見せると、エルマンとフェルマン様は気がつくと思う。コリンナさんは私の友人であって、エルマンは友人の婚約者。フェルマン様は友人の婚約者の親戚。の位置付けらしい。

「ありがとう、コリンナさん嬉しいわ。これからも仲良くしてね」
「こちらこそお願いしますね」

 コリンナさん大丈夫かな……私のせいで仲間外れになったりしないかな。心配だ。


 ******

「コリンナさん、今日は一緒にランチをしない? コリンナさんのお友達も是非一緒に」
「エマさんですか? エマさんはエルマン様とランチをすると思いますので、また今度誘ってください」
「あら、何を言っていますの? そのエルマン様とフェルマン様も是非一緒にと言っているのですわ。今日は食後のスイーツもたくさん持ってきていますのよ」

「なぁんだ、エルマン様狙いですか。諦めた方がいいですよ。エルマン様はきっとそういうの嫌いだと思います」
「自分ばかりずるいわよ! あの女を出し抜いてエルマン様やフェルマン様に近づこうとしているくせに」


「……くだらないですね。エルマン様にはエマさんという素晴らしい婚約者がいます。婚約者がいる人にちょっかいをかけようなんてお里がしれますよ! 異性としては婚約者がいる時点で魅力は0%です! 自分に婚約者がいてもそんなことが出来ますか? 相手に失礼でしょう。あなた方とはお話にならないみたいですわ」

 ******

「へぇ。エマちゃんの友達いい子じゃん」
「そうだな」
「俺も友達になりたくなったよ」
「エマの友達だ、変なマネをするなよ」
「オッケーオッケー。エルマンもいい子だって思ってるんだろ?」
「エマの友達でなければ関わりがなかっただろうな」
「ふむ、エルマンからの許可が降りたとエマちゃんに伝えておこう」

 
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