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ランチの誘い

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「そうか……今度母がオフィーリアの家で茶会があると言っていたな。その時俺も行くよ、その時に話をしようか」

 ……あれ、確かその日って

「ねぇジルベルト様、その日って」
「あぁ、フローリア嬢に招かれている」

 お母様にお茶会をするからどう? と言われたけれど先にフローリア様とお茶会の予定を入れた日だったわね。

「ごめん。その日は私予定が入っているの」
「そうか。それなら改めて家に寄らせてもらうか」

 急にどうしたというのかしら。断った方がいいんだろうけど、なんて?

「友人を待たせているからそろそろ行くね」

 ハリーがジルベルト様に声を掛けた。なんだっていうのよ!

「君は……よくオフィーリアといるようだけど?」

「ダンスパーティの時にも言いましたよね? 僕はジルベルト・ロワールと言います。オフィーリアとは親しくさせてもらっています。行こうかオフィーリア?」

「うん、じゃあね」

 ハリーはちっ。って、舌打ちをした! ジルベルト様の親しいって……でもジルベルト様が助けてくれたのだから否定するのもおかしいよね。ハリーから離れた。

 
「ジルベルト様ありがとう。ハリー様は幼馴染で親同士仲よくて両地へ行く前までは私も交流があったの。だから懐かしんで声をかけてくるんだと思うの」

 ってなんの説明よ。知ってるだろうけど……

「人気のある先輩だから確かに二人でいると目立って何かと言われそうだよね」
「そうだね。フローリア様と仲良くさせて頂いているから一緒にいると目立っちゃうのに……」

「何かあった?」
「うーん。フローリア様には内緒にしててね。孤高の華と言われて憧れの存在なのに私なんかが一緒にいるから気に食わないのかも。私は気にしてないけどね」


 フローリア様のイメージが壊れてしまう! って言われたんだけど、フローリア様は私と仲良くしてくれるし楽しい方だしそれがもっと知れ渡っても良いと思うのよね。孤高の華ってルシアン様がいるとしてもなんだが寂しいよね。しかも小さい頃からの二つ名だなんて。一人でいろ。って事でしょう……?

「僕もルシアンと居るとよく言われてたよ。でも言わせたい奴には言わせとこうと思った。天才の金魚の糞だの忠犬だとか言われたな」

「それは酷いですね!」

「そうだろう? でもそんな事を言う相手と仲良くする必要はないって思ったし、僕は王都にずっと住むつもりもない。繋がりは大事だけど卒業後は同世代だけの付き合いじゃなくなるから、ふるいにかけていると思えば良い」

「ジルベルト様すごい! 卒業後はお付き合いの範囲も広がるものね。学園時代の交流も大事だけど、その先はもっと長いものね」

「そう言う事。オフィーリアに嫉妬しているんだよ。でもきっと後から後悔することになると思う」

 テラスに着くとすでにフローリア様とルシアン様は席に着いていた。

「なぁに、二人とも楽しそうね。遅かったから来ないかと思ったわよ」

 フローリア様に言われた。

「遅れてすまない。色々あってさ」
「何? 何かあったの?」

 そうだ。ジルベルト様はなんで外にいたんだろう。

「大したことじゃないよ。でも楽しく過ごすことはできたよね、オフィーリア」
「ふふっ。そうだね」

「あら、妬けるわ。そうだ、今度のお茶会なんだけどね――」

 なんとフェロウズ公爵夫妻が帰ってこられるということで紹介してくれるのだそうです……緊張しかありません!

 ******

「なぁ、ハリーって、オフィーリア嬢と幼馴染なんだろう? いいな。可愛い幼馴染……羨ましいぜ」
「妹みたいな感じだよ……」

 昔はもっと仲良くしていたよな? 最近は余所余所しいというか俺に興味がなさそうだ。学園でもつれない態度だ。

「王太子殿下や公爵子息と親交もあるというし、可愛いし公爵子息との関係はどうなんだ? もしかして内々にそういう関係だからお見合いも断っているのか?」

 なんでもオフィーリアに釣り書きを送っている奴は皆断られたとか?! 

「好きな相手でもいるのかなぁ……ハリー知ってるか?」

「いや、オフィーリアとそんな話はした事ない」

「可愛くて、知り合いが大物。ハリーが婚約したい条件とぴったりじゃないか!」

 ……可愛くて、良い家の令嬢と婚約をしたいと思っていた。選び放題だと思っていたが実際高位貴族の令嬢は気位が高く付き合いにくい。社交界に顔を出すと父の元ファンだというマダムに声を掛けられる。誰も俺をみてなくて父を見ている。単なる子爵家に成り下がってはいけないと思っていたが、最近はどうも面倒になっていた。婚活って大変なんだな……同じくらいの家格か下……となるとちょっと考えてしまうし。オフィーリアの家は伯爵家でうちより上。公爵家の令嬢に侯爵家の子息と仲が良いし、オフィーリアと結婚するとうちの名も自ずと上がりそうだ。

 ただ、最近オフィーリアの隣にいる伯爵家の子息が気になるんだよな。地味な男かと思っていたら整った顔立ちをしていてオフィーリアと親しくしているというし。よく一緒にいる所を見る。

 癒し系令嬢オフィーリア。可愛くて気取らなく身体も成長している。あれ? 確かに俺の求める令嬢って……


「……そうだな」

 最近オフィーリアの事が気になるのはそう言う事なのか?! これは話し合う必要がある。




 
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