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近づいてこないでくださいっ
しおりを挟むその後もエヴァンはアイリスに話しかけ続ける。
アイリスは父と兄から王家の人間とは関わり合いをもってはいけない。と言われているのでまともな受け答えも出来なかった
早くおわってくれ……心の中で念じる
「殿下、失礼致します……」
ボソッとエヴァンの耳元で話をする従者
「すまないが席を外すよ、後でまた」
エヴァンが椅子から立ち上がるのを見てほっとするアイリス。にこっと笑われたので、首を傾げながらも微笑み返す
「ふふふっ、やっぱり君だったか……覚えていないのが残念だねアイリス」
名残惜しそうに席を立ち従者と共にアイリスの元から居なくなった。
「アイリス! 凄いわね王子殿下に声を掛けられて二人でお話をするなんて」
ジャスミンが興奮して話をする
「誰かと間違えられている様子でしたけど…?」
すっとぼけるアイリス
「そういう事にしておきましょう」
「アイリス!」
ジュードが急ぎアイリスの元にやってきた
「お兄様……」
「そこでレイ殿に捕まってしまって……悪い大丈夫だったか?」
「はい、恐らく?」
「帰るぞ!」
はじめて王宮に来たので緊張して体調を悪くしたと言う事になった。ジャスミンにまた学園でね! と言って家路に着く
兄に王子殿下と話した内容を伝えると……
「髪が目立つのか……化粧もやめだ!」
週が空けて学園へと行く。アイリスは目立たぬ様に髪を三つ編みにして化粧もやめた。 これで目立つまい……
週明けの学園は今までと違い、縦ロールやアップスタイルのヘアースタイル、化粧をする令嬢の姿が目立つ……皆個性的である。
……王都の流行って移り変わりが激しいのね…ついていけないわとアイリスは思った。
王子殿下とレイとは話をするな、近づくな! と言われたので、なるべく会わない様に大人しく学園生活を送った。
テラスでお茶を飲みながらジャスミンと話をしていると後ろから声をかけられた
「やぁ、アイリス」
「お、王子殿下」
すぐさま席を立ち挨拶をしようとしたら
「ここは学園だよ?そんな堅苦しい挨拶はいらない」
にこりと笑うエヴァン
「この前は急に居なくなるから驚いたよ、体調を崩したと聞いたが大丈夫?」
「はい、その、はじめての王宮でしたので緊張してしまいました」
しどろもどろになりながら答えるアイリス
「人が多いのは苦手?」
「はい、」
「それでは、今度は二人でお茶を飲もうか?今週末は空いている?」
「申し訳ございません」
「予定があるの?」
「はい、約束があります」
「そうか残念だ、また誘うよ良いね?」
「は、はぃ…」
声が小さくなる
「アイリス! 凄いわね王子殿下に見染められたの?! そうよきっと! あと一年だもの」
興奮するジャスミン
「えっ? なんの話?」
「惚けちゃって! 王子が、来年王太子になるときに婚約者を決めなきゃって! みんなライバルよ?!」
「えっ?! そっか……忘れていたわ」
自分が選ばれるわけではないだろうが、父と兄には近づくなと言われていたのだった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌る日、中庭でジャスミンとランチを楽しんでいた。昼休憩が終わりそうなときに事件は起きた。
校舎から花瓶の水と花がアイリス目掛けて落ちてきた。
「きゃぁぁっ」
ジャスミンが気が付き悲鳴をあげる。アイリスは花瓶の水を頭から被ってしまう
ざわざわとざわめく中庭にいる生徒たち
濡れたアイリスは呆然とする
騒ぎを聞きつけたのか、たまたま通りかかったのか
「アイリスじゃないか!」
タイミング悪くエヴァンとレイが駆けつけてきた。
水を被って呆然としていたアイリスに、自分の着ている上着を掛けようとするエヴァン
「あっ!結構です、汚れてしまいます……」
遠慮するアイリス
「風邪でもひいたらどうする!」
真剣な顔つきのエヴァン
「でも、」
「いいから羽織っておけ」
仕方がないので上着を借り保健室へと向かう。
「なんで偶然花瓶の水が落ちてくるんだろうね?」
レイが校舎を見上げる。エヴァンはレイに目配せをし、レイはそっとこの場を去る。
保健室に着き髪を拭こうと三つ編みのリボンを解くとウェーブがかかった金髪の少女がいる。
「アイリス!」
「はい?」
「アイリスは生まれた時からストレートヘアーなのか?」
「覚えていません」
「そうか……」
王子がアイリスに制服の上着を掛けて保健室へ行ったと言う噂は瞬く間に広がる。
今まで特定の令嬢との噂はなかったので初だった。
次の日アイリスは借りた制服を返そうと、早めに学園に着き、ジュードとエヴァンを待つことにした。
するとレイが登校してきたので、制服を返して欲しい。と頼むと自分で返しな! と言われたのでそれもそうか……と思い待つことにした。
待つ事数分、エヴァンが登校してきたので、ペコリと頭を下げる。
エヴァンは満面の笑みで
「おはよう、アイリス」
「おはようございます、王子殿下」
頭を下げる
「もしかして私の事を待っていたの?」
「はい。お借りした制服をお返ししたくて……昨日はありがとうございました」
すっと制服を渡すアイリス
「あの、何かお礼を…」
アイリスが言うと
「……そうだなぁ、今度一緒にお茶をしよう」
「……えっ?」
「お礼をしてくれるんだろ?」
「はい」
「良いか? ジュード」
「……分かりました」
渋々だが了承することとなった
「後日、日程を知らせるよ」
ポンとアイリスの頭に手を乗せて、行ってしまった。
「お兄様、どうしよう……」
「仕方がないよな……取り敢えず、来週からはテスト期間だと言って断れる、その後は長期休暇で領地に帰るとでも言っておくから、その後の事を考えよう」
「はい」
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