【完】婚約者に、気になる子ができたと言い渡されましたがお好きにどうぞ

さこの

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エイラを連れてきた

~ユリシーズ視点~


「わぁ! 素敵なお屋敷~。外から見るよりもっと立派ね」


 そうだろ。そうだろ。先祖代々この家を守ってきたのだ。古さと新しさが融合する我が屋敷を存分に見るが良い。
 エイラは将来侯爵夫人となるのだから。


「さぁ、こっちだよ。家族に紹介することにしよう」


「わぁ~緊張するぅ!」

 
 この日のために奮発してエイラの胸元を飾るにふさわしい首飾りを購入した。
 ドレスの仕立ては間に合わななったから仕方がないのだ。

 次回のパーティー用にチェルシーにドレスを贈らなければならないのだが、その必要は無くなったのだからそれを足しにした。

 昼前からちょっと胸元が強調されすぎなような気もするが、自慢できる部分は強調するに限るな、うん。


 ブラウンの愛くるしい瞳に、同じ色合いの腰まで伸びたブラウンヘアーは緩やかにウェーブかかかり、ぷるんとした胸元がギャップを感じさせる可愛い系の見た目のエイラだ。


 シリルのやつが胸元あたりを変な目で見てきたら注意しなくてはならない。



「父上、母上」

 両親に声をかける


「いらっしゃい。チェル…………!! どなた?」


 母が言いかけた言葉を止めた。まさかチェルシーが来ると思っていたのか? とても驚いた顔をしていた。


「どう言うことだ? ユリシーズ説明しなさい」

 父の少し怒気と驚きが滲むような声がした


「はい。紹介いたします。こちらはベッカー子爵令嬢でエイラです。先日お話しした、私の愛する人です」


「初めてお目にかかります! エイラです。ユリシーズ様と愛し合っています。よろしくお願いします」






 ポカンとする両親に、頭を抑えるシリル。ん? どうかしたのか?


「父上、母上? どうかされましたか?」


「ユリシーズ、お前には婚約者がいるはずだが、どう言うことだ? このお嬢さんを愛しているのか?」


「えぇ。先日も言いましたよね。愛する人を連れてくると」

 父上も母上も責めるような口調でエイラが困っている。肩を抱いて、安心させるように言った。


「チェルシーとは、政略結婚の予定でしたが、私が真に愛するのはこのエイラです」

 キッパリと言うと、エイラがこちらを見て微笑んでくれた。うい奴め!



「なんて言うことだ……。お前はチェルシーではなく、そちらのお嬢さんと結婚すると?」


「はい。私は決めました」


「ユリシーズ、もう一度聞きます。あなたはチェルシーとは婚約を白紙にして、ベッカー子爵令嬢と結婚をするというのね?」


「はい。気持ちは変わりません。愛するエイラと一緒になります。エイラと共に一生を全うしたい、そう言う気持ちです」


「そう……。分かりました。あなた、フルーリー伯爵の家へお話にいきましょう。ベッカー子爵令嬢、悪いけれど今日のところは帰ってちょうだい」


「婚約者がいながら他の女性を連れて来るという行為は、人として同意出来ない行為だ。婚約を解消するにしても、順序というものがある」

 母と父に言われて、エイラも納得したようで、今日のところは帰って行った。仕方がないことだが、家族には紹介出来た。


******

 エイラを帰した後に、父に呼び出しをされた。

「父上、お呼びとのことですが?」

「おまえは、本当にベッカー子爵令嬢と結婚するんだな?」

「はい」
 
 父がやけに何度も念押ししてくる。

「分かった。決意は固いと言うことだな……」

「もちろんです」


 チェルシーが嫌いなわけでは決してない。チェルシーは可愛らしいし、少しだけ儚げと言うか陰気臭いと言うか……グレーアッシュの髪色のせいだろうか? 藍色の大きな瞳は何か見透かされているような気がして……
 チェルシーには悪いが見た目のタイプではエイラなんだよなぁ……


「シリルは昔からチェルシーと仲がいいですし、シリルに婚約者はいません。私の代わりにチェルシーと婚約させてはいかがですか?」

「本気で言っているのか?」

「はい」

「そうか、おまえの気持ちは分かった本気なんだな……」



 父にそう言われた後、部屋を出た……まさかとんでもない結末を向かえることになるとは思わずに……



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