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卒業式
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「アリス、話があるんだけど良いかな?」
「えぇ、お父様」
明日は卒業式。お母様が準備をしてくれたドレスやアクセサリーを付けて卒業式に参加する。その後のパーティーはお兄様がエスコートしてくれる事になった。卒業式までの間は休みにしましょう。とアーネスト様が言って、手紙のやり取りはあるけれど会っていない。アーネスト様は何をしているのか気になっていると、王都の貴族たちと親交を深めているようだった。会議などにも積極的に参加をしているようだし、パーティーにも参加をしているみたい。パートナーが必要だったら言ってくださいね。と伝えると一人で行っても問題ないパーティーだから大丈夫と言われ、なんだか寂しく感じました。辺境の地ではアーネスト様のパートナーは当たりだったから。
卒業式後のパーティーもなんとなくアーネスト様がパートナーをしてくれるかも。と思っていた。それが当たり前じゃなかったと思い知らされた気分。
「明日はいよいよ卒業式だな」
「はい。良い事も悪い事も今になってみれば全て懐かしい思い出です」
殿下は元気に暮らしているのでしょうか? 北の大地は痩せていて冬の寒さも厳しいと聞きますがきっと頑張っているでしょう。根は真面目な方です。すぐには無理でも少しずつ環境が良くなると願っています。
「悪い思い出の一つ、第五王子殿下だが移民を受け入れて土地の改革をしているそうだ。頑張っているよ」
「そうですか……何よりですわ」
逃げずに前に向かっていると聞いてホッとした。
「殿下は退学をしたから卒業式には来ないから安心しなさい。話というのは、卒業後の事だ。そろそろ戻ってきたらどうだ?」
え……戻る? 王都に?
「あ。いえ。私は今の仕事が楽しくて、」
「陛下からも聞いたと思うが仕事なら王都でも出来る。外交の仕事に関われる、夢だったろう?」
卒業後は一年かけて何カ国かを周りその後結婚して本格的に外交の仕事に就く予定だった。外国語を習得し文化や特産なども沢山覚えた。
「それは……そうですけど、今でも十分やり甲斐があります」
「私達は心配なんだ。私達から遠く離れた場所でどのように暮らしているか。婚約者でも親戚でもない、なんの関係もない土地に娘が住んでいる事に」
なんの関係もない。そうだよね。
「皆さんとても良くしてくださいます。お父様は好きにしても良いと言ってくださいました」
「学生でいる分には好きにしたら良い。と思っていた。しかし、卒業後は学生では無く立派な大人だ。責任がついて回る」
変に噂をしてくる人もいるでしょう。そういう事……アーネスト様も何を言われるか分からないものね。好きにして良いって言ったけど好きには出来ない。周りに迷惑がかかる。ずきんと胸が痛くなった。
「すぐに返事をしろとは言わない。考える時間が必要だろう。しかしな、無理に結婚しろとは言わない働く事がダメと言っているわけではないんだ。それだけを覚えておいて欲しい」
「分かりました。よく考えてみます」
今後のことを考える時が来たみたい。次の日卒業式があった。友人達との楽しい時間を過ごすことができた。ダンスパーティーではたくさんの子息達に誘われて踊ることになった。でも何か物足りない。アーネスト様のダンスとは違うのよね。初めはなんだかぎこちなくて緊張していたけれど、パーティーに参加するたびに息が合ってきて最近ではアーネスト様とのダンスが楽しい。
書類仕事も初めは中々進まなくて大丈夫かしら? と思ったけれど覚えて行くとあっという間に仕事をこなした。
剣術や野外での活動ではとても頼りになるし部下達から尊敬されているのに、家での仕事やパーティーの事になると弱気になってしまうところのギャップが垣間見える時は可愛いと思ってしまう。
家では髪の毛を下ろしていてラフな格好をしているのに、いざという時はビシッと決める姿を見て、家にいる時のラフな方が素敵だと思った……って!
あれ?! 急に顔が熱くなる。
「アリスフィア嬢どうしました?」
ダンスの途中なのに、アーネスト様の事を考えてしまっていた。なんて失礼なのでしょう。
「あ、いえ、申し訳ありません。少し考え事をしてしまいましたの」
「余裕ですね? それなら」
急にスピードを上げる子息に難なくついていける。
「流石アリスフィア嬢ですね」
「リードがお上手ですもの」
この子息なら、ステップを踏み間違えてもリカバーしてくれそう。ダンスの名手なのだわ。
「これで考え事も出来ないでしょう?」
にこりと笑う余裕すらあるのね。
「えぇ。ついて行くのがやっとですわ」
ダンスホールの中心で踊っているみたいで注目をされている。ダンスが終わると拍手をされたので礼をしてその場を去った。
子息のおかげでなんだかスッキリしてしまったわ。私はアーネスト様と一緒にいるのが楽しいのだわ。
「えぇ、お父様」
明日は卒業式。お母様が準備をしてくれたドレスやアクセサリーを付けて卒業式に参加する。その後のパーティーはお兄様がエスコートしてくれる事になった。卒業式までの間は休みにしましょう。とアーネスト様が言って、手紙のやり取りはあるけれど会っていない。アーネスト様は何をしているのか気になっていると、王都の貴族たちと親交を深めているようだった。会議などにも積極的に参加をしているようだし、パーティーにも参加をしているみたい。パートナーが必要だったら言ってくださいね。と伝えると一人で行っても問題ないパーティーだから大丈夫と言われ、なんだか寂しく感じました。辺境の地ではアーネスト様のパートナーは当たりだったから。
卒業式後のパーティーもなんとなくアーネスト様がパートナーをしてくれるかも。と思っていた。それが当たり前じゃなかったと思い知らされた気分。
「明日はいよいよ卒業式だな」
「はい。良い事も悪い事も今になってみれば全て懐かしい思い出です」
殿下は元気に暮らしているのでしょうか? 北の大地は痩せていて冬の寒さも厳しいと聞きますがきっと頑張っているでしょう。根は真面目な方です。すぐには無理でも少しずつ環境が良くなると願っています。
「悪い思い出の一つ、第五王子殿下だが移民を受け入れて土地の改革をしているそうだ。頑張っているよ」
「そうですか……何よりですわ」
逃げずに前に向かっていると聞いてホッとした。
「殿下は退学をしたから卒業式には来ないから安心しなさい。話というのは、卒業後の事だ。そろそろ戻ってきたらどうだ?」
え……戻る? 王都に?
「あ。いえ。私は今の仕事が楽しくて、」
「陛下からも聞いたと思うが仕事なら王都でも出来る。外交の仕事に関われる、夢だったろう?」
卒業後は一年かけて何カ国かを周りその後結婚して本格的に外交の仕事に就く予定だった。外国語を習得し文化や特産なども沢山覚えた。
「それは……そうですけど、今でも十分やり甲斐があります」
「私達は心配なんだ。私達から遠く離れた場所でどのように暮らしているか。婚約者でも親戚でもない、なんの関係もない土地に娘が住んでいる事に」
なんの関係もない。そうだよね。
「皆さんとても良くしてくださいます。お父様は好きにしても良いと言ってくださいました」
「学生でいる分には好きにしたら良い。と思っていた。しかし、卒業後は学生では無く立派な大人だ。責任がついて回る」
変に噂をしてくる人もいるでしょう。そういう事……アーネスト様も何を言われるか分からないものね。好きにして良いって言ったけど好きには出来ない。周りに迷惑がかかる。ずきんと胸が痛くなった。
「すぐに返事をしろとは言わない。考える時間が必要だろう。しかしな、無理に結婚しろとは言わない働く事がダメと言っているわけではないんだ。それだけを覚えておいて欲しい」
「分かりました。よく考えてみます」
今後のことを考える時が来たみたい。次の日卒業式があった。友人達との楽しい時間を過ごすことができた。ダンスパーティーではたくさんの子息達に誘われて踊ることになった。でも何か物足りない。アーネスト様のダンスとは違うのよね。初めはなんだかぎこちなくて緊張していたけれど、パーティーに参加するたびに息が合ってきて最近ではアーネスト様とのダンスが楽しい。
書類仕事も初めは中々進まなくて大丈夫かしら? と思ったけれど覚えて行くとあっという間に仕事をこなした。
剣術や野外での活動ではとても頼りになるし部下達から尊敬されているのに、家での仕事やパーティーの事になると弱気になってしまうところのギャップが垣間見える時は可愛いと思ってしまう。
家では髪の毛を下ろしていてラフな格好をしているのに、いざという時はビシッと決める姿を見て、家にいる時のラフな方が素敵だと思った……って!
あれ?! 急に顔が熱くなる。
「アリスフィア嬢どうしました?」
ダンスの途中なのに、アーネスト様の事を考えてしまっていた。なんて失礼なのでしょう。
「あ、いえ、申し訳ありません。少し考え事をしてしまいましたの」
「余裕ですね? それなら」
急にスピードを上げる子息に難なくついていける。
「流石アリスフィア嬢ですね」
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この子息なら、ステップを踏み間違えてもリカバーしてくれそう。ダンスの名手なのだわ。
「これで考え事も出来ないでしょう?」
にこりと笑う余裕すらあるのね。
「えぇ。ついて行くのがやっとですわ」
ダンスホールの中心で踊っているみたいで注目をされている。ダンスが終わると拍手をされたので礼をしてその場を去った。
子息のおかげでなんだかスッキリしてしまったわ。私はアーネスト様と一緒にいるのが楽しいのだわ。
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