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マティアス告白をする
しおりを挟むようやく呼ばれたのでエントランスホールへ向かいました。階段を降りるとマティアス様はわたくしを見るなり破顔し手を差し伸べてくださいました
「……驚いた。女神が降臨したのかと思いました。今宵は美しいアルベルティーナ嬢と共に出かけられる幸運に感謝いたします」
薄い生地を何層にも重ねた軽やかなドレスを引き立てるために、宝石類は抑え目に髪の毛はハーフアップにして華やかな感じに、侍女達が仕上げてくれました
手の甲に軽くキスを落として、目を細めるマティアス様に心臓がドキドキと、音を立てました
「お褒めいただきありがとうございます。マティアス様もとても素敵です」
漆黒の上下のタキシードに、小物類はシルバーで、マティアス様のグレーの瞳が引き立っていた
このように迎えにこられるのは初めてのことで、ドキドキが止まりません
「マティアス殿、頼んだよいいね?」
伯父様の迫力に負けずに笑顔のマティアス様
「えぇ、お任せください」
******
「感動しました! とても素敵でしたね」
悲恋のラブストーリーだった
「アルベルティーナ嬢はオペラがお好きですか?」
「はい、楽しかったです。ふふ。夜にしかも家族以外と出かけるなんて…ドキドキします」
本当は帰らなくてはいけないのだが…もう少しだけ二人で居たいと思った。
従者に1キロほど先で待つように言った。
「少し夜風に当たりながら散歩しませんか?」
夜に散歩など嫌がられるだろうか…後ろに護衛もついているから、危険はないだろう
「はい」
笑顔で答えるアルベルティーナ嬢
「良かったら」
すっと腕を出した。ヒールの靴を履いているアルベルティーナ嬢が少しでも楽になるように杖の代わりになれば……と言うのと触れられたいという気持ちは半々だ
遠慮しながらも私の腕を掴んでくれた
「また…お誘いをしても良いでしょうか? 無理強いではありませんので、嫌ならお断りください」
「はい。また、お誘いください……」
「え!」
立ち止まりアルベルティーナ嬢を見ると恥ずかしそうに顔を下に向けていた。
顔は見えないが、頸のあたりが赤い……これは、困った。
「良いんですか……少しは期待をしてしまいますよ?」
少しどころか…大いに期待をしてしまう
「マティアス様とお話をしていたらとても心が落ち着きますし、背中を押してくださって、今までの気持ちの変化と言うか…自分の気持ちを偽りたくないと思いました。マティアス様の真っ直ぐ気持ちを伝えてくださる所も、嬉しいと思っています」
「貴女のことを好きだと言う気持ちに嘘はありませんし、貴女に届いて欲しいと本気で思っています」
「嬉しいです。なぜかマティアス様といると素直に気持ちを伝えられるというか……八つ当たりもしましたけれど、気持ちを抑えなくて良いんだって思って……気づかせてくださってありがとうございます」
元々素直なんだけど、気持ちを伝えるのが苦手だっただけ。
あんな個性の塊のような男達に囲まれてきてたから仕方が無いのだろうけど
「アルベルティーナ嬢、私と付き合っていただけますか?本当はすぐに婚約を申し込みたいところですけど、貴女の心に準備というものがいると思うので、どうでしょうか?」
「はい、わたくしでよければ、そのよろしくお願いします」
やったぁぁ!と叫びたい。しかし落ち着こう…深呼吸を一つ
「本当に! こちらこそよろしくお願いします」
「はい」
「先ずは公爵閣下とニコラウス殿に報告をして、シーバ国のご両親にご挨拶に行った方が良いのかな…?お兄さん達にも……ベルナルド王太子にはお会いしたくないなぁ…」
「ふ、ふふふっ」
アルベルティーナ嬢が笑い声を上げた。まるで鳥が囁くような美しい笑い声だった
「それでは婚約の挨拶みたいですね」
「なっ! そ、そうか…しかし。ちゃんとお許しをもらってからお付き合いをしたいんですよ」
「両親にはわたくしから話をしておきますね。ルアン王国に大事な方が出来ました。と」
「私で良いのですか…?」
「はい。マティアス様が良いのです。マティアス様こそ、わたくしの周りは面倒な人たちが多いですけれどよろしいですか?」
「はい! それはもう、喜んでお相手いたします」
面倒なんてない! アルベルティーナ嬢と付き合って、ご褒美で結婚…? なんでも出来そうだな。
「頼もしいですわねマティアス様は」
馬車が待つ街灯の下までは手を繋いで歩いた。ふわふわした気持ちだった
アルベルティーナ嬢を公爵邸まで送ると、閣下とニコラウス殿が出迎えた
「おやすみなさい、アルベルティーナ嬢、良い夢を…」
「はい。マティアス様も」
顔を赤く染めて自室へ帰っていった
「さて話を聞こうか!」
笑顔の閣下とニコラウス殿が怖かったが交際を始めることになったと報告をした……
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