【完】婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました

さこの

文字の大きさ
15 / 30

手紙が届く


「セリーナお嬢様、殿下からお手紙です」

 トレーに乗せた手紙を侍女が持って来ました。

「殿下から? 珍しいですわね」


 封筒を確認すると、確かに私の名前が書いてありますし、差出人も殿下の名前ですわね。確認後封を開けました。



【セリーナ、今までの誤解を解きたい。一緒に過ごす時間が欲しい。なるべく早く。返事を待っている】



 誤解を解く? よく分かりませんが、返事をお待ちしているとのことです。



【ジェフェリー殿下、それでは明日の放課後は如何でしょうか? 場所の指定をくださればそちらに向かいます】



 婚約解消の話もしなくてはなりませんも
の。自由にして差し上げましょう。 
 私は足枷にはなりたくありませんもの。

 すぐに返事が来ました。



【明日学園の私の執務室へきて欲しい。セリーナが来るのを待っているよ】




******


----翌日----


「サムさん、ダニエルさん、私とても誤解をしていましたの」

「何のことでしょうか?」

「バザーでの事ですわ」


「先日はありがとうございました! 皆とても喜んでいました。お菓子は全て売れましたし神父さまも喜んでおられました。さすがセリーナ様です! ラッピングのリボンもとても好評でした」


「ごめんなさい。お金を直接寄付した方がよろしかったのでは?……失礼な事をしたのではないかと、」


「え! まさか! お菓子の販売でバザーは賑わいましたし、購入してくれた方も喜んでいたのですよ! そりゃお金を寄付する人もいますし、それは助かります。しかしセリーナ様のように自らお菓子を作って携わっていただいた方が嬉しいですよ! 手に取った人たちがあんなに喜んでいたんですから!」


「本当に? 私に気を遣っているのではないですか?」


「お菓子を売ったお金は寄付させていただきましたし、お菓子を作るにあたって費用や時間もたくさん費やしてくださって。本当に頭が下がる思いです」


 金額はごくわずかなのかも知れない……
 でもこれだけ喜んでくださっているもの。サムさんとダニエルさんの言葉を信じましょう。


「良かったですわ。それならまた参加させていただきたいですわ」


「そのときはまたお手伝いさせて下さい!」


「お願いしますね。私も今回のことでお菓子作りの大変さを知って勉強になりましたし、サムさんのおうちのパン屋さんでもお話を聞かせてもらって、有意義に過ごせました。甘いパンがとても美味しかったですわ。クロワッサンもとても香ばしくて、また買いに行くとご両親にお伝えくださいね」


「ありがとうございますセリーナ様」


 その後歓談していますとジュリアナ様の姿が見えました。目があったので、


「ごきげんよう、ジュリアナ様」


「あら? セリーナ様またこいつらと話をしているの?」


「えぇ。色々と教えていただいてますの。ジュリアナ様はいつもどちらでお買い物をされているのですか?」


「お買い物ですかぁ? うちは取り寄せですわね。欲しいものは注文してもってきてもらうのです。人混みは苦手なので」


「そうですのね。私たちと変わらないのですね。商人が屋敷に来て、」


「……バカにしている様ですが、うちは裕福な家です。そいつらと一緒にしないでくださる! 失礼ですわ!」

 ジェフェリー様はこんな嫌味な方のどこが良いのかしら



 ボソッと最後に殿下の事を口にされました。
 何か誤解があった様ですわね。




「失礼があった様ですわね。先日街へ行った時に楽しかったものですから、また街へ寄ろうと思いましたの。ジュリアナ様のおすすめのお店があったら教えて頂こうと思ったのです。誤解をされたなら申し訳ございませんわ」


 頭を下げるとまた面倒なことになりかねませんから、頭は下げませんでした。
 

「セリーナ様の謝罪は口だけですのね」


「おい! その態度はないぞ。セリーナ様はきちんと誤解を解かれたじゃないか」


「まぁ良いです。許して差し上げます。私は心が広いので。それでは失礼」



「なんだ! あの態度は……」
「セリーナ様に失礼だ」


「サムさんダニエルさん、よろしいのですよ。私が気に触る様な事を言ったのですから」



 実を言うと何が悪いかわかっていませんでした……。

 街で買い物をするのが悪いこととは思えませんもの。

 現地で見て購入できるなんて楽しい事ですのにね。

 ジュリアナ様はそうではないと言う事ですわね。



******


 お知らせですペコリ(..  )★*゚

【今流行りの婚約破棄に婚約者が乗っかり破棄してきました!】

新作更新中です(* ᴗ ᴗ)  全11話の短編です。















感想 16

あなたにおすすめの小説

「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚

きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」 新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。 それもそのはず。 2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。 でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。 美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。 だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。 どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったレオノールに、やがてクラウディオの心は……。 すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?  焦ったい恋と陰謀+バトルのラブファンタジー。

旦那様は離縁をお望みでしょうか

村上かおり
恋愛
 ルーベンス子爵家の三女、バーバラはアルトワイス伯爵家の次男であるリカルドと22歳の時に結婚した。  けれど最初の顔合わせの時から、リカルドは不機嫌丸出しで、王都に来てもバーバラを家に一人残して帰ってくる事もなかった。  バーバラは行き遅れと言われていた自分との政略結婚が気に入らないだろうと思いつつも、いずれはリカルドともいい関係を築けるのではないかと待ち続けていたが。

10日後に婚約破棄される公爵令嬢

雨野六月(旧アカウント)
恋愛
公爵令嬢ミシェル・ローレンは、婚約者である第三王子が「卒業パーティでミシェルとの婚約を破棄するつもりだ」と話しているのを聞いてしまう。 「そんな目に遭わされてたまるもんですか。なんとかパーティまでに手を打って、婚約破棄を阻止してみせるわ!」「まあ頑張れよ。それはそれとして、課題はちゃんとやってきたんだろうな? ミシェル・ローレン」「先生ったら、今それどころじゃないって分からないの? どうしても提出してほしいなら先生も協力してちょうだい」 これは公爵令嬢ミシェル・ローレンが婚約破棄を阻止するために(なぜか学院教師エドガーを巻き込みながら)奮闘した10日間の備忘録である。

嘘つきな貴方を捨てさせていただきます

梨丸
恋愛
断頭台に上がった公爵令嬢フレイアが最期に聞いた言葉は最愛の婚約者の残忍な言葉だった。 「さっさと死んでくれ」 フレイアを断頭台へと導いたのは最愛の婚約者だった。 愛していると言ってくれたのは嘘だったのね。 嘘つきな貴方なんて、要らない。 ※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。) 11/27HOTランキング5位ありがとうございます。 ※短編と長編の狭間のような長さになりそうなので、短編にするかもしれません。 1/2累計ポイント100万突破、ありがとうございます。 完結小説ランキング恋愛部門8位ありがとうございます。

白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!

ユウ
恋愛
辺境地に住まう伯爵令嬢のメアリ。 婚約者は幼馴染で聖騎士、親友は魔術師で優れた能力を持つていた。 対するメアリは魔力が低く治癒師だったが二人が大好きだったが、戦場から帰還したある日婚約者に別れを告げられる。 相手は幼少期から慕っていた親友だった。 彼は優しくて誠実な人で親友も優しく思いやりのある人。 だから婚約解消を受け入れようと思ったが、学園内では愛する二人を苦しめる悪女のように噂を流され別れた後も悪役令嬢としての噂を流されてしまう 学園にも居場所がなくなった後、悲しみに暮れる中。 一人の少年に手を差し伸べられる。 その人物は光の魔力を持つ剣帝だった。 一方、学園で真実の愛を貫き何もかも捨てた二人だったが、綻びが生じ始める。 聖騎士のスキルを失う元婚約者と、魔力が渇望し始めた親友が窮地にたたされるのだが… タイトル変更しました。

旦那様、政略結婚ですので離婚しましょう

おてんば松尾
恋愛
王命により政略結婚したアイリス。 本来ならば皆に祝福され幸せの絶頂を味わっているはずなのにそうはならなかった。 初夜の場で夫の公爵であるスノウに「今日は疲れただろう。もう少し互いの事を知って、納得した上で夫婦として閨を共にするべきだ」と言われ寝室に一人残されてしまった。 翌日から夫は仕事で屋敷には帰ってこなくなり使用人たちには冷たく扱われてしまうアイリス…… (※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)

幼馴染に夢中の夫を捨てた貴婦人は、王太子に熱愛される

Narian
恋愛
アイリスの夫ロイは、新婚の頃から金髪の愛らしい幼馴染・フローラに夢中で、妻には見向きもしなかった。 夫からは蔑ろにされ、夫の両親からは罵られ、フローラからは見下される日々。そしてアイリスは、ついに決意する。 「それほど幼馴染が大切なら、どうぞご自由に。私は出て行って差し上げます」 これは、虐げられた主人公が、過去を断ち切り幸せを掴む物語。 ※19話完結。 毎日夜9時ごろに投稿予定です。朝に投稿することも。お気に入り登録していただけたら嬉しいです♪

【番外編も完結】で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★2/17 番外編を投稿することになりました。→完結しました! ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!