お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました

さこの

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【フェリシアへ、ごめんなさい婚約式は貴女に任せました、我が儘な姉を許してね。エクトル殿下と仲良くね】


「おとうさまぁ!おかぁさまぁ!おにぃさまぁ」
朝食ルームへ走り出すフェリシア
バタンっとフェリシアが扉を開けると
「騒がしいっ!廊下を走るなと何回言えば理解できるんだ?」
父が厳しい口調でフェリシアを叱る
それは初めてフェリシアに向けられる姿だった

「だって…これ」
置き手紙を父に見せる
父は手紙を手に取りビリっと破り床に放り投げた
「もう忘れろ、娘はお前しか居らん」

「そんな…」
「フェリシア、おいで」
ファビオに抱きつき、うっうっと泣き出すフェリシア
「明後日の婚約式はお前が出る、エクトル殿下の婚約者はお前だ、学園は今日から休め」

「…嫌です。エクトル殿下はお姉様の婚約者です」
父を恨めしそうに見る
「そうか、それなら婚約はなしだ、我が家に問題がある以上クリスタル伯爵家は終わりだ、爵位を返上する」
「…そんな、」

「それだけじゃ済まされん。うちは代々王家に尽くしてきた。ご先祖様に顔向けが出来ない、それにこれは王家から持ち込まれた縁談だ。今すぐ決めろ、もうどっちでも構わん」
「あなた、そんな言い方はフェリシアちゃんが可哀想です」 
母が父に言うも
「簡単な二択だ」


「…ひっく、婚約式にでます」
震える声で父に言う
「分かった、今から陛下に会いに行き話をしてくる」

母が近寄りフェリシアを抱きしめた
「ごめんね、フェリシア可哀想な事をしたわね」
震えるフェリシアをファビオと共に優しく抱きしめてくれた

「ファビオ、お前も来い」
父に言われ名残惜しいがフェリシアから離れる
「ちょっと行ってくる、フェリシア突然のことで困惑もあるだろうが…すまない私も整理がつかないようだ」
顔色が悪くなるファビオだった




父が王宮から戻りフェリシアに説明をした

「陛下に話をしてきた、フェリシアの婚約者はエクトル殿下となる。婚約式は明後日だ。それは変わらない、さっきはキツい言い方をして悪かった許してくれ」
憔悴した父の姿を見るのは初めてだ

「いいえ、私も混乱していました、見苦しい姿をお見せしてしまいました」
「まさかこんな事になるとは、フェリシアすまない」
頭を下げる父

「いいえ、お姉様が無事でいてくださればそれで」
「必ずアリシアは帰ってくる、それを信じよう」
「はい」


その後エクトルがクリスタル伯爵の邸を訪問した

「やぁフェリシア」
少し疲れた様な顔つきだった

「第三王子殿下ようこそおいでくださいました」
淑女の礼をするフェリシア

「その呼び方はよそよそしいね、フェリシアは私の婚約者なんだろう?」
困った顔をするエクトル

「婚約をしても第三王子殿下が私の事を嫌でしたら婚約を破棄して下さって構いません。姉の代わりには私ではなれません、」
「フェリシアは今日から私の婚約者だ、誰がなんと言おうとね。だから第三王子殿下と言う呼び方はやめて欲しい、エクトルと呼んでくれ」

「はい、お望みのままにエクトル殿下」
一生懸命笑顔を返そうとするが、事実が受け入れられないフェリシアの瞳からは涙が溢れ出した
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