お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました

さこの

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学園で

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婚約式を終えて数日後、学園へと行く

「おはようございます、フェリシア様」
同じクラスで友人のマリエルに話しかけられた
「おはようございます、マリエル様」
朝の挨拶を終えると

「ご婚約おめでとうございます。びっくりしましたわ、フェリシア様が第三王子殿下とご婚約をなさったなんて、だからお休みをしていたんですね。教えて欲しかったですけど、王族が関わる事ですもの…秘密にされていたのね」
前のめりで聞いてくるマリエルは興味深々な目つきをしている
「えぇ、秘密にしていて申し訳ありませんでした」
頬に手を当て眉を顰め謝るフェリシア

「フェリシア様が婚約をして残念がっている男性が多いわ」
キョロキョロと周りを見渡すマリエル

「ふふっ。そのような人いるわけございませんでしょうに」
冗談を言われているのだと軽くかわす
フェリシアのクラスは女性のみのクラスで他のクラスとは教室が離れているので、接点がなく知り合いもそう多くはない。ましてや男性となると友人すら居ない

「第三王子殿下は帰国されてまだ数ヶ月ですものね、お会いした事がないけど噂でお聞きするには優しい方なんでしょう?」

「えぇ、とても優しくしてくださります」
姉の代わりに優しくされているのかもしれないと思うと胸が痛い
二人で話しながら歩いていると、ドンッと肩がぶつかった

「あら、クリスタル伯爵家の?」
エミリオの婚約者、リリアナ・ランディ侯爵令嬢とその取り巻き達だ

「おはようございます、よそ見をしていました、申し訳ございませんでした」
ぶつかってきたのは取り巻きの子爵令嬢だったが、格上相手の侯爵家、謝る他ない

「あなた第三王子殿下と婚約をしたのに他の男も誘惑するのね?可愛い顔をしてやるわねぇ」
リリアナが扇子の先端でフェリシアの顎をグイッと持ち上げ、睨みつける
「何のことでしょうか…私には身に覚えが」
「どの口がいうのやら!」
ピシャリとフェリシアを黙らせる

「エミリオ様のことよ!」

「第二王子殿下とは先日の夜会でお会いしてご挨拶をさせていただきました。兄が殿下の側近として働いております」
間違った事は言っていない。余計な事は言わないのが正解だろう

「あら、そう?仲睦まじそうに話をしていたわよねぇ?二人で。それに第三王子殿下の婚約者は貴方ではなく姉のアリシア様だったと記憶していたのだけれど、姉の婚約者も奪ったの?貴女やるわねぇ」
取り巻き達のくすくすと笑う声が聞こえる
周りの生徒たちはそそくさと逃げ出す、巻き込まれたくはないのだろう

「…私の婚約者はエクトル殿下です、姉ではございません。名前が似ているので誤解があったのでしょうか?年齢的にも私がエクトル殿下と近かったので王家から話があったと伺っております」
負けてはいけない…と思い力を振り絞り強い口調でリリアナに立ち向かった

「…わかりました王家の事を言われては引くしかありません。良い事?エミリオ様には近寄らないで!」
取り巻きを連れ引き下がって行った

リリアナ達が去ってほっとする。
兄はエミリオの側近をしている。
エミリオに話しかけられて、冷たい態度を取るわけにはいけないが、エクトルの婚約者となったからには、これから気をつけなくてはならない

「ねぇ、結婚したらリリアナ様が義理の姉になるのよ…恐ろしいわね」
マリエルが呟いた
「そうですね…」

学園の話題はフェリシアの事で持ちきりだった。しばらくはこの調子だろう
帰ろうと思い馬車寄せに行くがクリスタル伯爵家の馬車がいつもの場所に止まっていない


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