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別室
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「ごめんなさいねエクトル、この者たちがエクトルの相手はフェリシアさんじゃなく、姉のアリシアさんじゃないのかとしつこく聞くものだから、あなたの口で説明して頂戴」
王妃に言われエクトルは頷く
「婚約式にご出席頂いたかと思うのですが…私の相手はクリスタル伯爵家の二女のフェリシアです、名前が似ているのでどこかで聞き間違いをされたのでしょう?伯爵自身もたまに娘の名前を言い間違えてしまうと言っているくらいですから」
優雅に笑みを浮かべながら説明するエクトル
「前回の夜会ではアリシア嬢と居たでしょう?」
フェリシアにしつこく絡んでいた侯爵子息の親だ。クリスタル伯爵にフェリシアと婚約したいと願い出たと聞いた
「それは婚約者の姉ですからお話しすることもあるでしょう?」
飄々と答えるエクトル
「失礼ですが、エミリオ殿下とフェリシア嬢が仲良さげに二人でいたと聞きました、娘が悲しんでいます、フェリシア嬢とエミリオ殿下は何かあるのではないかと、」
エミリオの婚約者リリアナの父ランディ侯爵の話す途中で、侯爵を睨み低い声で
「は?フェリシアと兄上が?そんな事私が許すはずないだろう!クリスタル家には陛下が打診した縁談だ!それでフェリシアと婚約したが、私は満足している、まだ何か聞きたい事があるか?」
この場はシーンと静まり返る
おとなしい人間が怒ると怖い
「「いえ、申し訳ございませんでした」」
頭を下げる侯爵家の面々に
「うちはクリスタル伯爵家と縁が繋げて、息子は惚れているみたいだし問題はないんじゃないかしら?」
「「はっ!」」
頭を下げて申し訳なさそうにする侯爵家
「エクトル、ありがとうあなたの口から聞けて良かったわ、フェリシアさんが待っているわ、戻って良いわよ」
王妃はご機嫌でエクトルを見送った
「あの子が国に戻って来てくれて、好きな子ができて王家に迎えられるんだもの嬉しいじゃない?あんまり虐めないでよ」
じろっと王妃が睨んだ事により話は終わった
「やぁフェリシア今日も可愛いね」
悪気もなく遠慮もなく部屋へと入ってくるエミリオ
「第二王子殿下…どうしてここに」
困惑し、立って挨拶しようとするがヒールを脱いでしまった。ヒールの場所を確認すると寛いでいる長椅子の端に飛ばされていた…
その様子をエミリオに見られ、エミリオはフェリシアの隣に腰掛ける
「あのっ」
危険を感じ長椅子の端に身を寄せるフェリシア
「あまり近くには…その、座らない方が」
「なんで?近くにいないと話しにくいよね、フェリシア今日のドレス姿はとても美しいね、ブルーのドレスか似合っている」
ドレスを確認するように見入る
「エクトル様が選んでくださって」
牽制するようにエクトルの名前を出す
「エクトルの瞳の色だから?私も同じ色だけどね。この水色はあの花を思い出させるね」
グラデーションになっている胸元に目をやる
「はい、デザイナーさんにイメージして貰いました…」
「一緒に見に行ったあの花か、可憐でフェリシアそのものだったよ」
体をフェリシアの方へ向けてくるエミリオ
接近され逃げ場を失う
「申し訳ございません第二王子殿下、エクトル様がもうすぐ戻って来ますし、リリアナ様もお待ちでしょうから、そろそろ戻られてはいかがでしょうか?」
焦るフェリシア、この場から早く出て行って欲しい。手を長椅子の端に乗せて体重をかけたら手が滑ってしまい一瞬痛みが走る
「いたっ…」と声が出た
「どうした?」
エミリオが焦った様子でフェリシアの様子を見るので手を隠そうとするが
「見せて」と言われる手をエミリオに取られた
「血が出ている…引っ掛けたのか」
エミリオはフェリシアの傷口に、口を当て止血し、胸ポケットから緑のチーフを取り出しフェリシアの手に巻く
「とりあえず巻いておいて」
傷を舐められた事に驚きポカンとするフェリシア
「ごめんね怪我させちゃった」
エミリオが申し訳なさそうに謝ってくる
「い、いいえ第二王子殿下のせいでは…」
「その呼び方嫌いだって、嫌がらせか?」
フェリシアが座る長椅子の腰の近くに手を置く沈み込む手にエミリオの顔が近付く
「エミリオ殿下のせいではございませんが、もうすぐエクトル様が帰ってきます、お願いですからお戻りください」
震える声を出すと
「怖がらせるつもりはなかったんだけどね…戻るとするか、またねフェリシア」
頬にキスをして立ち上がる、ハラハラする侍女をチラリと横目で見て部屋を出て行った
王妃に言われエクトルは頷く
「婚約式にご出席頂いたかと思うのですが…私の相手はクリスタル伯爵家の二女のフェリシアです、名前が似ているのでどこかで聞き間違いをされたのでしょう?伯爵自身もたまに娘の名前を言い間違えてしまうと言っているくらいですから」
優雅に笑みを浮かべながら説明するエクトル
「前回の夜会ではアリシア嬢と居たでしょう?」
フェリシアにしつこく絡んでいた侯爵子息の親だ。クリスタル伯爵にフェリシアと婚約したいと願い出たと聞いた
「それは婚約者の姉ですからお話しすることもあるでしょう?」
飄々と答えるエクトル
「失礼ですが、エミリオ殿下とフェリシア嬢が仲良さげに二人でいたと聞きました、娘が悲しんでいます、フェリシア嬢とエミリオ殿下は何かあるのではないかと、」
エミリオの婚約者リリアナの父ランディ侯爵の話す途中で、侯爵を睨み低い声で
「は?フェリシアと兄上が?そんな事私が許すはずないだろう!クリスタル家には陛下が打診した縁談だ!それでフェリシアと婚約したが、私は満足している、まだ何か聞きたい事があるか?」
この場はシーンと静まり返る
おとなしい人間が怒ると怖い
「「いえ、申し訳ございませんでした」」
頭を下げる侯爵家の面々に
「うちはクリスタル伯爵家と縁が繋げて、息子は惚れているみたいだし問題はないんじゃないかしら?」
「「はっ!」」
頭を下げて申し訳なさそうにする侯爵家
「エクトル、ありがとうあなたの口から聞けて良かったわ、フェリシアさんが待っているわ、戻って良いわよ」
王妃はご機嫌でエクトルを見送った
「あの子が国に戻って来てくれて、好きな子ができて王家に迎えられるんだもの嬉しいじゃない?あんまり虐めないでよ」
じろっと王妃が睨んだ事により話は終わった
「やぁフェリシア今日も可愛いね」
悪気もなく遠慮もなく部屋へと入ってくるエミリオ
「第二王子殿下…どうしてここに」
困惑し、立って挨拶しようとするがヒールを脱いでしまった。ヒールの場所を確認すると寛いでいる長椅子の端に飛ばされていた…
その様子をエミリオに見られ、エミリオはフェリシアの隣に腰掛ける
「あのっ」
危険を感じ長椅子の端に身を寄せるフェリシア
「あまり近くには…その、座らない方が」
「なんで?近くにいないと話しにくいよね、フェリシア今日のドレス姿はとても美しいね、ブルーのドレスか似合っている」
ドレスを確認するように見入る
「エクトル様が選んでくださって」
牽制するようにエクトルの名前を出す
「エクトルの瞳の色だから?私も同じ色だけどね。この水色はあの花を思い出させるね」
グラデーションになっている胸元に目をやる
「はい、デザイナーさんにイメージして貰いました…」
「一緒に見に行ったあの花か、可憐でフェリシアそのものだったよ」
体をフェリシアの方へ向けてくるエミリオ
接近され逃げ場を失う
「申し訳ございません第二王子殿下、エクトル様がもうすぐ戻って来ますし、リリアナ様もお待ちでしょうから、そろそろ戻られてはいかがでしょうか?」
焦るフェリシア、この場から早く出て行って欲しい。手を長椅子の端に乗せて体重をかけたら手が滑ってしまい一瞬痛みが走る
「いたっ…」と声が出た
「どうした?」
エミリオが焦った様子でフェリシアの様子を見るので手を隠そうとするが
「見せて」と言われる手をエミリオに取られた
「血が出ている…引っ掛けたのか」
エミリオはフェリシアの傷口に、口を当て止血し、胸ポケットから緑のチーフを取り出しフェリシアの手に巻く
「とりあえず巻いておいて」
傷を舐められた事に驚きポカンとするフェリシア
「ごめんね怪我させちゃった」
エミリオが申し訳なさそうに謝ってくる
「い、いいえ第二王子殿下のせいでは…」
「その呼び方嫌いだって、嫌がらせか?」
フェリシアが座る長椅子の腰の近くに手を置く沈み込む手にエミリオの顔が近付く
「エミリオ殿下のせいではございませんが、もうすぐエクトル様が帰ってきます、お願いですからお戻りください」
震える声を出すと
「怖がらせるつもりはなかったんだけどね…戻るとするか、またねフェリシア」
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