お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました

さこの

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王太子エルナンド

「エクトル、フェリシア戻ったのか」
何もなかったように和かな表情で近づいてくるエミリオ、近くにいたリリアナがそれに気づく
「エミリオ様!」
と言いエミリオに近づき腕を絡ませた
「リリアナか」
チラッとリリアナを横目で見るエミリオ

「あら?第三王子殿下とフェリシア様は相変わらず仲睦まじいですのね。学園にまで迎えに来られるんですもの、ね!エミリオ様」
フェリシアを牽制するような口調だ、そんなリリアナが鬱陶しいのか目を瞑るエミリオ


「兄上、先程はフェリシアの手当てをしてくださったようで感謝します」
エクトルが頭を下げる

「あぁ当たり前のことをしただけだよ、大丈夫か?」
フェリシアに微笑むエミリオと睨むリリアナ

「フェリシアの美しい手に傷が残らないように手当てをしておきました、傷が残ったら大変だ」 
チーフを巻いたフェリシアの手にキスを落とすエクトル

「傷が残ったら責任を取るよ、安心していいよフェリシア」
ニヤリと笑うエミリオ

「エミリオ様!」
リリアナがワナワナと震える
「冗談だよ、揶揄っているだけだ、いこうか、リリアナ」
嵐は去ったがリリアナはとてつもない形相でフェリシアを睨みつけて行った
赤いドレスを着るリリアナはとても華やかでとても恐ろしかった…


「面倒な人たちだ…」
「私は揶揄われていたんですね」

ほっとするフェリシア
また学園でリリアナ軍団に絡まれる事だけは避けたい
こう言う時はどのように対処をすればいいのかを姉に相談したい所だ

「また何を考えてる?」
変な顔をしていたのだろうかエクトルに気付かれる

「上手い返し方が分からないので、どうしたら良いかと考えていました、また絡まれるのも避けたくて…」
隠してもバレるので、素直に答えた

「そうだな…私といる時は大丈夫だろうけど、これから茶会や学園内では困ることもあるかも知れない。母上に相談をしてみよう」
その後も貴族達と談笑が続き、遅い時間になってきたので会場から出ようとする


「エクトル、フェリシアもう帰るのか?」
声をかけられた先を向くとエルナンド王太子殿下だった

すかさず礼をするフェリシア
「フェリシア気にするな顔を上げて」
エクトルによく似た、低いが透き通るような優しい声をかけられた
「はい、恐れ入ります」

「今日はご苦労だったな、二人とも疲れただろうしゆっくり休むように」
優しい言葉をかけてくれる

「兄上ありがとうございます、今からフェリシアを送っていく所です」
エクトルが答える

「そうか、仲が良いようで安心したよ、アリシアが居なくなって不安だろうが大丈夫だ、ちゃんと帰ってくるさ、お前達はお前達のことだけを考えるように。フェリシア自分を責めるなよ?」
笑顔のエルナンド

「あの、王太子殿下、失礼ですが姉とは親しいのでしょうか?」
遠慮しがちに聞くフェリシア
エルナンドは婚約者が変わった事を知っているようだ。エミリオは知らないのに…

「そんな遠慮せんでもいい、フェリシアは私の義妹になるのだから私的な時は普通にしてくれ。聞いてなかったか?アリシアとは幼い頃からの友人だ」


「そうでしたか、存じませんでした」
姉の友人関係を、深く知る事が無かったのだと後悔する

「そう深く考えなくても良いと思うぞ。そうだな…話を聞くくらいはできるかも知れん、何かあったらエクトルと私のところにおいで」
二人をゆっくりと見るエルナンド

「お言葉に甘えて…後日お伺い致します、お時間をいただけますか?」
真剣な眼差しでエルナンドを見る

「あぁ、勿論、待ってるよ」

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