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 改めて生きていることを確認でき、安堵の溜め息が漏れる。早くリージュの元へと向かいたいという思いから、足取りが少し速くなっていった。

 そして機体を隣り合わせで並べたと同時に、リージュが立ち上がって機体から降りてきた。ルージュと同様に、機体には大きな損傷は見られなかった。

「ルージュも無事だな」

「あぁ。だが、機体が動かないな……」

「暗闇の中進むのは危険だな。朝になるまでここで過ごそう」

 そう言うと、ルージュの腕を引っ張ってそのまま絡みつく。

「うわっ。何だよ!?」

「んー? 一人じゃ危ないからくっついていたいなー」

「……分かったよ」

 言葉では仕方なくといった様子でリージュに引っ張られながら、ルージュはリージュの機体へと入っていく。

 狭い空間で互いに身を寄せ合いながら、二人は静かに目を閉じていった。
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