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「ね、生きてるでしょ?」

「まぁ確かにそうだな……」

「こら、一人で勝手に近付いたら危ないじゃないか」

「だから呼びに行ったんだよ!」

 ルージュとリージュのいる機体の中を覗き込む男四人と少女が一人。だが、ひそひそと話しているせいか、起きる気配は全く見えなかった。

 少女は二人の顔をよく見ようと身体をぐっと中へと入れていく。すると、機体が若干動き出した。

 その振動にルージュの意識は引き戻された。

「……? っ!?」

「あ、起きたよ」

 見知らぬ人が目の前に、それも複数人いることに驚き、一気に目が覚めた。

「だ、誰だ……?」

 まだ寝ているリージュを庇いつつ、背中の剣に手を掛けようとそっと手を伸ばしていく。
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