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「は、はは……。やはり、お二人には敵いませんね」

「当然だ」

「それより、父上は他の者をハイト国へと向かわせたのか?」

「我々を向かわせたのみですが、もしかすれば、精鋭部隊を向かわせた可能性も……」

「そうか、そうだよな……」

 二人はそれだけの言葉を頼りに考えていた。その中には、一刻も早くハイト国へ向かうべきだと強く思っていた。

「ルージュ、リージュ!」

 するとそこへ、レンを筆頭に皆がやって来た。後ろには、ファナにしっかりとくっついたルビスの姿もあった。

「皆さん、怪我はありませんか?」

「あぁ。なんとか大丈夫だ。それより……」

「黙っていてすみません。俺たちは、ワード国の王子です」

「王子……。そんなことも知らずに、その……」
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