上 下
60 / 124
5

5-6

しおりを挟む
 そこへ、ルージュの左手に何かが掴む感触がする。

「わっ! な、何だよ……」

「あ、ルージュか」

「おい、離せ」

「こんな暗闇で離れるのは危険だ」

「だったら普通に掴めよ」

 仕方なくそのまま進んでいくルージュ。先導するように進みながら、扉を開ける。

 しかし、部屋の外はしっかりと照らされている。

「これは……」

「急ぐぞ!!」

 繋いだ手を離し、二人は全速力で廊下を駆ける。バタバタと足音を響かせながら、シムカがいるであろう場所へと向かっていく。

 何度か廊下を曲がったところで、玉座の前に到着した。
しおりを挟む

処理中です...