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「おはよう。ぐっすり眠れたかしら?」

「あぁ。それよりも、昨日言っていたことを説明してもらおうか」

「随分とせっかちねぇ。あ、やってもらいたいことなんだけどね、一週間後にちょっとした劇をやるの。それをあなたたちにも役者として出てもらいたいの」

「……は?」

 突拍子もないことに、間の抜けた声が二人から出ていた。

 だが、そんな声を聞いても三月は笑顔を崩さずに二人を見ていた。どうやら本気のようだ。

「で、早速なんだけど……」

「待て待て! 俺たちそんな芝居なんてやったことない!」

「素人ができるわけない!」

「大丈夫よ。未経験者だけでやるから。それに、ここは一応学校ということになっているの。私がそのトップ。さっき来た流星と光輝も、先生ってことになっているわ」

「なっているってどういうことだ?」

「それはまだ教えられないわ。そのうち教えてあげる」
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