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 神は、三人を助けるが一生会えないかこのままただ死を迎えるか、この二つの選択を示した。

 切羽詰まった二人は、即座に前者を選択した。

 すると、眩い光が周囲を包み込んだ。

 次に目を開けると、火も兵士もなかったようになっていた。それと同時に、トワの身体から子どもの存在もなくなっていた。

 先ほどの感覚は全て現実であった。そう実感していた。二人の中には悲しみだけが残っていた。

 そしてそれから何年も、二人きりで静かに暮らしていた。

 ある日、二人は夢の中でも隣にいた。何事かと思っていると、二人の前に光が現れた。それは徐々に大きくなっていき、人の形をしていく。

 そこに現れたのは、二人の娘であった。彼女は神の元ですくすくと成長していた。

 直接は会わせてもらえないものの、こうして再会することは許されたのであった。

 三人はようやく再会できたことを喜び、互いに抱き合っていたのだった。
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