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 一斉に近付いていき、あともう少しというところで、彼女の表情が急に不気味な笑みへと変化する。

 それをいち早く認識したルージュは突然立ち止まる。

「それ以上近付くな!!」

「もう遅い!」

 母は右手をリージュの方へと伸ばし、白い氷の糸のようなものを向ける。

 リージュはすぐに気付き、剣で振り払う。

「あっ! ぐぁっ……」

 切り落としたその瞬間、リージュは急に呻きながら立ち止まる。あまりにも苦しいのか、手に持っていた剣を落とし、前屈みになりながら全身を強ばせる。

「リージュ!」

「く、来るな……動くな……」

 苦しみながらそう言うが、ルージュ以外には届いていないようであった。
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