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いつものように銃の練習をしているヴォルツ。的は四隅が射抜かれていた。
Sofa Recoundへ行ってから数日が経過していたが、ハインからの依頼は一度もなかった。そのため、毎日のように的を相手にする以外何もすることはなかった。
ヴォルツに自由な時間がないわけではないが、エリサの命令に従う以外何かをしようとしないため、こうして練習を重ねているのである。
「ヴォルツ」
背後からエリサの声がした。やけに声の雰囲気が重い。
構えていた銃を下ろし、ヴォルツは振り返る。
「任務だ。今すぐ出発しろ」
「承知した」
エリサの手にあるメモを受け取り、内容を確認する。これといった変化のない、暗殺の指示がそこには書かれていた。
だが、ヴォルツにとって今までの任務とは何か異なる気配を感じていた。きっとこれはハインからのものだろうと予測し、彼に声を掛けてから向かおうと決める。
手に持っていた銃とメモを上着の内側にしまい、ヴォルツは街の中心に向かって歩き出した。
Sofa Recoundへ行ってから数日が経過していたが、ハインからの依頼は一度もなかった。そのため、毎日のように的を相手にする以外何もすることはなかった。
ヴォルツに自由な時間がないわけではないが、エリサの命令に従う以外何かをしようとしないため、こうして練習を重ねているのである。
「ヴォルツ」
背後からエリサの声がした。やけに声の雰囲気が重い。
構えていた銃を下ろし、ヴォルツは振り返る。
「任務だ。今すぐ出発しろ」
「承知した」
エリサの手にあるメモを受け取り、内容を確認する。これといった変化のない、暗殺の指示がそこには書かれていた。
だが、ヴォルツにとって今までの任務とは何か異なる気配を感じていた。きっとこれはハインからのものだろうと予測し、彼に声を掛けてから向かおうと決める。
手に持っていた銃とメモを上着の内側にしまい、ヴォルツは街の中心に向かって歩き出した。
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