【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻

文字の大きさ
45 / 123

45. 燃える世界

しおりを挟む
 本当は分かっている。

 悪いのは自分だ。

 魔力が足りなかったのは、自分のせいだ。

 でも、それを認めてしまったら、心が壊れてしまう――。

 レオンが冷や汗を垂らしながら必死に弁解しようとする。

「だから、ちょっと待ってって……」

「何だお前……土下座しろ!」

 ミーシャの声が、殺気を帯びる。

「このペテン師! この落とし前、どうつけるつもりなのよ!?」

「いや、土下座なら後でいくらでも……今は――」

「黙れ! 詐欺師!」

 ガキッ!

 ミーシャの聖杖ロッドが、レオンの頭を思い切り殴りつけた。

 鈍い音と共に、レオンがよろめき、膝をつく――――。

「止めて! 何するのよぉ!」

 ルナが悲鳴を上げて二人の間に飛び込む。小さな体で、必死にミーシャを押しとどめる。

「今、仲間割れしてる場合じゃないでしょ!」

「大丈夫だ……」

 レオンがゆっくりと立ち上がる。焼けただれた手で、額の傷を押さえる。指の間から、温かいものが流れ落ちる。

「殴るので気が済むなら、もっと殴ってくれていい……だが、話を聞いてくれ……」

 ツーっと鮮血が、レオンの顔を真っ赤に染めていく。

 湯気で陰っていた薄明が晴れ、レオンの全身が露わになる。

 血が紅玉ルビーのように輝いた。

「あっ……」

 腕は焼けただれ、水膨れだらけ。

 顔も首も、真っ赤に腫れ上がっている。

 服は焦げて、ボロボロ。

 そして今、額から流れる鮮血。

 ルナを守るために、自分の身を犠牲にした傷跡。

 今まで、自分のことで精一杯で、気づいていなかった。

 この人は、こんなにも傷ついていたのだ。

 仲間を守るために。

 自分たちを導くために。

 戦闘力ゼロの軍師が、命を削って戦っていたのだ。

「あ……、あわわわ……。ご、ごめんなさい!」

 ミーシャの顔から血の気が引く。怒りが、一瞬にして後悔へと変わった。

「あ、あたし……何てことを……」

 こんなに傷ついてまで、皆を守ろうとしている少年。詐欺師であるはずがない。

 そして、そんな彼を殴りつけた自分。

 最低だ。

 人として、最低だ。

「ごめんなさい、ごめんなさい」

 ミーシャが震える手で治療魔法を紡ぐ。黄金の光が、レオンの傷を優しく包み込んでいった。

 涙が止まらない。聖女を演じ続けてきた少女が、生まれて初めて見せる本物の涙。心の奥底から湧き上がる、純粋な後悔の涙。

「ごめんなさい……あたし、最低だ……」

 嗚咽が漏れる。

 腹黒い本性も、毒舌な一面も、全部含めて「魅力だ」と言ってくれたレオン。

 なのに、自分は――。

「本当に……本当にごめんなさい……」

 ミーシャがポロポロと涙をこぼしながら必死に治癒魔法をかけていく。

「いや、不安になる気持ちも分かるんだ。僕も、一瞬諦めかけた。でも――」

 レオンは痛みに顔を歪めながらも、優しく微笑んだ。

「君のせいじゃない。誰も悪くない。ただ、まだ終わってないんだ」

「終わって……ない……?」

 ゴゴゴゴ……。

 再び、大地が唸り始めた。

 それは、先ほどとは比べ物にならない、深い、重い振動。マグマにまで到達していた亀裂が徐々に大きくなり、本格的な火山活動が始まったのだ。

「これは……」

 ミーシャの目が見開かれる。

「そうだ。君の聖なる封印ホーリーシールドは、失敗なんかじゃなかった。ちゃんと、マグマ溜まりまで道を開いてくれたんだ」

 レオンの言葉に、ミーシャの心臓が跳ねた。

「成功……していた……の?」

「ああ。君の力が、火山を目覚めさせたんだ」

 揺れが急激に強まる。立っていられないほどの激震。岩が砕け、地面に亀裂が走る。

「ま、まずい! 逃げよう!」

 レオンが二人の手を掴み、一気に山を駆け下りる。

「うひぃぃぃ!」
「やばいやばいやばい!」
「いやぁぁぁ!」

 岩が転がり落ち、地面が割れ、硫黄の煙が噴き出す。まるで、大地そのものが怒り狂っているかのよう。

 三人は必死に走った。

 足がもつれそうになっても。

 息が切れそうになっても。

 振り返る余裕すらなく、ただ前だけを見て。

 直後――。

 ものすごい衝撃とともに山腹が、文字通り吹き飛んだ。

 真っ黒な噴煙が、天を突き刺すように一気に数千メートルまで噴き上がる。まるで、地獄の釜が完全に開いたかのよう。世界の終わりを告げるような雷鳴が連続して轟きわたった。

「あそこだ!」

 レオンが叫んだ。視界の中で【運命鑑定】の示す光の軌跡が、闇の中で一筋だけ輝いている。その先には、奇跡のように屹立する巨岩があった。

 三人は転がるように飛び込んだ。

 次の瞬間、世界が燃えた――。

 灼熱の爆風が、頭上を通り過ぎていく。髪が焦げる異臭。肌を焼く痛み。肺を焦がす熱気。空気そのものが凶器と化し、呼吸すらままならない。これは地獄の業火そのものだった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~

ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。 異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。 夢は優しい国づくり。 『くに、つくりますか?』 『あめのぬぼこ、ぐるぐる』 『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』 いや、それはもう過ぎてますから。

【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!

花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】 《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》  天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。  キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。  一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。  キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。  辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。  辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。  国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。  リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。 ※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作    

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです

竹桜
ファンタジー
 無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。  だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。  その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

処理中です...