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82. 衝撃の乱入
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レオンは、少女たちの顔を一人一人見つめた。
エリナ。復讐に囚われていた剣士。でも今は、仲間のために剣を振るう戦士。
ミーシャ。聖女の仮面を被っていた少女。でも今は、素の自分を見せてくれる。
ルナ。暴走する力に怯えていた魔法使い。でも今は、その力を仲間のために使おうとしている。
シエル。家の商品として扱われていた令嬢。でも今は、自分の意志で戦う弓手。
みんな、傷ついて、迷って、それでも前を向いて歩いている。
自分だけが、立ち止まっているわけにはいかない。
そして、ようやく――小さく、笑えた。
「ありがとう……みんな」
その笑顔は、まだ少し弱々しかったけれど。
涙の跡が残る頬は、まだ濡れていたけれど。
それでも確かに、希望の光が――そこには宿っていた。
少女たちの顔にも、安堵の笑みが広がる。
窓の外では、いつの間にか雲が切れて、午後の陽光が差し込んでいた。
その光が、五人の姿を優しく照らしている。
まだ、終わりじゃない。
これは、新たな始まりなのだ。
スキルを失った軍師と、ぶっ飛んでる少女たち。
けれど、その絆は――どんな力よりも、強い。
レオンは、静かに決意を新たにした。
――この子たちのためにも、もう一度立ち上がろう。
――たとえスキルがなくても、自分にできることを探そう。
――そして、いつか必ず――失ったものを取り戻してみせる。
砕けた運命の欠片を、もう一度繋ぎ合わせるために。
大切な仲間たちと共に、歩み続けるために。
喪失と再生の物語は、ここから始まる――。
◇
夕方になってレオンは独り、浴室の扉を開ける――。
夕暮れの陽光が窓辺を琥珀色に染めていた。
西日が差し込む浴室は、まるで蜂蜜を溶かしたような、甘く温かな光に満ちている。
白い湯気が立ち上る湯船を見つめながら、そっと息を吐く。
胸に手を当てたが――そこにはもう何も宿っていない。
(さて、僕は何を頑張ればいいんだろう……)
仲間たちは「私たちがいる」「レオンは一人じゃない」と笑ってくれた。
けれど――お荷物になるわけにはいかない。
何かで貢献しなくては。彼女たちの役に立たねば。
自分は戦えない。血を見れば体が動かなくなる。そして今、未来を視る力も失った。
自分にできることなんて、何があるのだろう?
答えの出ない問いを抱えたまま、ゆっくりと湯船に身を沈める。
「ふはぁ……。いい湯だなぁ……」
温かいお湯が、疲れ果てた心と体を優しく包み込んでくれる。
少しだけ、ほんの少しだけ、心が軽くなった気がした。
こうして一人で湯船に浸かっていると、全てを忘れられそうな気がする。
その時だった。
バーン!
と、扉が勢いよく開け放たれた。
「おじゃましまーす! ふふーん!」
「お背中流しに参りましたぁ!」
「ふふっ。いいでしょ?」
「ボクも一緒に入るよ!」
少女たちの弾むような声が、浴室に響き渡る。
「な、な、な――!?」
レオンが慌てて振り返ると、体にバスタオル一枚を巻いただけの四人の美少女たちが、次々と入ってくるではないか。
湯気の向こうに浮かび上がる、四つの美しい影。
バスタオルの下から覗く、しなやかな脚線。
透き通るような白い肌。
そして、薄布越しにも分かる女性らしい曲線――。
ドクン、と。
レオンの心臓が、激しく跳ねた。
「な、な、何で入ってくるんだよ!? 今、僕が入ってるんじゃないかぁ!?」
顔を真っ赤にして叫ぶレオンに、ミーシャが優雅な微笑みを浮かべる。
その笑顔は聖女そのものだが、空色の瞳の奥にはいつもの悪戯っぽい光が宿っていた。
「あらあら、いいじゃありませんの。気分がすぐれない時には、スキンシップが一番の良薬ですわ?」
そう言うと、ミーシャは当たり前のようにバスタオルの裾をたくし上げ、浴槽に足を踏み入れ――。
ぼちゃん。
レオンの隣に、何の躊躇もなく湯船へと身を沈めた。
「おわっ!」
お湯が大きく波打ち、その反動でレオンの体がミーシャの方へと寄せられる。
それに合わせてミーシャもわざと寄りかかってくる。
ミーシャの柔らかな肌が二の腕に触れ、甘い花の香りが鼻をくすぐった瞬間――全身がドクンと反応した。
柔らかい。
温かい。
そして、とてつもなくいい匂いがする。
レオンの理性が、悲鳴を上げていた。
「お、おい! エリナ! こういうのはキミが止めないと……!」
レオンは必死に助けを求めた。
エリナには一応、女の子の監視役をお願いしているのだ。こういう暴走を止めてくれないと困る。
しかし――。
「だ、だって……レオン、元気なかったんだもん……」
エリナは口を尖らせ、頬を真っ赤に染めながらそっぽを向いている。
いつもの凛とした雰囲気とは違う、妙に初々しい反応だった。
黒曜石のような瞳が、チラチラとこちらを窺っている。
エリナ。復讐に囚われていた剣士。でも今は、仲間のために剣を振るう戦士。
ミーシャ。聖女の仮面を被っていた少女。でも今は、素の自分を見せてくれる。
ルナ。暴走する力に怯えていた魔法使い。でも今は、その力を仲間のために使おうとしている。
シエル。家の商品として扱われていた令嬢。でも今は、自分の意志で戦う弓手。
みんな、傷ついて、迷って、それでも前を向いて歩いている。
自分だけが、立ち止まっているわけにはいかない。
そして、ようやく――小さく、笑えた。
「ありがとう……みんな」
その笑顔は、まだ少し弱々しかったけれど。
涙の跡が残る頬は、まだ濡れていたけれど。
それでも確かに、希望の光が――そこには宿っていた。
少女たちの顔にも、安堵の笑みが広がる。
窓の外では、いつの間にか雲が切れて、午後の陽光が差し込んでいた。
その光が、五人の姿を優しく照らしている。
まだ、終わりじゃない。
これは、新たな始まりなのだ。
スキルを失った軍師と、ぶっ飛んでる少女たち。
けれど、その絆は――どんな力よりも、強い。
レオンは、静かに決意を新たにした。
――この子たちのためにも、もう一度立ち上がろう。
――たとえスキルがなくても、自分にできることを探そう。
――そして、いつか必ず――失ったものを取り戻してみせる。
砕けた運命の欠片を、もう一度繋ぎ合わせるために。
大切な仲間たちと共に、歩み続けるために。
喪失と再生の物語は、ここから始まる――。
◇
夕方になってレオンは独り、浴室の扉を開ける――。
夕暮れの陽光が窓辺を琥珀色に染めていた。
西日が差し込む浴室は、まるで蜂蜜を溶かしたような、甘く温かな光に満ちている。
白い湯気が立ち上る湯船を見つめながら、そっと息を吐く。
胸に手を当てたが――そこにはもう何も宿っていない。
(さて、僕は何を頑張ればいいんだろう……)
仲間たちは「私たちがいる」「レオンは一人じゃない」と笑ってくれた。
けれど――お荷物になるわけにはいかない。
何かで貢献しなくては。彼女たちの役に立たねば。
自分は戦えない。血を見れば体が動かなくなる。そして今、未来を視る力も失った。
自分にできることなんて、何があるのだろう?
答えの出ない問いを抱えたまま、ゆっくりと湯船に身を沈める。
「ふはぁ……。いい湯だなぁ……」
温かいお湯が、疲れ果てた心と体を優しく包み込んでくれる。
少しだけ、ほんの少しだけ、心が軽くなった気がした。
こうして一人で湯船に浸かっていると、全てを忘れられそうな気がする。
その時だった。
バーン!
と、扉が勢いよく開け放たれた。
「おじゃましまーす! ふふーん!」
「お背中流しに参りましたぁ!」
「ふふっ。いいでしょ?」
「ボクも一緒に入るよ!」
少女たちの弾むような声が、浴室に響き渡る。
「な、な、な――!?」
レオンが慌てて振り返ると、体にバスタオル一枚を巻いただけの四人の美少女たちが、次々と入ってくるではないか。
湯気の向こうに浮かび上がる、四つの美しい影。
バスタオルの下から覗く、しなやかな脚線。
透き通るような白い肌。
そして、薄布越しにも分かる女性らしい曲線――。
ドクン、と。
レオンの心臓が、激しく跳ねた。
「な、な、何で入ってくるんだよ!? 今、僕が入ってるんじゃないかぁ!?」
顔を真っ赤にして叫ぶレオンに、ミーシャが優雅な微笑みを浮かべる。
その笑顔は聖女そのものだが、空色の瞳の奥にはいつもの悪戯っぽい光が宿っていた。
「あらあら、いいじゃありませんの。気分がすぐれない時には、スキンシップが一番の良薬ですわ?」
そう言うと、ミーシャは当たり前のようにバスタオルの裾をたくし上げ、浴槽に足を踏み入れ――。
ぼちゃん。
レオンの隣に、何の躊躇もなく湯船へと身を沈めた。
「おわっ!」
お湯が大きく波打ち、その反動でレオンの体がミーシャの方へと寄せられる。
それに合わせてミーシャもわざと寄りかかってくる。
ミーシャの柔らかな肌が二の腕に触れ、甘い花の香りが鼻をくすぐった瞬間――全身がドクンと反応した。
柔らかい。
温かい。
そして、とてつもなくいい匂いがする。
レオンの理性が、悲鳴を上げていた。
「お、おい! エリナ! こういうのはキミが止めないと……!」
レオンは必死に助けを求めた。
エリナには一応、女の子の監視役をお願いしているのだ。こういう暴走を止めてくれないと困る。
しかし――。
「だ、だって……レオン、元気なかったんだもん……」
エリナは口を尖らせ、頬を真っ赤に染めながらそっぽを向いている。
いつもの凛とした雰囲気とは違う、妙に初々しい反応だった。
黒曜石のような瞳が、チラチラとこちらを窺っている。
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