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もう何分経っただろうか。
痛みが俺の時間感覚を狂わせている。そのせいかこの地獄が永劫に感じられる。
早く終わってくれと思うのは仕方ない。だが、その先に待つのは死。これだけ血を流してしまったから、もう肉体的には死に近いだろう。それ以上に精神が死んでいる。もはや、何の希望も俺の中にはない。
ただ、ひたすらに無。
今の俺には何かを考える思考というものがない。獣と言ってもいいだろう。
理性がなく本能だけで動く俺を。剣を刺される度に身体が泣き叫んでいる。すまないな、せっかく転生して健康な身体に生まれ変わったのにこんな仕打ちをしてしまって。
あぁ、なぜ俺はこんな不条理に付き合わされなければいけないんだ。
いったい俺は誰を恨めばいいんだ……。
もう、何も、わからなくなってきた…。
短い人生だったな。
次があればいいのにな…。
「おーーっと、タイムアップか!やるじゃないか、レイ君。こんなに血が流れているのに辛うじてまだ意識がある。いや、もう持ちそうもないかな。でもすごいよ!あぁ、人間は素晴らしい!!それ故に壊したい!!」
「記録結晶も切れたことだしそろそろここを出るとするかぁ。うーん、とりあえず身体が鈍っちゃってるから時間をかけて元に戻さないとね。それでまた軍勢を率いて人間を滅ぼそうかな」
「じゃあね、レイ君。ちゃんと約束は守って見逃してあげるよ、これでも魔王だからね。できれば、君とは違う形で会いたかったものだ。そうすれば友になれただろうに……」
「さらば、勇敢なる英雄よ。僕と真っ向から立ち向かった君を魔王として称えよう。さよならだ」
エアリスはレイに向かって、手を胸に当て膝をつき最大級の敬意を示した。それは到底魔王であるエアリスの行いにはあるまじき行為だが彼は微塵も気にしなかった。彼は認めたのだろう。到底実力では叶いもしない相手に立ち向かう少年の強さを。それが敵対する人間だとしても。
レイは生涯で1人だけの魔王に認められた存在であった。それはグレイでもシルキーでもなく唯一レイが勝ち取った居場所だった。
奇しくもそれはレイが最も欲しかった自分を何の贔屓もなしに見てくれる相手になっていたことはまだ知る由もない。
「行ったか。今はあいつと戦っている暇はない。それにしても、間に合うか?これ。一刻の猶予もないか…」
「おい!!アリア!!聞こえてるだろ!」
『なになに、どうしたのー?』
「今から死にかけのガキを連れて戻る!すぐに治療できるように準備しとけ!!」
『了解したよー』
「セラ!すぐに俺を飛ばしてくれ!」
『ふっ、妾を誰と思うとる。もうやってるわ』
「助かる!くそっ!なんで、俺がこんな役回りを!だが、何故あいつはこの事を知っていたんだ。このガキはいったいなんなんだ」
今にも息を引き取りそうなこのガキに何かあるのか?俺の計画に必要なピースとなりうるのか。
今はそれよりもこいつをどうにかしないとな。
さてさて、こいつが吉となるか凶となるか。
まぁ、生き返ったら俺の弟子としてせいぜい働いてもらうとするか。
「きっちり教育してやろうじゃねぇか」
男の不気味な笑みだけが部屋を鮮やかに彩った。
痛みが俺の時間感覚を狂わせている。そのせいかこの地獄が永劫に感じられる。
早く終わってくれと思うのは仕方ない。だが、その先に待つのは死。これだけ血を流してしまったから、もう肉体的には死に近いだろう。それ以上に精神が死んでいる。もはや、何の希望も俺の中にはない。
ただ、ひたすらに無。
今の俺には何かを考える思考というものがない。獣と言ってもいいだろう。
理性がなく本能だけで動く俺を。剣を刺される度に身体が泣き叫んでいる。すまないな、せっかく転生して健康な身体に生まれ変わったのにこんな仕打ちをしてしまって。
あぁ、なぜ俺はこんな不条理に付き合わされなければいけないんだ。
いったい俺は誰を恨めばいいんだ……。
もう、何も、わからなくなってきた…。
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次があればいいのにな…。
「おーーっと、タイムアップか!やるじゃないか、レイ君。こんなに血が流れているのに辛うじてまだ意識がある。いや、もう持ちそうもないかな。でもすごいよ!あぁ、人間は素晴らしい!!それ故に壊したい!!」
「記録結晶も切れたことだしそろそろここを出るとするかぁ。うーん、とりあえず身体が鈍っちゃってるから時間をかけて元に戻さないとね。それでまた軍勢を率いて人間を滅ぼそうかな」
「じゃあね、レイ君。ちゃんと約束は守って見逃してあげるよ、これでも魔王だからね。できれば、君とは違う形で会いたかったものだ。そうすれば友になれただろうに……」
「さらば、勇敢なる英雄よ。僕と真っ向から立ち向かった君を魔王として称えよう。さよならだ」
エアリスはレイに向かって、手を胸に当て膝をつき最大級の敬意を示した。それは到底魔王であるエアリスの行いにはあるまじき行為だが彼は微塵も気にしなかった。彼は認めたのだろう。到底実力では叶いもしない相手に立ち向かう少年の強さを。それが敵対する人間だとしても。
レイは生涯で1人だけの魔王に認められた存在であった。それはグレイでもシルキーでもなく唯一レイが勝ち取った居場所だった。
奇しくもそれはレイが最も欲しかった自分を何の贔屓もなしに見てくれる相手になっていたことはまだ知る由もない。
「行ったか。今はあいつと戦っている暇はない。それにしても、間に合うか?これ。一刻の猶予もないか…」
「おい!!アリア!!聞こえてるだろ!」
『なになに、どうしたのー?』
「今から死にかけのガキを連れて戻る!すぐに治療できるように準備しとけ!!」
『了解したよー』
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「助かる!くそっ!なんで、俺がこんな役回りを!だが、何故あいつはこの事を知っていたんだ。このガキはいったいなんなんだ」
今にも息を引き取りそうなこのガキに何かあるのか?俺の計画に必要なピースとなりうるのか。
今はそれよりもこいつをどうにかしないとな。
さてさて、こいつが吉となるか凶となるか。
まぁ、生き返ったら俺の弟子としてせいぜい働いてもらうとするか。
「きっちり教育してやろうじゃねぇか」
男の不気味な笑みだけが部屋を鮮やかに彩った。
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