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第一章 シグルド10歳 ケヴィン16歳 アネット15歳(?)
一章-2
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目を覚ましたらベッドの中だった。
未だ軽い眠気を覚える頭で考える。
おかしい……。
視界に見えるのは、慣れ親しんだ自室の景色。自分の部屋で寝ていたのだろう。
だが昨晩、自室に戻った覚えがない。
いつ、どうやって戻った?
思い出そうとすると、頭がずきずきと痛む。
完全に二日酔いだ。
昨晩は散々飲まされた。半年遅れの歓迎会。殿下を酒場に連れていかないことを条件に、殿下の分まで飲むことを強要された。
断れるわけがない。認められたとはいえ、まだまだ殿下の仲間内での立場は弱い。
殿下──現国王の第二王子シグルド殿下。愛妾ラベンナ様のただ一人の御子で、生母を亡くされ王城内での立場をますます弱めた殿下を、父クリフォード公爵が国王陛下に願い出てわが邸に引き取った。
あのまま王城で暮らしていたら命はなかっただろうと父は言う。プライドと嫉妬にまみれた王妃は愛妾をいじめ抜いて死に至らしめ、殿下もその毒牙をかけようとしていた。
そこから救い出して早7年。殿下が10歳になられてすぐのこと、王妃は三公爵の一人ラダム公爵と共謀して、殿下の立場を貶める策をはかった。
殿下の近衛隊入隊。
王城内に立ち位置のない殿下に正当な地位を与えるためともっともらしいことを言って国王陛下に命じさせたというが、これが殿下の立場をさらに悪くした。
王家を直接守る近衛隊への入隊は、貴族にとって名誉なことである。しかしわが国の近衛隊士は国王陛下をはじめとする王家の人々を守るのが務め。忠誠を誓い、身を守るための楯となるべく仕える。つまり王家の一員でありながら、王家を守る臣下の身分に落とされたことになる。
そうした意図があるとわかっていながら、父クリフォード公爵は阻止することができなかった。殿下を我が家に引き取る際に無理を押し通したために、殿下に関する発言では立場が弱くなってしまったのだ。
殿下の命を守るためにクリフォード公爵家に引き取ったことがラダム公爵にいらぬ警戒を与え、クリフォード公爵に権力を奪われまいとのラダム公爵の画策に、シグルド殿下は立場を危うくされている。──悪循環だ。
近衛隊にはラダム公爵の息のかかった者もいるはずだ。そんなところに殿下をお一人で向かわせることはできなかった。わたしは父に頼み、殿下と一緒に近衛隊に入隊した。
わたしの判断は正しかった。待っていたのは殿下を軽んじ不当な扱いをする輩と、累が及ぶことを恐れて遠巻きにする者たちだった。
前者は先輩であることをかさにきて、年の割には剣筋のいい殿下をなっていないと罵倒する。わたしが抗議すれば、わけのわからない主張をされて、一層風当たりが強くなるだけだった。
そんな中、ある男に声をかけられた。
オースティン子爵の三男ヘリオットだ。ヘリオットはシグルド殿下をもう一つの練習場へ連れて行き、殿下をこれでもかというくらい打ちのめした。
──やめろ! こんなもの訓練でも何でもない!
そう叫んだ私を制したのはシグルド殿下だった。倒れてもすぐに訓練用の剣を構え、ヘリオットに立ち向かっていく。見ていられなかったが、ヘリオットの仲間と思しき奴らに拘束されて止めることもできなかった。地面に倒れ伏して動かなくなった殿下を、彼らは救護室に運んで手当てした。彼らにいつもの奴らのような嘲笑はなかった。何が何だかわからずにいると、目を覚ました殿下がその答えを口にした。
──本気で鍛えようとしているのがわかったから、だから限界まで頑張った。
それまでは彼らがしたいことが殿下を貶めることだとわかっていたから、頑張っても無意味だと思い手を抜いていたと言うのだ。
それからというもの、一部の近衛隊士たちの態度が変わった。殿下とわたしに気軽に声をかけ、自分たちの訓練に誘ってくれる。
そうした日々が始まってすぐ、近衛隊の内部構造が見えてきた。
身分をかさにきて横暴を働く上級貴族と、それに従うしかない下級貴族。そしてそうした隊内の体質をよくないと思いながら、口に出せずにいる一部の上級貴族たち。
殿下を不当に扱った連中は過半数の上級貴族とその腰ぎんちゃくたちで、殿下に対するほどあからさまではなかったが、下級貴族の出である隊士たちを軽んじ見下していた。
殿下とわたしは、下級貴族の一派に受け入れられた。
そのことをあざける者たちはいたが、殿下がそれを気にすることはなかった。それでますます下級貴族の隊士たちに気に入られることになったのだ。
が。
下街の酒場で歓迎会をすると言われた時、わたしは断固として反対した。
──殿下をそのような場所にお連れすることはできない!
殿下はまだ10歳、子どもの年齢だ。いや、年齢は関係なく、下街の酒場に王子殿下をお連れするなどもっての外。
──全員我が家に招待してもてなそう。それでは駄目か?
妥協案を提示した私の肩を、何やら呆れた様子でヘリオットは叩いた。
──わかった。そうしよう。けど、おまえは今晩来い。
断れるわけがなかった。殿下が体を張って手に入れた彼らの信頼。それをわたしが壊してしまうことはできない。
下街でなくとも、酒場という場所に足を踏み入れたのはこれが初めてだった。
戸惑うわたしに、下級貴族の近衛連中──仲間は、陽気に酒をすすめてきた。
── 一度腹を割って話したかったんだ。
そういうつもりがあって誘ってくれたのか。固辞して悪いことをした。
と、思ったのだが。
何だかんだ言いながら強引に酒をすすめられるに至って、やはり殿下をお連れしなくて正解だと思った。
私が強く断れないのをいいことに、奴らはおもしろがって次から次へと酒を注いでいく。
どれほど飲んだかわからない。
耐えきれず、差し出された桶の中に吐いた。
何という醜態。恥をしのびつつ介抱を受けるわたしに、奴らは笑って“合格”と言った。
何の合格なのか。何をして合格と言うのか。
問うこともできないほどにもうろうとしながら、両脇を抱えられて邸まで送られた。
門をくぐったところで彼らと別れて、一度は正面玄関の扉を叩こうとしたのは覚えている。
だが、家人に自らの醜態を見せたくなかった。
思考はろくに回っていなかったが、自分が酷い有様であることは自覚していた。
悩んだのはどのくらいの間だったろうか。ふと喉が猛烈に乾いていることに気付き、庭をふらふらと歩いて井戸を探した。
意識は落ちそうだったが、かろうじて井戸はみつかった。
だが、そのあとのことを覚えていない。
厚いカーテンに朝の日差しが透けて、寝室内をうっすらと照らす。
ベッドの上であおむけになり、ずきずきする頭を押さえながら考えた。
水を飲んだことは覚えている。冷たい水が喉元を通り、胸を冷やし、渇きを癒した。
その時何故か、傍らに人の気配があった。
耳に残るひそやかな声。
──倒れるのはお部屋に戻ってからにしてください!
──ちょっとの間、ご自分で立っててくださいよ。
──きゃ……っ
そこまで思い出したところで、わたしは飛び起きた。
わずかに残っていた眠気も、頭痛すらも吹っ飛んだ。
記憶はおぼろだが、わたしは確かに覚えている。
抱きしめたものの温かさ、やわらかさ。腕の中で身じろぐものを押さえ付け、編まれた髪に手を差し込んで、なめらかな肌に唇を寄せて。
「──!」
口を手のひらで覆う。
酒に酔っていたなど、言い訳にならない。
誰なのか覚えていない。
覚えているのは、全身に感じた感触と声と、あとはシーツの上に投げ出された三つ編みの長い髪。
愕然としてベッドの上についた手に、シーツにしては違和感のある何かが触れた。それをつかんで目の前に持ってくる。
それは、汚れほつれた小さな袋だった。
未だ軽い眠気を覚える頭で考える。
おかしい……。
視界に見えるのは、慣れ親しんだ自室の景色。自分の部屋で寝ていたのだろう。
だが昨晩、自室に戻った覚えがない。
いつ、どうやって戻った?
思い出そうとすると、頭がずきずきと痛む。
完全に二日酔いだ。
昨晩は散々飲まされた。半年遅れの歓迎会。殿下を酒場に連れていかないことを条件に、殿下の分まで飲むことを強要された。
断れるわけがない。認められたとはいえ、まだまだ殿下の仲間内での立場は弱い。
殿下──現国王の第二王子シグルド殿下。愛妾ラベンナ様のただ一人の御子で、生母を亡くされ王城内での立場をますます弱めた殿下を、父クリフォード公爵が国王陛下に願い出てわが邸に引き取った。
あのまま王城で暮らしていたら命はなかっただろうと父は言う。プライドと嫉妬にまみれた王妃は愛妾をいじめ抜いて死に至らしめ、殿下もその毒牙をかけようとしていた。
そこから救い出して早7年。殿下が10歳になられてすぐのこと、王妃は三公爵の一人ラダム公爵と共謀して、殿下の立場を貶める策をはかった。
殿下の近衛隊入隊。
王城内に立ち位置のない殿下に正当な地位を与えるためともっともらしいことを言って国王陛下に命じさせたというが、これが殿下の立場をさらに悪くした。
王家を直接守る近衛隊への入隊は、貴族にとって名誉なことである。しかしわが国の近衛隊士は国王陛下をはじめとする王家の人々を守るのが務め。忠誠を誓い、身を守るための楯となるべく仕える。つまり王家の一員でありながら、王家を守る臣下の身分に落とされたことになる。
そうした意図があるとわかっていながら、父クリフォード公爵は阻止することができなかった。殿下を我が家に引き取る際に無理を押し通したために、殿下に関する発言では立場が弱くなってしまったのだ。
殿下の命を守るためにクリフォード公爵家に引き取ったことがラダム公爵にいらぬ警戒を与え、クリフォード公爵に権力を奪われまいとのラダム公爵の画策に、シグルド殿下は立場を危うくされている。──悪循環だ。
近衛隊にはラダム公爵の息のかかった者もいるはずだ。そんなところに殿下をお一人で向かわせることはできなかった。わたしは父に頼み、殿下と一緒に近衛隊に入隊した。
わたしの判断は正しかった。待っていたのは殿下を軽んじ不当な扱いをする輩と、累が及ぶことを恐れて遠巻きにする者たちだった。
前者は先輩であることをかさにきて、年の割には剣筋のいい殿下をなっていないと罵倒する。わたしが抗議すれば、わけのわからない主張をされて、一層風当たりが強くなるだけだった。
そんな中、ある男に声をかけられた。
オースティン子爵の三男ヘリオットだ。ヘリオットはシグルド殿下をもう一つの練習場へ連れて行き、殿下をこれでもかというくらい打ちのめした。
──やめろ! こんなもの訓練でも何でもない!
そう叫んだ私を制したのはシグルド殿下だった。倒れてもすぐに訓練用の剣を構え、ヘリオットに立ち向かっていく。見ていられなかったが、ヘリオットの仲間と思しき奴らに拘束されて止めることもできなかった。地面に倒れ伏して動かなくなった殿下を、彼らは救護室に運んで手当てした。彼らにいつもの奴らのような嘲笑はなかった。何が何だかわからずにいると、目を覚ました殿下がその答えを口にした。
──本気で鍛えようとしているのがわかったから、だから限界まで頑張った。
それまでは彼らがしたいことが殿下を貶めることだとわかっていたから、頑張っても無意味だと思い手を抜いていたと言うのだ。
それからというもの、一部の近衛隊士たちの態度が変わった。殿下とわたしに気軽に声をかけ、自分たちの訓練に誘ってくれる。
そうした日々が始まってすぐ、近衛隊の内部構造が見えてきた。
身分をかさにきて横暴を働く上級貴族と、それに従うしかない下級貴族。そしてそうした隊内の体質をよくないと思いながら、口に出せずにいる一部の上級貴族たち。
殿下を不当に扱った連中は過半数の上級貴族とその腰ぎんちゃくたちで、殿下に対するほどあからさまではなかったが、下級貴族の出である隊士たちを軽んじ見下していた。
殿下とわたしは、下級貴族の一派に受け入れられた。
そのことをあざける者たちはいたが、殿下がそれを気にすることはなかった。それでますます下級貴族の隊士たちに気に入られることになったのだ。
が。
下街の酒場で歓迎会をすると言われた時、わたしは断固として反対した。
──殿下をそのような場所にお連れすることはできない!
殿下はまだ10歳、子どもの年齢だ。いや、年齢は関係なく、下街の酒場に王子殿下をお連れするなどもっての外。
──全員我が家に招待してもてなそう。それでは駄目か?
妥協案を提示した私の肩を、何やら呆れた様子でヘリオットは叩いた。
──わかった。そうしよう。けど、おまえは今晩来い。
断れるわけがなかった。殿下が体を張って手に入れた彼らの信頼。それをわたしが壊してしまうことはできない。
下街でなくとも、酒場という場所に足を踏み入れたのはこれが初めてだった。
戸惑うわたしに、下級貴族の近衛連中──仲間は、陽気に酒をすすめてきた。
── 一度腹を割って話したかったんだ。
そういうつもりがあって誘ってくれたのか。固辞して悪いことをした。
と、思ったのだが。
何だかんだ言いながら強引に酒をすすめられるに至って、やはり殿下をお連れしなくて正解だと思った。
私が強く断れないのをいいことに、奴らはおもしろがって次から次へと酒を注いでいく。
どれほど飲んだかわからない。
耐えきれず、差し出された桶の中に吐いた。
何という醜態。恥をしのびつつ介抱を受けるわたしに、奴らは笑って“合格”と言った。
何の合格なのか。何をして合格と言うのか。
問うこともできないほどにもうろうとしながら、両脇を抱えられて邸まで送られた。
門をくぐったところで彼らと別れて、一度は正面玄関の扉を叩こうとしたのは覚えている。
だが、家人に自らの醜態を見せたくなかった。
思考はろくに回っていなかったが、自分が酷い有様であることは自覚していた。
悩んだのはどのくらいの間だったろうか。ふと喉が猛烈に乾いていることに気付き、庭をふらふらと歩いて井戸を探した。
意識は落ちそうだったが、かろうじて井戸はみつかった。
だが、そのあとのことを覚えていない。
厚いカーテンに朝の日差しが透けて、寝室内をうっすらと照らす。
ベッドの上であおむけになり、ずきずきする頭を押さえながら考えた。
水を飲んだことは覚えている。冷たい水が喉元を通り、胸を冷やし、渇きを癒した。
その時何故か、傍らに人の気配があった。
耳に残るひそやかな声。
──倒れるのはお部屋に戻ってからにしてください!
──ちょっとの間、ご自分で立っててくださいよ。
──きゃ……っ
そこまで思い出したところで、わたしは飛び起きた。
わずかに残っていた眠気も、頭痛すらも吹っ飛んだ。
記憶はおぼろだが、わたしは確かに覚えている。
抱きしめたものの温かさ、やわらかさ。腕の中で身じろぐものを押さえ付け、編まれた髪に手を差し込んで、なめらかな肌に唇を寄せて。
「──!」
口を手のひらで覆う。
酒に酔っていたなど、言い訳にならない。
誰なのか覚えていない。
覚えているのは、全身に感じた感触と声と、あとはシーツの上に投げ出された三つ編みの長い髪。
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