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第二章 街へ
第63話 パーティ結成と捜索依頼
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「疾風怒濤」の捜索依頼を受けたルーク達。
森はルークとリスティにとっては庭のようなもの。断る理由もない。
ちなみに、今回、パーティとして依頼を受ける事となったため、正式にパーティ登録もする事にした。メンバーはルーク、リスティ、そしてポーリンの三名である。
ポーリン 「パーティ名はどうする?」
ルーク 「どうしようか、なんでもいいよ」
リスティ 「うん、なんでも。ポーリンが付けてよ」
ポーリン 「ええ~~~~じゃぁ……
……森の妖精とか?」
ルーク 「妖精はちょっと……」
ポーリン 「ルークもリスティも森の中に住んでたんだからそれっぽいと思うんだけどねぇ……」
メア 「エルフの事を森の妖精とか森の守人とか言ったりするから、それは駄目じゃないかしら?」
リスティ 「じゃぁ森の狩人というのは? 森の狩人もエルフの別称として言われる事がないわけじゃないけど、あまり多くはないし、ルークと僕ならまさにピッタリだと思うけど」
ルーク 「じゃぁそれで」
ポーリン 「なんとなく、アタシの要素ゼロだけど。アタシは剣士だから、狩人って感じじゃないのよねぇ……アタシも弓とか練習したほうがいいのかしら」
ルーク 「バッケンにナイフ投げ教わったじゃん。あれをもっと磨いたらいいよ」
ポーリン 「うん……立派な狩人になれるように頑張るね…」
メア 「では、森の狩人でパーティ登録しますね。リーダーは?」
リスティ 「ルークでいいよ」
ルーク 「ポーリンでいいよ、この街ではポーリンが先輩冒険者なんだから」
ポーリン 「何言ってるの、冒険者としてはリスティが一番先輩なんだからリスティがいいと思う」
メア 「では、リスティさんが二票なのでリスティさんで」
ポーリン 「二票? って誰よ?」
メア 「私もリスティさんがいいと思います」
ルーク 「うん、いいんじゃないかな」
リーダーはリスティと言う事になった。
* * * * *
早速森に入った「森の狩人」の三人は森の中を高速疾走する。ポーリンもルークとの修行のおかげで余裕でついていけるようになっていた。
半日ほど進み、情報にあった森の深奥部に到着すると、すぐに疾風怒濤のメンバーの遺体を発見する事ができた。
リスティ 「おそらく魔物との戦いで全員死んだのだろうね」
リスティが四人のギルドカードを回収しながら言った。
Aランクパーティを屠るとは、単なる魔狼ではなく、目撃情報通り上位種のディザスターウルフなのかも知れないね」
ルーク 「見て、血の跡が。ここから森の奥に続いているよ」
リスティ 「相手も無傷では済まなかったのだろうね」
ルーク 「ちょっと辿ってみる」
ポーリン 「手負いの魔物……危険なんじゃ?」
ルーク 「大丈夫、確認するだけだから」
リスティ 「ギルドとしても、魔物が本当にディザスターウルフかどうか、確認してほしいだろうしね」
ポーリン 「アタシも…!」
リスティ 「魔物に察知されないように気配を消しながら行く。ポーリン、できるかい?」
ポーリン 「う……頑張る……」
血の跡を辿って森の奥へと進んでいくルークとリスティ、ポーリンは、やがて森の奥にある洞窟に辿り着いた。
ルーク 「……血痕はあの洞窟に続いているけれど……」
リスティ 「強力な魔物の気配はないね…」
ルーク 「魔物は、疾風怒涛との戦いで受けた傷が元で、巣に辿り着いたけど死んだ、という感じかな?」
リスティ 「いや、感覚を研ぎ澄ませてごらん、中に微弱な生き物の気配があるよ」
ルーク 「弱っている?」
リスティ 「そうなら、止めを刺すチャンスかも知れないね」
ルーク 「入ってみよう」
リスティ 「手負いの獣は危険だよ」
ルーク 「十分注意するよ。…あ、ポーリンはここで待ってて」
ポーリン 「アタシも行く!」
リスティ 「駄目だよ、気配を完全に消しながらになるから、ポーリンはそこまで完全には気配を消せないだろう? だから僕とここに残ろうか。中に入るのは一人のほうが目立たないからね」
ポーリンは二人に比べると、気配を消すのが今ひとつ下手なのであった。
ポーリン 「う……ワカリマシタ…」
森はルークとリスティにとっては庭のようなもの。断る理由もない。
ちなみに、今回、パーティとして依頼を受ける事となったため、正式にパーティ登録もする事にした。メンバーはルーク、リスティ、そしてポーリンの三名である。
ポーリン 「パーティ名はどうする?」
ルーク 「どうしようか、なんでもいいよ」
リスティ 「うん、なんでも。ポーリンが付けてよ」
ポーリン 「ええ~~~~じゃぁ……
……森の妖精とか?」
ルーク 「妖精はちょっと……」
ポーリン 「ルークもリスティも森の中に住んでたんだからそれっぽいと思うんだけどねぇ……」
メア 「エルフの事を森の妖精とか森の守人とか言ったりするから、それは駄目じゃないかしら?」
リスティ 「じゃぁ森の狩人というのは? 森の狩人もエルフの別称として言われる事がないわけじゃないけど、あまり多くはないし、ルークと僕ならまさにピッタリだと思うけど」
ルーク 「じゃぁそれで」
ポーリン 「なんとなく、アタシの要素ゼロだけど。アタシは剣士だから、狩人って感じじゃないのよねぇ……アタシも弓とか練習したほうがいいのかしら」
ルーク 「バッケンにナイフ投げ教わったじゃん。あれをもっと磨いたらいいよ」
ポーリン 「うん……立派な狩人になれるように頑張るね…」
メア 「では、森の狩人でパーティ登録しますね。リーダーは?」
リスティ 「ルークでいいよ」
ルーク 「ポーリンでいいよ、この街ではポーリンが先輩冒険者なんだから」
ポーリン 「何言ってるの、冒険者としてはリスティが一番先輩なんだからリスティがいいと思う」
メア 「では、リスティさんが二票なのでリスティさんで」
ポーリン 「二票? って誰よ?」
メア 「私もリスティさんがいいと思います」
ルーク 「うん、いいんじゃないかな」
リーダーはリスティと言う事になった。
* * * * *
早速森に入った「森の狩人」の三人は森の中を高速疾走する。ポーリンもルークとの修行のおかげで余裕でついていけるようになっていた。
半日ほど進み、情報にあった森の深奥部に到着すると、すぐに疾風怒濤のメンバーの遺体を発見する事ができた。
リスティ 「おそらく魔物との戦いで全員死んだのだろうね」
リスティが四人のギルドカードを回収しながら言った。
Aランクパーティを屠るとは、単なる魔狼ではなく、目撃情報通り上位種のディザスターウルフなのかも知れないね」
ルーク 「見て、血の跡が。ここから森の奥に続いているよ」
リスティ 「相手も無傷では済まなかったのだろうね」
ルーク 「ちょっと辿ってみる」
ポーリン 「手負いの魔物……危険なんじゃ?」
ルーク 「大丈夫、確認するだけだから」
リスティ 「ギルドとしても、魔物が本当にディザスターウルフかどうか、確認してほしいだろうしね」
ポーリン 「アタシも…!」
リスティ 「魔物に察知されないように気配を消しながら行く。ポーリン、できるかい?」
ポーリン 「う……頑張る……」
血の跡を辿って森の奥へと進んでいくルークとリスティ、ポーリンは、やがて森の奥にある洞窟に辿り着いた。
ルーク 「……血痕はあの洞窟に続いているけれど……」
リスティ 「強力な魔物の気配はないね…」
ルーク 「魔物は、疾風怒涛との戦いで受けた傷が元で、巣に辿り着いたけど死んだ、という感じかな?」
リスティ 「いや、感覚を研ぎ澄ませてごらん、中に微弱な生き物の気配があるよ」
ルーク 「弱っている?」
リスティ 「そうなら、止めを刺すチャンスかも知れないね」
ルーク 「入ってみよう」
リスティ 「手負いの獣は危険だよ」
ルーク 「十分注意するよ。…あ、ポーリンはここで待ってて」
ポーリン 「アタシも行く!」
リスティ 「駄目だよ、気配を完全に消しながらになるから、ポーリンはそこまで完全には気配を消せないだろう? だから僕とここに残ろうか。中に入るのは一人のほうが目立たないからね」
ポーリンは二人に比べると、気配を消すのが今ひとつ下手なのであった。
ポーリン 「う……ワカリマシタ…」
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