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第一部 転生編
第54話 ガミオラ 「俺達じゃねぇよ」
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それから数日後。アレンは冒険者ギルドに行き、昨日の結果がどうなったか受付嬢に尋ねた。すると、パピ達の冒険者登録は問題ないと言う返事だったので、アレンは散歩がてらにダンジョンへ行ってみた。
だが、パピ達の姿は見つけられなかった。おそらくまた他の冒険者についてダンジョンに入ったのであろうと思うアレン。だが、翌日来てみてもやはりパピ達の姿は見つけられなかった。
約束したわけでもない。それに、ダンジョンの出入りの時間はアバウトになりがちである。ダンジョンの中は太陽がなく昼夜の区別がないからである。そう思い、一度は街に帰ったアレンであったが……
…どうも嫌な予感がして、パーティメンバーを招集、ダンジョンに向かうことにした。(クレイもちょうど時間が空いていたので参加。)
ダンジョン入口でここ数日の入場届を見せてもらうアレン。すると、パピ達がとある冒険者と一緒に数日前にダンジョンに入った記録を発見した。
だが、その一緒に入ったはずの冒険者達をアレンは昨日ギルドで見かけている。その冒険者達がダンジョンを出た記録はもちろんあった。だが、パピ達は入った記録だけで、その後、出た記録がなかったのだ…。
おそらく、入場だけ一緒でパピ達は別行動をした可能性は高い。だが通常は一緒に入った冒険者よりも子供たちのほうが先に出るのが普通だ。それにアレンは気になるものを見つけてしまった。ダンジョンの入場記録の中にガミオラ達の名前があったのである。(そしてガミオラ達も退場記録がなかった。)
嫌な予感がしたアレンは急ぎ中に入ってみる事にした。
きっとパピ達は二階層目のコボルトを狩りに行ったはず。二階層目に降りたアレン達はパピ達が行きそうな場所を探した。
途中、数匹のコボルトを発見したので倒したのだが……
ノウズ 「おい、これ…。アレンがパピにやった胸当てじゃないのか?」
アレン 「……そうだ」
コボルトの一匹が身につけていた少しサイズの大きめな防具は、アレンがちょうど買い替えて不要になりパピに譲ってやったものだった。
パティ 「コボルトがそれを持っていたということは…」
亜人型の魔物は、死んだ冒険者の武器や防具を拾奪して使用している事が多い。つまり、それを身に着けていた者は死んだ事を意味している。(防具などを生きたまま落としてしまうとは考えにくい。)
アレン 「くそ! 俺のせいだ。のんびりしていないですぐにダンジョンに入って確かめればよかった…」
ノウズ 「別にお前のせいじゃないさ。ダンジョンに潜って帰ってこない冒険者なんて、よくある事だ…奴らも自己責任だろう」
パティ 「でも、本当にコボルトに殺られたのかしら…? パピ達は怪我しながらもコボルト相手に善戦するほど実力があったのよ? まさか…またあのガミオラとかいう奴じゃないでしょうね?」
『おいおい、また証拠もなしに人を疑うのか?』
背後から突然近づいてきたのはガミオラ達であった。
ガミオラ 「いい加減にしてくれよ?」
ノウズ 「…お前らが、パピ達を殺したんじゃないのか…?」
ガミオラ 「だから証拠はあるのか? 俺達がやったっていう? ないんだったら名誉毀損で訴えるぞ?」
それを聞いて、この世界にも名誉毀損ってあるんだ…などと関心していたクレイであった。(※)
※貴族同士ならばあるが、平民同士で問題になる事はほぼない。冒険者同士であまりに酷い場合は、ギルドに訴えて公式に謝罪させるような処分が下される事はある。
ガミオラ 「ガキどもは死んだのか…馬鹿な奴らだ」
パティ 「ちょっと! そんな言い方…!」
アレン 「お前…
…どうしてそんなに子供達を憎む? あの子達も、親を亡くしたのに自分達だけで頑張って生きてるだろうが」
パティ 「そうよ! かわいそうだとは思わないの?!」
ガミオラ 「ふん……俺の仲間はな、カフールのダンジョンで、ああいうガキどもが引き起こしたモンスタートレインに巻き込まれて死んだんだよ…」
トニー 「…それは……」
ガミオラ 「しかも、仲間の中にマジックバッグ持ちが居たんで、そいつに獲物は全部持たせてたんだが、それも全部パー。で依頼は失敗、違約金を払わされるはめになった」
ガミオラ 「だが、ギルドには苦情を言って散々ごねてやったよ。お陰で、冒険者としての教育を受けてないガキをダンジョンに入れるのは禁止になったんだ」
ガミオラ 「冒険者としての仁義もルールも知らねぇガキがダンジョンに入り込んでやらかせば、下手したら大氾濫だって起きかねないんだ。ダンジョンにはキチンと教育した者だけしか入れるべきじゃねぇ。そうしないと、冒険者達が無駄に死ぬ事になるんだよ」
ガミオラ 「死んだマジックバッグ持ちは貴族の息子でなぁ。その親の貴族に俺達が逆恨みされるようになっちまってな。活動しずらくなって俺達も街を出ざるを得なくなっちまったんだ。踏んだり蹴ったりだぜ」
ノウズ 「それは…気の毒だが…、パピ達は関係ないだろうが?!」
ガミオラ 「だから、俺達はそのガキ共の事なんて知らねぇっての。勝手にダンジョンに入って狩りをして、魔物に負けて死んだんじゃねぇのか?」
そう言われると、確かにガミオラ達がやったという証拠もない。
ふんと鼻息を吹いて立ち去ろうとしたガミオラ。
だが…
トニー 「待てよ」
ガミオラ 「あんだ? 俺達は急いでるんだよ」
トニー 「その腰につけてる短剣…パピが持ってたモノだよな? なんでお前が持ってる?」
だが、パピ達の姿は見つけられなかった。おそらくまた他の冒険者についてダンジョンに入ったのであろうと思うアレン。だが、翌日来てみてもやはりパピ達の姿は見つけられなかった。
約束したわけでもない。それに、ダンジョンの出入りの時間はアバウトになりがちである。ダンジョンの中は太陽がなく昼夜の区別がないからである。そう思い、一度は街に帰ったアレンであったが……
…どうも嫌な予感がして、パーティメンバーを招集、ダンジョンに向かうことにした。(クレイもちょうど時間が空いていたので参加。)
ダンジョン入口でここ数日の入場届を見せてもらうアレン。すると、パピ達がとある冒険者と一緒に数日前にダンジョンに入った記録を発見した。
だが、その一緒に入ったはずの冒険者達をアレンは昨日ギルドで見かけている。その冒険者達がダンジョンを出た記録はもちろんあった。だが、パピ達は入った記録だけで、その後、出た記録がなかったのだ…。
おそらく、入場だけ一緒でパピ達は別行動をした可能性は高い。だが通常は一緒に入った冒険者よりも子供たちのほうが先に出るのが普通だ。それにアレンは気になるものを見つけてしまった。ダンジョンの入場記録の中にガミオラ達の名前があったのである。(そしてガミオラ達も退場記録がなかった。)
嫌な予感がしたアレンは急ぎ中に入ってみる事にした。
きっとパピ達は二階層目のコボルトを狩りに行ったはず。二階層目に降りたアレン達はパピ達が行きそうな場所を探した。
途中、数匹のコボルトを発見したので倒したのだが……
ノウズ 「おい、これ…。アレンがパピにやった胸当てじゃないのか?」
アレン 「……そうだ」
コボルトの一匹が身につけていた少しサイズの大きめな防具は、アレンがちょうど買い替えて不要になりパピに譲ってやったものだった。
パティ 「コボルトがそれを持っていたということは…」
亜人型の魔物は、死んだ冒険者の武器や防具を拾奪して使用している事が多い。つまり、それを身に着けていた者は死んだ事を意味している。(防具などを生きたまま落としてしまうとは考えにくい。)
アレン 「くそ! 俺のせいだ。のんびりしていないですぐにダンジョンに入って確かめればよかった…」
ノウズ 「別にお前のせいじゃないさ。ダンジョンに潜って帰ってこない冒険者なんて、よくある事だ…奴らも自己責任だろう」
パティ 「でも、本当にコボルトに殺られたのかしら…? パピ達は怪我しながらもコボルト相手に善戦するほど実力があったのよ? まさか…またあのガミオラとかいう奴じゃないでしょうね?」
『おいおい、また証拠もなしに人を疑うのか?』
背後から突然近づいてきたのはガミオラ達であった。
ガミオラ 「いい加減にしてくれよ?」
ノウズ 「…お前らが、パピ達を殺したんじゃないのか…?」
ガミオラ 「だから証拠はあるのか? 俺達がやったっていう? ないんだったら名誉毀損で訴えるぞ?」
それを聞いて、この世界にも名誉毀損ってあるんだ…などと関心していたクレイであった。(※)
※貴族同士ならばあるが、平民同士で問題になる事はほぼない。冒険者同士であまりに酷い場合は、ギルドに訴えて公式に謝罪させるような処分が下される事はある。
ガミオラ 「ガキどもは死んだのか…馬鹿な奴らだ」
パティ 「ちょっと! そんな言い方…!」
アレン 「お前…
…どうしてそんなに子供達を憎む? あの子達も、親を亡くしたのに自分達だけで頑張って生きてるだろうが」
パティ 「そうよ! かわいそうだとは思わないの?!」
ガミオラ 「ふん……俺の仲間はな、カフールのダンジョンで、ああいうガキどもが引き起こしたモンスタートレインに巻き込まれて死んだんだよ…」
トニー 「…それは……」
ガミオラ 「しかも、仲間の中にマジックバッグ持ちが居たんで、そいつに獲物は全部持たせてたんだが、それも全部パー。で依頼は失敗、違約金を払わされるはめになった」
ガミオラ 「だが、ギルドには苦情を言って散々ごねてやったよ。お陰で、冒険者としての教育を受けてないガキをダンジョンに入れるのは禁止になったんだ」
ガミオラ 「冒険者としての仁義もルールも知らねぇガキがダンジョンに入り込んでやらかせば、下手したら大氾濫だって起きかねないんだ。ダンジョンにはキチンと教育した者だけしか入れるべきじゃねぇ。そうしないと、冒険者達が無駄に死ぬ事になるんだよ」
ガミオラ 「死んだマジックバッグ持ちは貴族の息子でなぁ。その親の貴族に俺達が逆恨みされるようになっちまってな。活動しずらくなって俺達も街を出ざるを得なくなっちまったんだ。踏んだり蹴ったりだぜ」
ノウズ 「それは…気の毒だが…、パピ達は関係ないだろうが?!」
ガミオラ 「だから、俺達はそのガキ共の事なんて知らねぇっての。勝手にダンジョンに入って狩りをして、魔物に負けて死んだんじゃねぇのか?」
そう言われると、確かにガミオラ達がやったという証拠もない。
ふんと鼻息を吹いて立ち去ろうとしたガミオラ。
だが…
トニー 「待てよ」
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