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第二部 ダンジョン攻略編
第88話 たぁすけてくれぇ
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階層内のオークを殲滅してしまうクレイ達。
実はクレイはリルディオンの技術で索敵能力も大幅にアップしている。失った左目の代わりに埋め込まれた義眼の視界には、周囲に居る生物や魔物がレーダーのように表示できるのだ。
クレイはレーダーで魔物の居る方向が分かるので、接敵する最短距離を猫の姉妹に示し、姉妹は見つけ次第躊躇なく狩っていく。倒した魔物はクレイが即座にマジックバッグに収納してしまう。それはただ一方的な収穫作業のようでもあった。
そしてやがて、あらかた魔物が居なくなり、クレイ達はさらに次の階層へと進む事にした。
四階層目は草原型フィールド。出てくる魔物はふたたびゴブリンである。ただし、今度はゴブリンの上位種が出てくる。斥候、戦士、弓士、魔法士など、従来のゴブリンよりも高いステータスと強い職能やスキルを持つゴブリンが、リーダーに率いられ、冒険者パーティのような組織戦を仕掛けてくるのだ。個々の力は弱いが、侮ればやはり危険な相手である。
ただ、上位種とはいえやはりゴブリン。倒しても得るものは少ない。駆け出しの冒険者がチーム戦の経験を積めるという以外に大した意味もなく、慣れた冒険者にとっては素通りしたい階層である。
ただ、この階層からボス部屋が登場、階層ボスを倒さないと次の階層に進めないようになってくる。ボスはもちろんゴブリンキングである。
クレイ 「まず先にメイジ、それからアーチャーを倒そうか」
ここまで魔物と接近戦になる前、相手の攻撃が届く前に全て魔導銃で倒してきたクレイ達であったが、今回は相手側も弓士、や魔術師が居て長距離から攻撃を放ってくる。
なるべく相手に攻撃させないうちに仕留めたかったが、距離が離れれば銃の命中率も下がってくる。相手の攻撃が届かないほど離れた位置からでは、魔導銃の射程内であってもリリとルルの腕ではなかなか当たらないのであった。
その間に敵も徐々に距離を詰めてくる。そして、射程距離に入り矢が飛び始める。(メイジは攻撃魔法が得意ではないのか、あるいは魔力温存のためなのか、攻撃に参加してこなかった。)
矢の精度は概ね粗く避けるほどでもなかったのだが、中に一匹、妙に精度が高い射手が居た。弓士の上位種であるスナイパー種が居るようだ。そのスナイパーが放った矢がルルに向かってまっすぐ飛んで来る。
だが、矢はルルに当たる直前、突然現れた小さな盾に当たり、力を失って地面に落ちた。クレイがリリとルルに装備させていた防御用の魔道具が作動したのである。
猫姉妹二人は、普段街中に居るのと変わらない普段着に見える。ダンジョンに行くなら装備を揃えたいと言ったリリとルルであったが、クレイが必要ないと言った。クレイは銃だけでなく、防具も当然支給するつもりだったからである。
与えたのは防御用の腕輪一つだけであったが。それは魔法の盾を発生させる魔道具である。攻撃を受けると、ごく小さな盾が現れてそれをブロックする。大きさなスマホサイズ。半透明の薄っすらと光る板状である。物理攻撃だけでなく魔法攻撃に対しても有効。自動的にあらゆる攻撃を弾いてくれる。これ一つあれば、防具はほぼ不要なのである。全自動なので、背後からの不意打ち等も防いでくれる。(ただし、接近しての投げ技や関節技に対しては効果がない。)
ルル 「このままダンジョン踏破ニャ!」
リリ 「できちゃいそうニャ!」
クレイ 「今日は武器に慣れるまでの練習だ。流石に三人でダンジョン攻略は難しいだろう。このダンジョンは何階層あるのかも判明していないんだぞ?」
リリ 「はいですニャ!」
ルル 「冗談ニャ!」
クレイにもルル達がそう言いたくなる気持ちも分からないではない。極端な話、防御は鉄壁の自動盾に全て任せ、自分はひたすら攻撃に集中するだけで魔物は殲滅できるのだ。
だが、ダンジョン深層では何が起きるか分からない。深い階層に進むほど敵も強力になっていく。フィールドも特殊になっていくし、罠も複雑化していく。想定外の攻撃をしてくる敵もいるかも知れないのだ。
やはり、武器と防具が優れているからと言ってそれに頼りきりにならず、地力を高め、入念に準備はしておく必要があるだろう。
クレイ 「疲れてないか? もう帰るか?」
リリ 「大丈夫ですにゃ」
ルル 「全然にゃ。こんな楽な狩りは初めてにゃ」
クレイ 「じゃぁ次へ行こう」
五階層目はコボルト上位種階である。
ゴブリンより頭が良く素早いコボルト。だが、身体能力的にはゴブリンよりは強いものの、それほど圧倒的に優れているというわけでもないので、四階層目が楽に抜けられる冒険者なら油断しなければこの階もどうにかなる。強いて言えば、ゴブリンより頭が良い分、二手に分かれて挟み撃ちにしたりと高度な戦略を取ってくる事があるのが要注意だが、その程度ではクレイ達は止められない。
結局、小一時間ほどで階層内のコボルトを殲滅したクレイ。まだまだ大丈夫とルル達が言うので、あと一階層だけ進んでから帰る事にした。
順当に流れを裏切らないペイトティクバの六階層目はオーク上位種階である。
オークは通常種でも下級の冒険者にとってはやや手強い相手である。それに上位種が混ざるとかなり危険性が増す。つまり、この階層からは中級以上の冒険者の同伴が推奨される。
クレイ 「そういえば、二人の冒険者ランクはどれくらいなんだ?」
ルル 「Eランクにゃ」
クレイ 「ふたりともか?」
リリ 「はいですにゃ。Eランクになったのは去年にゃ」
ルル 「スピード出世だったにゃ。私達は身体能力が高いって褒められたにゃ」
リリ 「それで調子にのって、上級推奨のダンジョンに行って死んだにゃ」
ルル 「死んでないにゃ。でも大怪我して奴隷になったにゃ」
リリ 「死んだも同じだったにゃ。でも、ご主人さまに救われたにゃ」
クレイ 「ああ、なるほどね…。まぁこの魔導銃と魔導盾があればこの階層も危険はないだろ。この階層まではダンジョン罠とかもほとんどないしな」
そして、再び快進撃を始めるクレイ達だったが、しばらく行ったところで、後ろのほうから悲鳴が聞こえた。
振り返ると、冒険者が三人、オークに追われて逃げてくる。
ボーサ・ズウ・キムの三人であった。
ボーサ 「たっ、たぁすけてくれぇ~~~」
実はクレイはリルディオンの技術で索敵能力も大幅にアップしている。失った左目の代わりに埋め込まれた義眼の視界には、周囲に居る生物や魔物がレーダーのように表示できるのだ。
クレイはレーダーで魔物の居る方向が分かるので、接敵する最短距離を猫の姉妹に示し、姉妹は見つけ次第躊躇なく狩っていく。倒した魔物はクレイが即座にマジックバッグに収納してしまう。それはただ一方的な収穫作業のようでもあった。
そしてやがて、あらかた魔物が居なくなり、クレイ達はさらに次の階層へと進む事にした。
四階層目は草原型フィールド。出てくる魔物はふたたびゴブリンである。ただし、今度はゴブリンの上位種が出てくる。斥候、戦士、弓士、魔法士など、従来のゴブリンよりも高いステータスと強い職能やスキルを持つゴブリンが、リーダーに率いられ、冒険者パーティのような組織戦を仕掛けてくるのだ。個々の力は弱いが、侮ればやはり危険な相手である。
ただ、上位種とはいえやはりゴブリン。倒しても得るものは少ない。駆け出しの冒険者がチーム戦の経験を積めるという以外に大した意味もなく、慣れた冒険者にとっては素通りしたい階層である。
ただ、この階層からボス部屋が登場、階層ボスを倒さないと次の階層に進めないようになってくる。ボスはもちろんゴブリンキングである。
クレイ 「まず先にメイジ、それからアーチャーを倒そうか」
ここまで魔物と接近戦になる前、相手の攻撃が届く前に全て魔導銃で倒してきたクレイ達であったが、今回は相手側も弓士、や魔術師が居て長距離から攻撃を放ってくる。
なるべく相手に攻撃させないうちに仕留めたかったが、距離が離れれば銃の命中率も下がってくる。相手の攻撃が届かないほど離れた位置からでは、魔導銃の射程内であってもリリとルルの腕ではなかなか当たらないのであった。
その間に敵も徐々に距離を詰めてくる。そして、射程距離に入り矢が飛び始める。(メイジは攻撃魔法が得意ではないのか、あるいは魔力温存のためなのか、攻撃に参加してこなかった。)
矢の精度は概ね粗く避けるほどでもなかったのだが、中に一匹、妙に精度が高い射手が居た。弓士の上位種であるスナイパー種が居るようだ。そのスナイパーが放った矢がルルに向かってまっすぐ飛んで来る。
だが、矢はルルに当たる直前、突然現れた小さな盾に当たり、力を失って地面に落ちた。クレイがリリとルルに装備させていた防御用の魔道具が作動したのである。
猫姉妹二人は、普段街中に居るのと変わらない普段着に見える。ダンジョンに行くなら装備を揃えたいと言ったリリとルルであったが、クレイが必要ないと言った。クレイは銃だけでなく、防具も当然支給するつもりだったからである。
与えたのは防御用の腕輪一つだけであったが。それは魔法の盾を発生させる魔道具である。攻撃を受けると、ごく小さな盾が現れてそれをブロックする。大きさなスマホサイズ。半透明の薄っすらと光る板状である。物理攻撃だけでなく魔法攻撃に対しても有効。自動的にあらゆる攻撃を弾いてくれる。これ一つあれば、防具はほぼ不要なのである。全自動なので、背後からの不意打ち等も防いでくれる。(ただし、接近しての投げ技や関節技に対しては効果がない。)
ルル 「このままダンジョン踏破ニャ!」
リリ 「できちゃいそうニャ!」
クレイ 「今日は武器に慣れるまでの練習だ。流石に三人でダンジョン攻略は難しいだろう。このダンジョンは何階層あるのかも判明していないんだぞ?」
リリ 「はいですニャ!」
ルル 「冗談ニャ!」
クレイにもルル達がそう言いたくなる気持ちも分からないではない。極端な話、防御は鉄壁の自動盾に全て任せ、自分はひたすら攻撃に集中するだけで魔物は殲滅できるのだ。
だが、ダンジョン深層では何が起きるか分からない。深い階層に進むほど敵も強力になっていく。フィールドも特殊になっていくし、罠も複雑化していく。想定外の攻撃をしてくる敵もいるかも知れないのだ。
やはり、武器と防具が優れているからと言ってそれに頼りきりにならず、地力を高め、入念に準備はしておく必要があるだろう。
クレイ 「疲れてないか? もう帰るか?」
リリ 「大丈夫ですにゃ」
ルル 「全然にゃ。こんな楽な狩りは初めてにゃ」
クレイ 「じゃぁ次へ行こう」
五階層目はコボルト上位種階である。
ゴブリンより頭が良く素早いコボルト。だが、身体能力的にはゴブリンよりは強いものの、それほど圧倒的に優れているというわけでもないので、四階層目が楽に抜けられる冒険者なら油断しなければこの階もどうにかなる。強いて言えば、ゴブリンより頭が良い分、二手に分かれて挟み撃ちにしたりと高度な戦略を取ってくる事があるのが要注意だが、その程度ではクレイ達は止められない。
結局、小一時間ほどで階層内のコボルトを殲滅したクレイ。まだまだ大丈夫とルル達が言うので、あと一階層だけ進んでから帰る事にした。
順当に流れを裏切らないペイトティクバの六階層目はオーク上位種階である。
オークは通常種でも下級の冒険者にとってはやや手強い相手である。それに上位種が混ざるとかなり危険性が増す。つまり、この階層からは中級以上の冒険者の同伴が推奨される。
クレイ 「そういえば、二人の冒険者ランクはどれくらいなんだ?」
ルル 「Eランクにゃ」
クレイ 「ふたりともか?」
リリ 「はいですにゃ。Eランクになったのは去年にゃ」
ルル 「スピード出世だったにゃ。私達は身体能力が高いって褒められたにゃ」
リリ 「それで調子にのって、上級推奨のダンジョンに行って死んだにゃ」
ルル 「死んでないにゃ。でも大怪我して奴隷になったにゃ」
リリ 「死んだも同じだったにゃ。でも、ご主人さまに救われたにゃ」
クレイ 「ああ、なるほどね…。まぁこの魔導銃と魔導盾があればこの階層も危険はないだろ。この階層まではダンジョン罠とかもほとんどないしな」
そして、再び快進撃を始めるクレイ達だったが、しばらく行ったところで、後ろのほうから悲鳴が聞こえた。
振り返ると、冒険者が三人、オークに追われて逃げてくる。
ボーサ・ズウ・キムの三人であった。
ボーサ 「たっ、たぁすけてくれぇ~~~」
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