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4章
雷の過去
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「俺さ、母親いないんだ。」
「え?」
びっくりした。そんな話は瑠衣の時にも聞いていない。
「俺と渚の本当の母親は、俺らが小さい頃に家を出て行ったんだ。それまでは、どこにでもあるような仲のいい家族だったんだ…」
「ただいま!ねぇねぇ、お母さん聞いて聞いて!」
ガラッ
家のリビングのドアを開ける。
「あっ、帰ったのね。おかえり。」
いつも通りの母親。
でも、その隣には見知らぬ男がいた。
「ねぇ、お母さん。その人だれ?」
「お母さんの仕事場のよくしてくれてる先輩なの。今からちょっと仕事の資料まとめたりするから、その間遊びにでも行ってなさい?」
「うん。わかった。」
せっかくとった満点のテストを、俺はそっとカバンに入れた。
仕事なら仕方ない。
後でみせよう。お母さんも喜んでくれる。そう思って。
それから、その男の人を見る事が増えた。
その人は父さんが留守の時にやってくる。
そして、母さんはその時はだいたい俺ら2人とはいようとしなかった。
昔は、お父さんとお母さんはよく話していた。俺らも一緒に4人で他愛もない話をして笑いあってる。そんな家が俺は好きだった。
でも、その男が来だした時期から家の雰囲気がかわった。
父さんと母さんがあまり話さなくなった。
父さんが仕事でいない日、学校から帰ってきた俺らに母さんはこう言った。
「もしお母さんがお父さんじゃなくて、他の男の人の方が好きって言ったらどう思う?」
え?どういうこと?
父さんじゃなくて他の男の人?
頭の中に、ふと最近よく見かける先輩と言われていた男の顔が浮かんだ。
「そんなのダメだよ。父さんと母さんが俺らは好きだもん。母さんも、父さんが好きで結婚したんでしょ?」
「そうだったわよ。ごめんね。変な事聞いて。あっ、そろそろお父さん帰ってくるわね。」
「うん…」
「お父さんの事も好きよ?もちろんあなた達もね。さて、今日は2人も一緒に、疲れて帰ってきたお父さんのご飯を作ろっか。」
「「うん!」」
そのあと、母さんと渚と俺でカレーを作った。
その日は、久々に家族4人がそろってご飯を食べた。
お父さんは、美味しいなって喜んで食べてくれた。
お母さんも楽しそうに笑ってた。
ずっと、こんな日が続くと思ってたんだ。
あの日までは…
その日の翌日。その日は学校が休みだったから起きるのがいつもより遅かった。
いつもお母さんがキッチンで昼ごはんを作っている時間だったから、今日も作ってくれているだろうなと思い部屋から出てキッチンへ向かう。
「おはよー。母さん?」
シーン
いつもだったらすぐに帰ってくる返事がない。
何処かに買い物でも行ったのかな?
そう思って母さんの部屋にとりあえず行ってみる。
ガチャッ
「お母さん?いないの?えっ…」
俺は驚いてそこからしばらく動けなかった。
お父さんは朝早くから仕事でいないのは分かっていた。
お母さんは買い物でも行ったのかな?とか思ってたけど、そうじゃない。その時直感でそう思った。
だって、両親の部屋から母さんの荷物だけがゴッソリ無くなっていたから。
俺は急いで部屋にもどって渚に声をかけた。
「おい!渚起きろ!母さんが!」
「んん~…なに?買い物でも行ったの?」
ベッドからモゾモゾと出てくる渚。
「何かあったの?」
渚は、俺のいつもと違う様子を見て察してくれた。
「母さん、家出てったかもしれない。」
今度は、渚が驚いて目を見開いた。
2人でバタバタともう一度両親の部屋に行く。
あの光景が嘘であってほしいと願った。
バンッ
今度は渚がさっきの俺と同じように、両親の部屋のドアを開け放つ。
そこには、さっき俺が見た光景と同じものがやっぱりあった。
「…うそ…だよな?」
そう言いながら、信じられないという目で俺を見る渚。
でも、俺は何とも言えなかった。
直接母さんから出て行くと言われたわけではない。
ましてや、あの男の所に行ったという確信もない。
でも、俺はその時何故だか確信していた。
母さんは、あの男の所に行ったんだと。
「え?」
びっくりした。そんな話は瑠衣の時にも聞いていない。
「俺と渚の本当の母親は、俺らが小さい頃に家を出て行ったんだ。それまでは、どこにでもあるような仲のいい家族だったんだ…」
「ただいま!ねぇねぇ、お母さん聞いて聞いて!」
ガラッ
家のリビングのドアを開ける。
「あっ、帰ったのね。おかえり。」
いつも通りの母親。
でも、その隣には見知らぬ男がいた。
「ねぇ、お母さん。その人だれ?」
「お母さんの仕事場のよくしてくれてる先輩なの。今からちょっと仕事の資料まとめたりするから、その間遊びにでも行ってなさい?」
「うん。わかった。」
せっかくとった満点のテストを、俺はそっとカバンに入れた。
仕事なら仕方ない。
後でみせよう。お母さんも喜んでくれる。そう思って。
それから、その男の人を見る事が増えた。
その人は父さんが留守の時にやってくる。
そして、母さんはその時はだいたい俺ら2人とはいようとしなかった。
昔は、お父さんとお母さんはよく話していた。俺らも一緒に4人で他愛もない話をして笑いあってる。そんな家が俺は好きだった。
でも、その男が来だした時期から家の雰囲気がかわった。
父さんと母さんがあまり話さなくなった。
父さんが仕事でいない日、学校から帰ってきた俺らに母さんはこう言った。
「もしお母さんがお父さんじゃなくて、他の男の人の方が好きって言ったらどう思う?」
え?どういうこと?
父さんじゃなくて他の男の人?
頭の中に、ふと最近よく見かける先輩と言われていた男の顔が浮かんだ。
「そんなのダメだよ。父さんと母さんが俺らは好きだもん。母さんも、父さんが好きで結婚したんでしょ?」
「そうだったわよ。ごめんね。変な事聞いて。あっ、そろそろお父さん帰ってくるわね。」
「うん…」
「お父さんの事も好きよ?もちろんあなた達もね。さて、今日は2人も一緒に、疲れて帰ってきたお父さんのご飯を作ろっか。」
「「うん!」」
そのあと、母さんと渚と俺でカレーを作った。
その日は、久々に家族4人がそろってご飯を食べた。
お父さんは、美味しいなって喜んで食べてくれた。
お母さんも楽しそうに笑ってた。
ずっと、こんな日が続くと思ってたんだ。
あの日までは…
その日の翌日。その日は学校が休みだったから起きるのがいつもより遅かった。
いつもお母さんがキッチンで昼ごはんを作っている時間だったから、今日も作ってくれているだろうなと思い部屋から出てキッチンへ向かう。
「おはよー。母さん?」
シーン
いつもだったらすぐに帰ってくる返事がない。
何処かに買い物でも行ったのかな?
そう思って母さんの部屋にとりあえず行ってみる。
ガチャッ
「お母さん?いないの?えっ…」
俺は驚いてそこからしばらく動けなかった。
お父さんは朝早くから仕事でいないのは分かっていた。
お母さんは買い物でも行ったのかな?とか思ってたけど、そうじゃない。その時直感でそう思った。
だって、両親の部屋から母さんの荷物だけがゴッソリ無くなっていたから。
俺は急いで部屋にもどって渚に声をかけた。
「おい!渚起きろ!母さんが!」
「んん~…なに?買い物でも行ったの?」
ベッドからモゾモゾと出てくる渚。
「何かあったの?」
渚は、俺のいつもと違う様子を見て察してくれた。
「母さん、家出てったかもしれない。」
今度は、渚が驚いて目を見開いた。
2人でバタバタともう一度両親の部屋に行く。
あの光景が嘘であってほしいと願った。
バンッ
今度は渚がさっきの俺と同じように、両親の部屋のドアを開け放つ。
そこには、さっき俺が見た光景と同じものがやっぱりあった。
「…うそ…だよな?」
そう言いながら、信じられないという目で俺を見る渚。
でも、俺は何とも言えなかった。
直接母さんから出て行くと言われたわけではない。
ましてや、あの男の所に行ったという確信もない。
でも、俺はその時何故だか確信していた。
母さんは、あの男の所に行ったんだと。
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