商科論

藤本夏実

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ぴょん子とぴょん太のあんぜん日記

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 あるところに、ぴょん子とぴょん太といううさぎの兄妹がいました。ぴょん子はおいもが大好きでいつも袋いっぱいに買ってきては、あっという間にぴょん太の分まで食べてしまうのでぴょん太はいつも困っていました。
 ある日のことです。
ぴょん太が仕事から帰ってくるとぴょん子が苦しそうにお腹を抱えていました。
「どうしたんだ。」
と聴くと
「お勝手にあったおいもを全部食べたら、急にお腹が痛くなったの。」
といいます。見ると、袋一杯にあったおいもがなくなっています。
ぴょん太は仕方ないのでぴょん子を背負って町の薬屋までつれていきました。薬屋に着くと店のご主人に理由を話しました。店のご主人は店の棚にあった薬を出して来て
「これを飲むとすぐによくなりますよ。」
と教えてくれました。
ぴょん子はすぐに薬を飲むとお腹は不思議なくらいよくなりました。
「あっ治った。」

あれだけ大騒ぎしたのにケロッとしているぴょん子にぴょん太は呆れていると
「でも、もう、おいも全部食べるのには気をつけるわ。だって、おなかがあ痛くては何もできないということがわかったから。」
といいました。

又、別の日の出来事です。
ぴょん太がおいもを買ってくると
「お兄ちゃん、おいもちょうだい。」
といって、ぴょん太においもをねだります。するとぴょん太は
「しょうがないな。」
そういって、ぴょん子においもを一つだけ渡します。でも、ぴょん子はすぐに一つを食べてしまって
「もう一つちょうだい。」
とねだります。ぴょん太は渋々、もう一つ渡します。
「もう一つだけだよ。後は明日の分だから」
そういうのですが又、ぴょん子は食べてしまって
「もう一つちょうだい。」

これにはぴょん太もまいりました。ぴょん太はもうこれ以上はやるわけにはいかないと思い、
「もうだめだよ。」
そう、止めるのでした。

ある朝のことです。
ぴょん太が朝ごはんにおいもを食べようとお勝手場を見るとぴょん子がゴソゴソとひとりでおいもを食べています。
「ぴょん子何してるんだ。」
ぴょん太の声に驚きぴょん子はこっちを見るとぴょん子の顔はおいもだらけです。そして、おいもは一つも残っていませんでした。
「あぁあ、ひどいな。俺の分も食べて。」
「お兄ちゃんの分?ごめん、考えてなかった。」
「しょうがないな。」
ぴょん太は朝ごはん抜きで仕事に出かけました。
どうにかしないと。
そこでぴょん太はいい名案を浮かばせるのでした。
それはこうでした。自分がわざとおいもをたくさん食べるふりをする。そして、お腹を痛くする。そうしておいてぴょん子にたくさん食べるのは危ないということを教える。そうすれば、きっとぴょん子は気をつけるようになる。
そんな、名案でした。みなさんにもわかりますね。自分でわざと犠牲になる生き方そういうひとがいることを。

ぴょん子はどうなったと思いますか?

ぴょん子は今ではおいもは一つしかねだらなくなりましたとさ。
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