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風船葛の実る頃
2 哲也と京子
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哲也は蒼汰が大好きだった。ずっと哲也と一緒に居られたら楽しいのにと思っていた。哲也の家には京子が居候をしていたが、年下の哲也が弟のように可愛かった。京子は哲也が産まれたときをはっきりと覚えていた。京子の母と哲也の母は親友だったため、哲也の母の出産で最初に訪れたのが京子の母の早紀だったのだ。赤ちゃんばっかりがいる病室を見た京子は眼を丸くした。そして、看護婦さんに抱かれ連れて来られた哲也見て、可愛いなと思った。京子にとって哲也は小さな可愛い赤ちゃんのイメージが離れなかった。本当の兄弟であれば、毎日の日常の中で嫌な部分も見るであろうが、お母さん同士が親友というだけなので京子の感覚はずっと変わらないでいた。中三になり、母のはからいで哲也の家に居候することになり同じ中学に通うことになった。
京子は思った『少しでも恩返しがしたいな』そこで京子が計画したのがラブレター恩返し作戦だった。京子は文章を書くのが好きだったので哲也にラブレターを書くことは何でもなかったし、哲也が人気者だと喜んでくれると思った。そこで、ラブレターを五枚書き上げると哲也の下駄箱にラブレターを入れた。そうして哲也が来るのを待ち、れて見ていると哲也は下駄箱のラブレターを開けもしないで、ゴミ箱に捨ててしまった。
それを他の女子に見られていた。女子の中ではこんな話に発展した。女子の間でも哲也は容姿が綺麗だと有名だった。そんな哲也と友達に成りたがったそこで手紙作戦とばかりにいろんな女子が容姿の綺麗な哲也と仲良くしたいがため手紙を出した。もちろん哲也が手紙を捨ててしまうのも知っていたが、だからこそ、余計に書いた。もし、読んでくれるようなことがあれば、仲良くなれるチャンスだし、それより何より哲也には手紙を利用して悪さをしない安全な感じがした。
哲也は蒼汰が見掛けで判断しないような部分や頼りがいがあるところが大好きだった。京子の一件で京町を歩いたが益々好きになったし、益々頼るようになった。京子にしてみれば、ラブレター恩返し作戦でラブレターを用意していた京子はそれを哲也に見られてしまい、咄嗟に蒼汰くんてかっこいいといい出し、蒼汰へのラブレターであるかのように取り繕った。哲也はそれを丸ごと信じたのだったが、京子にしてみれば思いがけずに多栄子に会えるなんて、このときは思いもしなかった。自分より年下の哲也や蒼汰に頼りがいは感じていなかった。
「蒼ちゃん喧嘩売りに行こ。」
「哲也なんだよ。喧嘩売りに行こってそんなこというやついねぇよ。どこ行くんだ?」
「マーサにしよ。」
蒼汰と哲也はマーサに向かった。岐阜市の川北に位置するマーサ21は、ちょっとしたショッピングモールで大勢の客でいっぱいだった。二人はその中を意気がって歩いた。すると見たことのある顔が向かい側にある。哲也の従兄弟が翔が彼女と歩いていた。
「翔くん。」
「哲也か。」
翔は彼女と目配せをすると、彼女は頷いた。そうして彼女だけ行ってしまった。
「翔くんいいの?デートじゃなかったの。」
「いいんだ男のつきあいの方を優先しているから。」
蒼汰は翔に会うのは、初めてだった。翔は哲也に尋ねた。
「一緒に居るのは誰だ。」
「あっ翔くん。蒼ちゃんや。」
「宮川蒼汰です。」
三人はマクドナルドに入った。すると注目の的となったし、何もしてなくても避けられた。何せ、三人は長ランを着ていたので店の中でも目立ったのである。
蒼汰は三年になり、野球を止めていた。野球を止め髪を伸ばし始めると哲也と蒼汰はリーゼントにするようにもなったし、学ランも長い物に変えた。つまり、不良街道を歩むこととなった。哲也はなんでもよかった。蒼汰と二人で行動することが楽しかった。
「坊っちゃんじゃないっすか。」
聞き覚えのない低い声に哲也と蒼汰が顔を見合わせていると翔が
「竜也こんなところで声をかけるなや。」
と言った。どうやら知り合いらしいが、その風貌に二人は驚いた。その声の主は声とは似付かないくらいの腰の低さで翔に話しかけていた。
「坊っちゃん危ないときはすぐに言ってください俺が責任もちますからそう親っさんからも言われてるんで。」
「分かったでもみんながいるときに坊っちゃんはやめてくれないかそれとその半立ちもだ。」
「分かりました。」
竜也は片足を膝から地面につき片足を立たせた格好で〈つまり清水の次郎長のおひけぃなすっての格好で。〉『どうやらその筋のひとだな』蒼汰は思った。
後から哲也に翔の父親は稲川会吉村組の組長だと教えもらった。
蒼汰と哲也は翔と別れ帰ることにした。二人が蒼汰の家まで来ると早苗が出てきた。
「蒼汰何やっていたの。哲也ちゃんもう蒼汰を誘うの辞めてくれる。蒼汰とつきあわないで。」
「おっかぁ何を言うんだ。哲也が悪いわけじゃねぇぞ。」
「あんたは知らないのよ。何を言われているか哲也ちゃんの親戚には。」
「なんだよ何がいいたいんだぁ。肝っ玉がちぃせいな。哲也気にすることないからな。」
「蒼ちゃん今日は帰るよ。」
「分かった明日な。」
哲也は帰って行った。
京子は思った『少しでも恩返しがしたいな』そこで京子が計画したのがラブレター恩返し作戦だった。京子は文章を書くのが好きだったので哲也にラブレターを書くことは何でもなかったし、哲也が人気者だと喜んでくれると思った。そこで、ラブレターを五枚書き上げると哲也の下駄箱にラブレターを入れた。そうして哲也が来るのを待ち、れて見ていると哲也は下駄箱のラブレターを開けもしないで、ゴミ箱に捨ててしまった。
それを他の女子に見られていた。女子の中ではこんな話に発展した。女子の間でも哲也は容姿が綺麗だと有名だった。そんな哲也と友達に成りたがったそこで手紙作戦とばかりにいろんな女子が容姿の綺麗な哲也と仲良くしたいがため手紙を出した。もちろん哲也が手紙を捨ててしまうのも知っていたが、だからこそ、余計に書いた。もし、読んでくれるようなことがあれば、仲良くなれるチャンスだし、それより何より哲也には手紙を利用して悪さをしない安全な感じがした。
哲也は蒼汰が見掛けで判断しないような部分や頼りがいがあるところが大好きだった。京子の一件で京町を歩いたが益々好きになったし、益々頼るようになった。京子にしてみれば、ラブレター恩返し作戦でラブレターを用意していた京子はそれを哲也に見られてしまい、咄嗟に蒼汰くんてかっこいいといい出し、蒼汰へのラブレターであるかのように取り繕った。哲也はそれを丸ごと信じたのだったが、京子にしてみれば思いがけずに多栄子に会えるなんて、このときは思いもしなかった。自分より年下の哲也や蒼汰に頼りがいは感じていなかった。
「蒼ちゃん喧嘩売りに行こ。」
「哲也なんだよ。喧嘩売りに行こってそんなこというやついねぇよ。どこ行くんだ?」
「マーサにしよ。」
蒼汰と哲也はマーサに向かった。岐阜市の川北に位置するマーサ21は、ちょっとしたショッピングモールで大勢の客でいっぱいだった。二人はその中を意気がって歩いた。すると見たことのある顔が向かい側にある。哲也の従兄弟が翔が彼女と歩いていた。
「翔くん。」
「哲也か。」
翔は彼女と目配せをすると、彼女は頷いた。そうして彼女だけ行ってしまった。
「翔くんいいの?デートじゃなかったの。」
「いいんだ男のつきあいの方を優先しているから。」
蒼汰は翔に会うのは、初めてだった。翔は哲也に尋ねた。
「一緒に居るのは誰だ。」
「あっ翔くん。蒼ちゃんや。」
「宮川蒼汰です。」
三人はマクドナルドに入った。すると注目の的となったし、何もしてなくても避けられた。何せ、三人は長ランを着ていたので店の中でも目立ったのである。
蒼汰は三年になり、野球を止めていた。野球を止め髪を伸ばし始めると哲也と蒼汰はリーゼントにするようにもなったし、学ランも長い物に変えた。つまり、不良街道を歩むこととなった。哲也はなんでもよかった。蒼汰と二人で行動することが楽しかった。
「坊っちゃんじゃないっすか。」
聞き覚えのない低い声に哲也と蒼汰が顔を見合わせていると翔が
「竜也こんなところで声をかけるなや。」
と言った。どうやら知り合いらしいが、その風貌に二人は驚いた。その声の主は声とは似付かないくらいの腰の低さで翔に話しかけていた。
「坊っちゃん危ないときはすぐに言ってください俺が責任もちますからそう親っさんからも言われてるんで。」
「分かったでもみんながいるときに坊っちゃんはやめてくれないかそれとその半立ちもだ。」
「分かりました。」
竜也は片足を膝から地面につき片足を立たせた格好で〈つまり清水の次郎長のおひけぃなすっての格好で。〉『どうやらその筋のひとだな』蒼汰は思った。
後から哲也に翔の父親は稲川会吉村組の組長だと教えもらった。
蒼汰と哲也は翔と別れ帰ることにした。二人が蒼汰の家まで来ると早苗が出てきた。
「蒼汰何やっていたの。哲也ちゃんもう蒼汰を誘うの辞めてくれる。蒼汰とつきあわないで。」
「おっかぁ何を言うんだ。哲也が悪いわけじゃねぇぞ。」
「あんたは知らないのよ。何を言われているか哲也ちゃんの親戚には。」
「なんだよ何がいいたいんだぁ。肝っ玉がちぃせいな。哲也気にすることないからな。」
「蒼ちゃん今日は帰るよ。」
「分かった明日な。」
哲也は帰って行った。
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