仙人のドングリ

morituna

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仙人のドングリ  <第1話>

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 季節は4月、山道の両側には、沢山の桜

が咲いている。
 猿と、人間の娘が、連れ立って山道を登って行くと、谷川が流れている所へ出た。
 川幅が広い谷川に桜の枝が伸びていて、とても美しく見える。
 すると、娘が「猿さん、猿さん、あの桜の枝は、とてもきれいだ、取って来てくれないかしら」と言った。
 これも娘の言う事だと思って「よしよし」と言って、猿は木登り

を始めた。
 「猿さん、猿さん、一番上の桜の枝

を取って来てください。」と下から娘が呼んだ。
 それで、猿がこの枝で良いかと言うと、もっと上の枝が欲しいと言って、上の方へ登らせた。
猿は背中に、重い荷物(臼、杵、米俵)を背負っているし、枝は細くなってきたので、足元の枝が折れてしまった。
 猿は、荷物ごと、谷川に落ちてしまい、浮き沈みながら流れていった。
 猿は、流されながら、仙人

からもらったドングリ

を食べた。
 このドングリは、食べると、時をさかのぼって、やり直せる効能がある。
 また、猿は、仙人から、人間の言葉を習っていた。

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