おみくじアプリ

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おみくじアプリ

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「本当に当たるんだって!」
 優美がスマホを見せながら熱く語る。
 どうでも良いが仕事中である。
「はいはい、わかった、わかった」
 美月は、優美を軽くあしらうと溜め息をつきながら書類を整えた。
「忙しいの」
 実際、忙しいのだ。
 人の生き死にの現場である病院ではやる事が次から次へと押し寄せてくる。
 優美に付き合って師長に説教されるのは勘弁して頂きたい。
「ああもう、話聞いてよー」
 同期の優美はすぐに流行りモノに飛び付いてはすぐに飽きるので、少し我慢すればすぐに解放されるだろう。
「メールで送っておくからね! 見てね!」
 諦めたのだろう、そう言って優美は昼前には上がった。
 昨夜は夜勤だったので、10時上がりだったのに一時間半も無駄話していたのだ。
【おみくじアプリ】
 遅い昼休憩で美月がスマホを見ると、そんなメールが届いていた。
 優美である。
 見なかったら見なかったで後からウルサイのだ。
 仕方無く、URLを踏んだ。
 可愛らしいくすみピンクと薄紫の画面が現れ、文字がゆっくりと流れる。

 つかいかたは かんたん
 【おみくじ】のボタンに
 タッチすると
 あらわれる
 これからおきること
 すごく あたるから
 だから いちにち いっかい
 やくそくを まもれないコは
 つかわないほうが よい

 漢字が一切使われていないのは、子供向けなのだろうか?
 子供向けの占いサイトに嵌まるとは、優美らしいと言えば優美らしい。
 【おみくじ】のボタンをタッチしてみた。

「みず ちゅうい」

 そんな事を言われても、である。
 正直、水を避けては何も出来ない。
 まぁ、占いなんてそんなものよね。
 それきり、仕事に追われて忘れていた。
 22時。
「あ、坂本です。お電話いただ……」
 美月はマンションの自室前で鍵を開け、絶句した。
「あー、坂本さん! 何回も電話したんだけど、仕事中でしたよねぇ」
「あ、はい、これ、何ですか?」
 美月が帰宅すると、部屋中水浸しになっていた。
「あー、やっぱり、水浸しになってるよねぇ。勝手に部屋に入るわけにもいかないしさぁ」
 上の部屋で水道管が壊れ、その水が伝って来たのだと言う。
 畳と家具家電類はもう使い物にならないだろう。
 すぐに対応すれば、ここまでならなかったのかもしれない。
 が、仕事中だ。
 スマホに、管理人から着信が何度もあったが、家に帰ってから折り返し連絡しようと思っていたのだ。
 貴重品だけ持って、その日はビジネスホテルへ泊まることにした。
 ふと、あのおみくじアプリを思い出した。

「みず ちゅうい」

 注意してどうにかなるものではないではないか! と枕に拳を叩きつけた。

 翌朝、美月はスマホのアラームで目を覚まし、天井を見つめたまま、首を傾げた。
 ややあって、身体を起こし、部屋を見回す。
 ゆっくりと、昨夜の事を思い出した。
 カラリと音を立ててビールの缶が転がる。
 沸々と腹が立ち、ついでに腹が鳴った。
 昨夜は結局まともに食事をせずにビールを飲んで寝たのだった。
 時計を見れば、出勤時間までまだ時間はある。
 軽く顔を洗い、いそいそと着替えてモーニング会場へと向かう事にした。
 和洋折衷の朝食メニューがバイキング形式で好きなだけ取れるのもジュースもコーヒーもお茶も飲み放題なのも嬉しい。
 たまにはこう言うのも悪くない。
 たまには、ね。
 美月は昨夜の部屋の状態を思い出し、口に含んだ焼き鮭を噛み締めた。
 とりあえず、部屋は一週間とった。
「あー……もう」
 おみくじアプリのせいではないが、なんとなく責任を押し付けたくて再び件のサイトを開いていた。
 勢いで【おみくじ】ボタンに触れたのか、画面が変わる。

「おとこ ちゅうい」

 イラッとした。
 安いビジネスホテルにしたお陰様で、モーニング会場は自分とスタッフ以外は男性しかいない。
 どう気を付けろと言うのかと。
 部屋に戻り、仕事へ行く身支度を整え、清掃に入って貰うため、部屋に置いていく荷物と持って行く荷物を厳選する。
 廊下に人が少ない事を確認して出、鍵をフロントに預けた。
 フロントは壮年の男性と若い女の子がいたので、女の子に声をかけた。
 電車も女性専用車両を選び、職場まで来てしまえば、男性よりも女性の方が多い。
 恙無つつがなく一日が終了し、ホテルに戻る途中、コンビニで弁当とビールを買った。
 美月は少し、気分が良かった。
 やはり、おみくじは偶然だったのだ、と。
 空を仰げば、月が美しい。
 静謐な空気と言うのはこう言うものだろうか?
 ホテルの表入口の自動ドアが開いた瞬間、誰かが勢い良くぶつかってきた。
 わぁわぁと騒ぐ数人の声に、美月は自分をクッションにして騒いでいるのが酔っ払いだと理解した。
「ちょ、ちょっと、重い! どいて!」
 美月の声は、酔っ払いの怒号に掻き消される。
「あああ、お客様! 大丈夫ですか?」
 若いフロントの女の子の声だ。
 どこをどう見たら大丈夫に見えるのか? 
 サイレンと車の音、バタバタと走り寄る足音、警官の怒号……。
 おみくじは当たった。

 ガチガチに固定された足を眺め、美月は溜め息をついた。
 端的に言えば、折れていた。
 慰謝料と治療費は酔って喧嘩していた双方へ同額ずつ請求する。
 が、これでは仕事にならない。
 自分の職場に入院すると言うのも、オツなモノよのう……。
 などと嫌味たっぷりに愚痴るのは脳内だけに留めておく。
 料金が嵩んでもと個室を取らせて貰い、書類仕事だけでもさせて貰うようお願いした。
 最初の三日程は寝て過ごしたが、暇すぎるのと同僚達の慌ただしさが理解わかるだけに、居たたまれないのだ。
 ベッド上で無理な体制で居たせいか、首と肩がギシギシと痛む。
 ふと、スマホへ手を伸ばすと、おみくじアプリの画面が開いていた。
 触った覚えは無い。
 ザワリ、と嫌な感覚が背を這う。

「はち ちゅうい」

 蜂が病院内に入り込む事も無いだろう。
 そもそもそうい季節でも無い。
 しかし。
 しかし、一応、一応だけど、気を付けよう。
「お姉ちゃん、来たよー! マジで職場に入院しながら仕事してんの? うけるんだけど!」
 その日は、妹が見舞いに来る事になっていた。
 県を跨いで来てくれるので、申し訳無さと感謝でいっぱいである。
「あー、暇で暇で仕方無くてさ」
「元気そうで良かったよ。足でしょ? 車イス借りたら出掛けられるよね。買い物行こうよ」
「ありがとう。頼むわ」
「大体、何でそんな事になってんの?」
「あー、うん……」
 着替えて車イスを借り、妹と駐車場へ向かう。
 「わっ! あっぶ……」
 ない、という言葉は出なかった。
 ギリギリの所をすり抜けた車が、速度そのまま別の車に突っ込んだのだ。
 ポカンと口を開けて眺める妹が、ハッと我に返って叫んだ。
「あああ私の車あああああ!!」
 突っ込まれたのは、妹の車だった。
 周囲が目まぐるしく動く中、美月は一点を見ていた。
 妹が車を停めていたのは、⑧番だった。
 やっぱり、おみくじは当たった。

 妹の車は全損で、相手の保険金で全額支払われる事になった。
 誰も死ななかったのだけが救いだ。
 優美が勧めたおみくじアプリのせいだろうか?
 偶然にしては出来すぎである。
「優美、あんたがメールで送ってきたあのおみくじのアプリさぁ……」
「何の話?」
「送ってきたじゃん。良く当たるからって」
「あたしが送ったのは、【マダムアイコの星座恋占い】だよー。別のメール、間違って開いたんでしょ」
 笑いながら優美が言う。
「そんなはず……」
 メールアプリを開き、遡る。が、確かに優美からのメールには【マダムアイコの星座恋占い】があった。
 そして【おみくじアプリ】の送られたメールが見当たらない。
 削除した覚えは無い。
「え? そんなはず、そんなはず無い。だって……」
 それでは、【おみくじアプリ】はどこから、どうやって、繋がったのだというのか。
 悪寒がした。
 あの直後、【おみくじアプリ】をアンインストールしていた。
 明日、退院である。
 部屋も、もう元通りに修復済みである。
 もう何も起こらない筈だった。

 退院日。
 荷物は家へ配送をお願いした。
 手続きを終え、久しぶりの外の空気を満喫する。
 とにかく、カフェに行きたかった。
 カフェでコーヒーを飲んで一息つきたかった。
 ここ数ヵ月、ずっと悪夢の中に居るようなそんな気分だった。
「今度から、もっと患者さんの気持ちに寄り添えると思ったら、そう悪い経験ではないわな」
 そう美月が呟いた時、スマホの着信音が鳴った。
 確認する為に鞄から出した際に、触れたのだろうか、見覚えのある画面に、スマホを取り落とした。

「いのち ちゅうい」

【おみくじアプリ】の画面だった。
 何を何に何でどうやって?
 アンインストールしたはずだ。
 注意の仕方がわからない。
 いのち?
 私の?
 誰かの?
 何かの?
 命?
 カフェの窓の向こうで、野良猫が車に轢かれた。
 慌ててカフェを出る。
 道中、雀が烏に襲われていた。
 芋虫が蟻にたかられてた。
 蚊が美月をさした。
 蚊を美月が叩いた。
 蟻を美月が踏んだ。
 家路を急ぐ。
 日がだいぶ傾いていた。
 背後に誰かが居る気がして振り返るが、誰も居ない。
 街灯の灯りが反射するカーブミラーに人影を見つけ、ギクリとして振り返る。
 誰も居ない。
 ミラーを見上げ、人影が自分だと気付く。
 しかし何かしら違和感が拭えない。
 ミラーの中の美月が、口の端を上げる。
 総毛立つとはこの事だろうか?
 無理矢理ミラーから視線を剥がすと、美月はまだ完全ではない足で小走りにその場を去った。

 翌日、何も無かった事に安堵しつつ職場へと出勤した。
 昨日まで病室に居たのでなんとなく気恥ずかしい。
「ご迷惑お掛けしました」
「迷惑だなんて! みんないつ何があるかわからないんだから、お互い様よ!」
 師長が笑い飛ばす。
「さあさ、申し送りしましょう!」
 申し送りではず、昨夜、緊急入院した患者さんの急逝についてだった。

 救急隊が、暴れ叫ぶ彼を五人がかりでストレッチャーへと固定しての搬送。
 搬送時、血中酸素は10%。
 あり得ない。
 普通は80%を切っても苦しくて動けない。
 そこまで下がる前に気絶するのだ。
 が、病院に到着とほぼ同時に静かになったと思ったら息を引き取っていたらしい。
 年齢は七十八歳。
 家族はおらず、彼の所持品であるたった一つのスポーツバッグは役所の人が引き取りに来るまで安置室に彼の遺体と一緒に置いてあると言う。
 役所で調べて、縁続きの人が居なければ無縁仏として処理されるのだ。
「申し訳無いけれど、役所の人が来たら、宜しくね」
 師長が美月に向かって言った。
 仕方無い、美月も足が完全ではないので、どうしてもいつもの仕事量にはまだ戻れない。
 「了解です」

 午後十三時に役所の男性職員が訪ねてきた。
 昼ご飯を食べてから来たのだろう。
 私はまだなんだけどね……との思いをおくびにも出さず、美月は「お世話になります」と頭を下げた。
 「薬とか不審な感じではなかったけど、異常だったって聞いてます。警察案件ですかね?」
「解剖に回す感じですか?」
「いやいや、お医者さんの判断ではどうなのかなと」
「普通では無いけれど、はっきりとは言えないみたいです」
「ふぅむ」
 安置室へ案内しながら、男性職員と簡単なやりとりをする。
「天涯孤独で本人も生活保護だもんで、税金が使われるので、何でもかんでも解剖に回せないんですよねぇ」
 どうしましょうかねぇ、と、美月には答えようも無い事をブツブツと続ける男性職員の言葉を無視する。
「あちらですね」
 安置室の扉を開け、ストレッチャーに寝かされ、シーツを被されただけの遺体を指し示す。
 勿論、死亡確認後、エンゼルケアは行っているので、綺麗なはずだ。
 男性職員は顔の布がめくられ、顔を確認する。
「荷物はありますか?」
「あ、これですね」
 小汚いスポーツバッグは、中身が殆ど入っていないのか、クシャッとなっていた。
 男性職員がジッパーを開ける。
「うわっ」
 思わずだろう、放り投げられたスポーツバッグからこぼれ落ちたのは、、に、見えた。
 猿、であると思いたい。
「あ、えっと、一旦戻って後日改めますね!」
 スポーツバッグも中身もそのままに、男性職員が飛び出して行く。
 そのままにして置くわけにはいかないので、迷った挙げ句、ゴミ拾い用のトングとホウキとちり取りを駆使し、なるべく見ないようにしてスポーツバッグへ戻し、ジッパーを閉めた。
 と、床にメモが落ちている。
 スポーツバッグから一緒に落ちたのだろう。
 メモには『躄鬼』の文字が赤いペンで書かれていた。

 その日の夕方、業者が訪れ、遺体と荷物は引き取られていった。
 何も、何も起こらなかった。

 だが、それ以来、ことある毎に、何かを引き摺るような、、という音が、美月の周囲で聞こえるようになった。
 そして、一部の患者の顔が、見えなくなった。
 表情が読めないのではない。
 顔が、真っ黒く塗り潰され、抉れたように見えるのだ。
 それは決まって、何かを引き摺る音が聞こえた部屋の患者で、そして、数日の内にその患者は急逝する事が続いた。
 美月は師長の勧めに従い、休職してカウンセリングへ通う事にした。
 そして、メンタルクリニックでも、時折、顔の無い人物は見かけていた。
 いや、外を歩いても、カフェでも、駅でも、見かけた。
 ある日のクリニックからの帰り、駅で、顔の無い人物が電車に飛び込んだ。、と何かを引き摺る音が聞こえた直後だった。
 美月は聴取に「何も気づかなかった。見てなかった」としか言えなかった。
 疲れ果てて、自分のマンションへ戻り、鍵を開ける美月の耳に、、と何かを引き摺るような音が聞こえた。
 咄嗟に振り返るが、何も、無い。
 部屋に入り、鍵を閉める。
 荷物を置き、手と顔を洗おうと洗面所へ入った。
 洗面所の鏡には、真っ黒に塗り潰され、抉れた美月自身の顔が、映っていた。
 、と何かの引き摺る音が、響く。
 スマホの着信音が鳴った。

「いのち ちゅうい」

【おみくじアプリ】の画面が光る。
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