海と聖女とサムライと

clown

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第4章 王都へ

第58話 護衛依頼

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次の日、出発の準備をして馬車でギルドに向かった。

私達は、ギルド前で待って、ムサシだけがギルドに入っていった。

ムサシが、中々戻ってこないので様子を見に中に入ると、中には昨日の姫騎士が居た。

【おお、マリアかちょっと変な依頼を受けてしまった。】

ムサシによると、ギルドマスターに王都までの護衛依頼を、引受けて欲しいと頼まれた。

ギルドマスターは、ムサシが王都へ向かう事を知っていて、大鹿を退治した腕の立つ冒険者と見込んでいるらしい。

それと、仲間に聖女がいる事も。

実は、護衛の相手が、さる高貴な人で信用出来る人にしか頼めないと。

そこで、腕が立ち、信用出来る冒険者とし私達が選ばれたとの事だった。

「判ったわ。じゃあ早速、出発しましょう」

ちょっと待ってください。まだ連れが来てないので。

【連れとは、2人の従者か?】

はい、私の従者兼護衛なのですが。

【おそらく、彼らは来ないよ。】

何故、そんな事が判るのですか?

【昨日、俺に話し掛けただろう。あの時、他にヤバそうな奴等がお前さん達を見張って居たからな。おそらくそいつらに殺られたんだろうな。】

そんな、まさか。

【俺がお前さんを、無視したのはヤバそうな奴等に関わりたくなかったからだ。】

分かりました。行きましょう。ギルドマスター、もし、従者が遅れてきたら、よろしくお願いします。

申し遅れましたが。私は、エバと申します。

【まあ、自己紹介は、後にしよう。今夜は忙しく成りそうだしな。】

そうして、私達は出発する事になった。

【今日は、隊列を組んで行くぞ。サキはロウと先頭だ、馬車はマリーナ頼む。俺はシンガリだ。よし出発。】

あのー私は何処ですか?

【エバさんは、マリアと一緒に荷台だ。マリア、盾を手放すなよ。】

私達は次の目的地は、イーニン、そして、イーニンの次が王都になる。

アルトマイを出発した後、旅は順調に進み予定地点まで来る事が出来た。

街道は、再び海沿いになり、私達は、浜辺で野営の準備を始める。

今日は、さすがに漁に行かないだろうと思っていると、釣り竿を持って出掛けている。

その夜は、例のごとくムサシが釣ってきた魚を食べた。

【それじゃ、この辺りで、自己紹介と行こうか?先ずはエバさんからだ。】

この度は、お世話になります。エバと言います。よろしくお願いします。

「馬車の中で、色々とお話しは聞かせてもらったけど、改めて、マリアです。一応、聖女やってます。」

(マリーナです。ムサシ師匠の弟子やってます。)

「マリーナのお祖父様は、地方の領主だよ。」

はあ、領主のお孫さんでしたか。

『えーっと、サキ。肩にいるのがヤタで、横にいるのがロウだよ。』

「エバさん、実はサキは勇者なんだよ。」

え?この子が勇者なんですか?

【最後は、俺だな。ムサシ、一応これでも剣者だ。】

え、賢者なんですか?

「ええ、不思議だけどそうよ。本人は剣者って言ってるけど。」

エバは意味を理解出ていないようだ。

【まあ良い、それで、今までの所は、怪しい様子は無い。だから、今夜が一番危険だ。】

【今夜は、皆、馬車で寝る事。俺はここで寝る。】

そして、長い夜が始まった。
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