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第五章/耐えるようです。
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夢を見た。
幼い泉澄と、テレビゲームで遊んでいる。泉澄は俺の足のあいだに入って、俺を背もたれ代わりにするのが好きだった。
そんな泉澄を抱え込むようにして、俺はコントローラーを握っている。この格好で対戦するから、しょっちゅう腕やコントローラーがぶつかった。そのたびに泉澄はきゃあきゃあ喚いて、俺と言い合いになる。喧嘩しているわけじゃなく、こうやって騒ぎながら遊ぶのが楽しかった。
『わ、わっ……んあー! お兄ちゃん、それズルいぃ~!!』
『ズルくないっ、作戦だっ……ちょっ、腕、邪魔! わざとやってるだろ泉澄?!』
身体をよじるようにして操作を妨害する泉澄を、腕で押しのける。泉澄は更に全身を傾けて妨害してきた。いったんボタン操作を放棄して、片手で泉澄の態勢を戻そうとする。
掌に、ふんわりと柔らかな感触を覚えた。
は、っとなって、飛び退く。目の前にいた泉澄は、既に幼くなかった。背中を丸めていた泉澄が、俺を振り向き、唇を尖らせてこぼす。
『……お兄ちゃんの、エッチ……』
そこで、目が覚めた。
腰のところが強張っているみたいで、動きにくい。身体を起こそうとして、バキバキに勃起していることに気づいた。
(……やっぱり、一発抜いてから寝た方が良かったかな……)
あのあとも悶々としていたけれど、自慰はしなかった、というか、出来なかった。どんなオカズを引っ張り出しても、直前の泉澄の姿が重なってしまいそうで、手が出せなかった。
でもその結果、こんな夢を見てたら世話がない。パンツを突き上げ、存在を誇示する我が息子を前に、俺は溜息をついた。
突然、ドアが開く。
「起きてたんだ。おはよう」
「う……うん、おはよう……」
動揺に気づいたのか、泉澄はノブに手を置いたまま首をかしげた。その目線が、俺が咄嗟にシーツをかぶせた下半身のあたりに注がれる。
「お兄ちゃん、もしかして……大きくなってる?」
「な、何が?!」
「……大事なところ」
言ってから、泉澄は羞じらって目を伏せた。
「……ど、どうしようもないんだよ。これは若い男の、生理現象なんだって……」
「あは……それも生理現象なんだ」
……そういえば、昨晩もこの言い訳してたっけ。
間の抜けたやり取りだった、と今更気づいて、情けなくなる。
泉澄は頬をぽっと火照らせ、少しだけ考える素振りをしていたが、不意にずかずかと室内に踏み込んできたかと思うと、ベッドに上がってきた。
「い、泉澄、どうした? 何やってるんだ?!」
「お兄ちゃんの……見せて欲しい」
脳天をハンマーでぶっ叩かれたみたいな衝撃。「は?!」
「ゆうべ、お兄ちゃん、泉澄のをさんざん見て……触ったでしょ。不公平だもん……」
そう言いながら、泉澄の手はもうシーツにかかっていた。俺は反射的に、その手首を掴む。
「い……泉澄。いま……家に母さん、いるだろ……?」
「もう出かけちゃった。今夜も遅いって」
――つまり、今日はずっと、家にふたりきり。
ごくん、と生唾を飲んだ途端に気が緩んだ。隙をついてシーツを剥ぎ取られてしまう。
「お兄ちゃん……脚、広げてよ」
「ま……待て、待ってって……泉澄」
「イヤ。だって、ゆうべは泉澄ばっかり恥ずかしい思いして……不公平だよ」
「お、俺は後ろから抱きかかえてたんだぞ。そんな真っ正面から見てないから……」
「女の子と男の子じゃ、恥ずかしさが違うもん」
「そ、そうかぁ……?」
対処に困っていると、不意に泉澄は神妙な表情になった。
「きっと、泉澄……まだ、悪いモノが落ちてないの。
だから……ゆうべも、あんなに……よくしてくれたのに、泉澄……お兄ちゃんの、それのかたち、想像しながら……また、しちゃったの……」
告白する泉澄の顔は、茹でたみたいに真っ赤になっている。
そんなに羞じらっていても、抑えられない欲求に駆られてしまう泉澄が哀れで、そしてどうしようもなく愛おしかった。そのせいで、きつく閉じた脚のあいだで、俺のモノは余計に滾ってしまう。
泉澄の切実な要求に、応えてあげてもいいかも、と思い始める一方で、頭の中の冷静な部分が警報を発していた。
「な、なあ、泉澄……朝食、用意してくれたんじゃないのか?」
「――あ!」
指摘した途端、泉澄はがばっ、と身を起こす。転びそうな勢いで部屋を飛び出し、足音も激しく階段を駆け下りていった。
「わー、わー?! お鍋、吹いちゃってるー?!」
ドタバタと、何やら格闘しているらしい音が響く。直前までの緊張が一気に緩んで、俺は自然と笑っていた。
……下に降りるまでに、こいつを大人しくさせないと。
相変わらずズボンを押しあげそそり立ったままの我が息子を、俺は憎々しく睨みつけた。
幼い泉澄と、テレビゲームで遊んでいる。泉澄は俺の足のあいだに入って、俺を背もたれ代わりにするのが好きだった。
そんな泉澄を抱え込むようにして、俺はコントローラーを握っている。この格好で対戦するから、しょっちゅう腕やコントローラーがぶつかった。そのたびに泉澄はきゃあきゃあ喚いて、俺と言い合いになる。喧嘩しているわけじゃなく、こうやって騒ぎながら遊ぶのが楽しかった。
『わ、わっ……んあー! お兄ちゃん、それズルいぃ~!!』
『ズルくないっ、作戦だっ……ちょっ、腕、邪魔! わざとやってるだろ泉澄?!』
身体をよじるようにして操作を妨害する泉澄を、腕で押しのける。泉澄は更に全身を傾けて妨害してきた。いったんボタン操作を放棄して、片手で泉澄の態勢を戻そうとする。
掌に、ふんわりと柔らかな感触を覚えた。
は、っとなって、飛び退く。目の前にいた泉澄は、既に幼くなかった。背中を丸めていた泉澄が、俺を振り向き、唇を尖らせてこぼす。
『……お兄ちゃんの、エッチ……』
そこで、目が覚めた。
腰のところが強張っているみたいで、動きにくい。身体を起こそうとして、バキバキに勃起していることに気づいた。
(……やっぱり、一発抜いてから寝た方が良かったかな……)
あのあとも悶々としていたけれど、自慰はしなかった、というか、出来なかった。どんなオカズを引っ張り出しても、直前の泉澄の姿が重なってしまいそうで、手が出せなかった。
でもその結果、こんな夢を見てたら世話がない。パンツを突き上げ、存在を誇示する我が息子を前に、俺は溜息をついた。
突然、ドアが開く。
「起きてたんだ。おはよう」
「う……うん、おはよう……」
動揺に気づいたのか、泉澄はノブに手を置いたまま首をかしげた。その目線が、俺が咄嗟にシーツをかぶせた下半身のあたりに注がれる。
「お兄ちゃん、もしかして……大きくなってる?」
「な、何が?!」
「……大事なところ」
言ってから、泉澄は羞じらって目を伏せた。
「……ど、どうしようもないんだよ。これは若い男の、生理現象なんだって……」
「あは……それも生理現象なんだ」
……そういえば、昨晩もこの言い訳してたっけ。
間の抜けたやり取りだった、と今更気づいて、情けなくなる。
泉澄は頬をぽっと火照らせ、少しだけ考える素振りをしていたが、不意にずかずかと室内に踏み込んできたかと思うと、ベッドに上がってきた。
「い、泉澄、どうした? 何やってるんだ?!」
「お兄ちゃんの……見せて欲しい」
脳天をハンマーでぶっ叩かれたみたいな衝撃。「は?!」
「ゆうべ、お兄ちゃん、泉澄のをさんざん見て……触ったでしょ。不公平だもん……」
そう言いながら、泉澄の手はもうシーツにかかっていた。俺は反射的に、その手首を掴む。
「い……泉澄。いま……家に母さん、いるだろ……?」
「もう出かけちゃった。今夜も遅いって」
――つまり、今日はずっと、家にふたりきり。
ごくん、と生唾を飲んだ途端に気が緩んだ。隙をついてシーツを剥ぎ取られてしまう。
「お兄ちゃん……脚、広げてよ」
「ま……待て、待ってって……泉澄」
「イヤ。だって、ゆうべは泉澄ばっかり恥ずかしい思いして……不公平だよ」
「お、俺は後ろから抱きかかえてたんだぞ。そんな真っ正面から見てないから……」
「女の子と男の子じゃ、恥ずかしさが違うもん」
「そ、そうかぁ……?」
対処に困っていると、不意に泉澄は神妙な表情になった。
「きっと、泉澄……まだ、悪いモノが落ちてないの。
だから……ゆうべも、あんなに……よくしてくれたのに、泉澄……お兄ちゃんの、それのかたち、想像しながら……また、しちゃったの……」
告白する泉澄の顔は、茹でたみたいに真っ赤になっている。
そんなに羞じらっていても、抑えられない欲求に駆られてしまう泉澄が哀れで、そしてどうしようもなく愛おしかった。そのせいで、きつく閉じた脚のあいだで、俺のモノは余計に滾ってしまう。
泉澄の切実な要求に、応えてあげてもいいかも、と思い始める一方で、頭の中の冷静な部分が警報を発していた。
「な、なあ、泉澄……朝食、用意してくれたんじゃないのか?」
「――あ!」
指摘した途端、泉澄はがばっ、と身を起こす。転びそうな勢いで部屋を飛び出し、足音も激しく階段を駆け下りていった。
「わー、わー?! お鍋、吹いちゃってるー?!」
ドタバタと、何やら格闘しているらしい音が響く。直前までの緊張が一気に緩んで、俺は自然と笑っていた。
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