カタカナのカミサマ

追憶劇場

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話し相手とカミサマ

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カミサマは、どんな願いも叶えてくれます。
小さな願いも、大きな願いも、安全な願いも、危険な願いも、
カミサマは、叶えてくれます。
『神様』とは少し違います。
『カミサマ』は善悪が分かりません。
例え、自分の事しか考えない人でも、カミサマは躊躇い無く願いを叶えてしまいます。
そんなカミサマは、一人の少女と出会いました。
少女は、さみしがりやでしたが、誰も親戚がおらず、いつも一人でした。
カミサマは、少女が話しやすいように少女と同じ姿になり、少女の話し相手になってあげました。
少女は、今までの寂しさを全て塗りつぶすようにカミサマと話し続けました。
カミサマは、少女の話を、本来いるはずだった少女の友達のように聞きました。 
そのうちに少女の喉も枯れ、話すことが出来なくなっても、カミサマが少女の声を聞けなくなることはありませんでした。
カミサマは少女が全てを出し切るまで、少女の良い話し相手になりました。
カミサマは、少女の願いを叶えました。そして…
カミサマはかけがえの無いものを少女から教わりました。
カミサマは、『神様』になりたいわけではありません。でも…

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