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最後の夕食
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花畑でエデンさんと別れると、私たちは早々に帰宅した。そして、部屋で準備を進める。まずは大きな布を用意して広げる。いつ母が来ても良いようもちろんベッドの上だ。けれど、いざこの家を出ていくとなると何を持っていけば良いかわからなくなってしまった。
エメラルドのドレスを含めて服は三着持っていこうと決め、畳んで詰める。護身用の短剣と、顔も隠せるマント。本もいくつか入れることにした。本来なら食糧も持っていきたいところだが、母への後ろめたさからキッチンを漁ることはどうしても出来なかった。あれこれ考えているとあっという間に夕食の時間になった。リビングへ向かうと母は鼻歌を歌いながら味見をしている。
「今日は森で採ったお野菜のサラダと川魚のムニエルよ」
母は楽しそうにお皿を並べる。
「すごい。良い香り」
「でしょう? ロザリーちゃんのお母さんからバターを分けていただいたの」
――鼻の奥がつんとした。
「ありがとう。いただきます!」
母のことが大好きだし、本当はもっと楽な暮らしをさせてあげたかった。けれど今の私がここにいると食費が倍かかってしまう。早く自立しなきゃ。その思いも確かだった。今はただ、いつもより豪華なこの食事を思い切り楽しもう。よく噛んで味わっていると、母は笑顔で見てくる。
「おいしい?」
「うん! すっごくすっごく。おいしいよ」
フォリンは既に食べ終えていたが、私はまだ食べ終えたくないと思った。
エメラルドのドレスを含めて服は三着持っていこうと決め、畳んで詰める。護身用の短剣と、顔も隠せるマント。本もいくつか入れることにした。本来なら食糧も持っていきたいところだが、母への後ろめたさからキッチンを漁ることはどうしても出来なかった。あれこれ考えているとあっという間に夕食の時間になった。リビングへ向かうと母は鼻歌を歌いながら味見をしている。
「今日は森で採ったお野菜のサラダと川魚のムニエルよ」
母は楽しそうにお皿を並べる。
「すごい。良い香り」
「でしょう? ロザリーちゃんのお母さんからバターを分けていただいたの」
――鼻の奥がつんとした。
「ありがとう。いただきます!」
母のことが大好きだし、本当はもっと楽な暮らしをさせてあげたかった。けれど今の私がここにいると食費が倍かかってしまう。早く自立しなきゃ。その思いも確かだった。今はただ、いつもより豪華なこの食事を思い切り楽しもう。よく噛んで味わっていると、母は笑顔で見てくる。
「おいしい?」
「うん! すっごくすっごく。おいしいよ」
フォリンは既に食べ終えていたが、私はまだ食べ終えたくないと思った。
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