6 / 6
風が消えた日
作戦会議
しおりを挟む
陽が外の様子を伺うように顔を出し始めた頃、僕たちは外西の遺跡へと向かうために西側の門へと向かっていた。
僕が初めて荒野を見たのは修行を始めてから三年後だった。
あの日、ロゼッタに連れられて初めて監視塔に昇った。
獣型の魔物や人型の魔物が、僕たちの方へと向かって突進してくる光景は、幼かった僕にとって世界の終わりを見ているに等しいくらいの恐怖を感じた。
逃げ出したい……気持ち悪い……。全身震え、声も出なかった。
そのときもロゼッタは言ってくれた。
――私がレイを護ります。だから怖がらなくて大丈夫。――と。
その時のことを思い出すと、不思議と怖くはなかった。
僕の尊敬する師、ロゼッタが傍にいる。それだけで勇気が湧いてくるのだ。
少し歩くとあっという間に西門に到着した。
緊急事態ということもあって、"クォーツの民"で結成されている兵士団が西側に集まり、忙しなく動いていた。
辺りを見渡していると、僕たちに気づいた兵士が近づいてきた。
胸元には階級を表すブローチがついている。
階級は五段階あり、宝石の種類で決まっている。
彼がしているブローチは水晶で一番下の階級だ。
ちなみに僕がしているのは真ん中の階級のエメラルドで、ロゼッタは一番上の階級でルビーのブローチだ。
「ロゼッタ様!お待ちしておりました。こちらへ!ご案内します。」
ロゼッタに敬礼をしながら早口にそう言うと、一際大きいテントの方へと歩き始めた。
僕のことはきっと見えていなかったのだろう、視界の端にも入れなかったぞ、コイツ。
ロゼッタに対しても礼儀がなってないやつだという感想は置いておいて、何も言わずに彼の後ろを歩き始めたので、僕も慌てて続いた。
案内されたテントの前には、ブロンドの髪をひとつに結び、切れ長の目が特徴の副官アメリアが待っていた。
「アメリア副官!ロゼッタ様とお弟子をお連れしました。」
「おお、ヒーランありがとう。持ち場に戻れ、私が変わろう。」
「はっ!」
名前を呼ばれたのが嬉しかったのか、認知されていたことに感激したのか、鼻の穴を象のように広げて、ニヤニヤしながら彼は持ち場に戻っていった。
「ロゼッタ様、レイ、中へどうぞ。皆様いらっしゃいます。」
「ありがとう、アメリア。……レイ、行きましょう。」
「はい、師匠。」
背筋を伸ばして、堂々と、ロゼッタの後に続いてテントの中に入っていった。
テントの中は作戦室と呼ぶに相応しいほど広く、仮眠するためのベッドまで設置してある。
中央に大きな円卓ととオールドテイルを中心とした地図が広げてある。
円卓の椅子には先ほどロゼッタに報告へきた兵士長のヴァン、ロベルト、結界の維持をしていて、この街の代表ともいえる老齢の魔法使いレイモンドが座っていた。
「やっときたかぃ、ロゼッタ女史と坊主。」
「遅くなってごめんなさいね。ちょっと準備に手間取ってしまったの。」
ロゼッタは息をするように嘘をつく。
まぁ僕の心の準備に手間取ったといえばそうなのかもしれない。
「まぁいいじゃないか。ロゼッタちゃん、おチビくん、とりあえず座りなさい……飴ちゃん食べるかい?」
「いいえ、レイモンド。飴はいりません。」
ロゼッタがロベルトの隣に座ったのを確認して、壁際にあった座り心地の悪い簡易椅子に僕も腰を下ろす。
「美味しい飴ちゃんなのに。……とりあえず、状況から説明いいかね?」
「あぁ、じいさん頼む。」
「それじゃ。……報告時と変わらず、"陰の人"はそのまま遺跡内部に留まり続けておる。それは儂がずっと視ているから間違いない。内側から攻撃するでもなく、様子を伺ってるようじゃ。」
「魔物はどうでしょう、まだ集まっているのですか?」
「魔物は遺跡周辺を囲むようにしておるよ。数は、ヴァンかお主に報告に行ったときの倍はいるかもしれぬな。」
「かなり増えましたね。」
「はっ。ロゼッタ女史たちが優雅に準備してたからかもなぁ?」
皮肉った言い方をしてきたロベルトは、殺気を振りまいていて、周りの全てを破壊しそうなほどの勢いだ。
「優雅に……というほどゆっくりしていたわけではないと思いますが?……フランのことで殺気立っているのはわかりますが、私とレイに当たらないでください。貴方の感情で周りを振り回すのはどうかと思いますけど?」
丁寧に言っているが、ロゼッタもほんの少しの苛立ちを混ぜて、牽制している。
正直、ふたりとも怖い。距離を取りたい。
「……まぁまぁ落ち着きなさいよ、ふたりとも。空気になってるヴァンくんが怖くて漏らしちゃったらどうするの。」
「……ははっ。レイモンド様、勘弁してくださいよ。」
巻き込まれたヴァンは口元が引きつっていた。
僕に振られなくてよかったと内心ほっとした。
実はレイモンドとはあまり面識がない。行事で何度か挨拶した程度なのだ。
レイモンドはふぉっふぉっと笑っていたが、サファイアのように澄んだ瞳が、一瞬僕を見たような気がした。
……僕おチビくんだから、漏らしたと思われてる?
だがそんな感じの視線ではなかった。こう、覚悟を問われているようなそんな感じだ。
「まぁとりあえず、今後の予定を話していこうか。この後予定通りロゼッタちゃんとおチビくん、……あとロベルトくんの三人で外西の遺跡に出発して貰って、陰の人を討伐するのが目標ね。陰の人の戦闘力は未知数だから無理はしないように。ちみ達がいなくなったら困る人が沢山いるんだから。一度撤退することも視野に入れて、戦闘するように。フランちゃんに関してはその場の判断に任せる感じで。できれば連れ帰ってきてね。……わかったかい?」
レイモンドのわかったかいは命令と同義だ。
ロゼッタが立ち上がったのに続いて僕も立ち上がる。
ロベルトは自分も行けるとは思っていなかったのか、少し驚いた顔をしていたがすぐに目元をぎらつかせて立ち上がる。
「承知いたしました。ロゼッタの名において弟子と共に必ず任を遂行いたします。」
「……我が失態を挽回する機会をくれたこと感謝いたします。ロベルトの名において任を遂行し、必ず弟子フランを連れ帰ります。」
ふたりが同時にお辞儀をするのをみて、僕も同じようにした。
レイモンドはゆっくりと立ち上がり、僕たちを見据える。
先ほどとは別人なんじゃないかと思うほど、威厳に溢れた強者の圧に恐怖を感じ、思わず下を向いてしまう。
「貴殿らの活躍、ここからしかと拝見する。オールドテイルはレイモンドが必ずや護り通す。この地に住む"クォーツの民"としての責務、しかと果たそうぞ。ロゼッタたちはしばし待機。準備が整い次第ヴァンが報告する。以上。」
レイモンドの宣誓で会議は終わった。
レイモンドは僕たちにお守りじゃよと言って防御魔法を施してくれた。
目に見えない何かが、体を覆うように張り付いているような感覚があったが、直ぐにその違和感はなくなった。
「レイモンド、ありがとう。それでは私たちは外に出ましょう。」
レイモンドとヴァンに見送られながら、僕たちはテントを後にする。
準備ができれば門の外へと出発だ。
不安でいっぱいなのは変わらないが、ロベルトがいるというのはとても心強い。
レイモンドの施してくれた防御魔法がある。
少しだけ勇気が湧いてきて、拳ぎゅっと握りしめた。
僕が初めて荒野を見たのは修行を始めてから三年後だった。
あの日、ロゼッタに連れられて初めて監視塔に昇った。
獣型の魔物や人型の魔物が、僕たちの方へと向かって突進してくる光景は、幼かった僕にとって世界の終わりを見ているに等しいくらいの恐怖を感じた。
逃げ出したい……気持ち悪い……。全身震え、声も出なかった。
そのときもロゼッタは言ってくれた。
――私がレイを護ります。だから怖がらなくて大丈夫。――と。
その時のことを思い出すと、不思議と怖くはなかった。
僕の尊敬する師、ロゼッタが傍にいる。それだけで勇気が湧いてくるのだ。
少し歩くとあっという間に西門に到着した。
緊急事態ということもあって、"クォーツの民"で結成されている兵士団が西側に集まり、忙しなく動いていた。
辺りを見渡していると、僕たちに気づいた兵士が近づいてきた。
胸元には階級を表すブローチがついている。
階級は五段階あり、宝石の種類で決まっている。
彼がしているブローチは水晶で一番下の階級だ。
ちなみに僕がしているのは真ん中の階級のエメラルドで、ロゼッタは一番上の階級でルビーのブローチだ。
「ロゼッタ様!お待ちしておりました。こちらへ!ご案内します。」
ロゼッタに敬礼をしながら早口にそう言うと、一際大きいテントの方へと歩き始めた。
僕のことはきっと見えていなかったのだろう、視界の端にも入れなかったぞ、コイツ。
ロゼッタに対しても礼儀がなってないやつだという感想は置いておいて、何も言わずに彼の後ろを歩き始めたので、僕も慌てて続いた。
案内されたテントの前には、ブロンドの髪をひとつに結び、切れ長の目が特徴の副官アメリアが待っていた。
「アメリア副官!ロゼッタ様とお弟子をお連れしました。」
「おお、ヒーランありがとう。持ち場に戻れ、私が変わろう。」
「はっ!」
名前を呼ばれたのが嬉しかったのか、認知されていたことに感激したのか、鼻の穴を象のように広げて、ニヤニヤしながら彼は持ち場に戻っていった。
「ロゼッタ様、レイ、中へどうぞ。皆様いらっしゃいます。」
「ありがとう、アメリア。……レイ、行きましょう。」
「はい、師匠。」
背筋を伸ばして、堂々と、ロゼッタの後に続いてテントの中に入っていった。
テントの中は作戦室と呼ぶに相応しいほど広く、仮眠するためのベッドまで設置してある。
中央に大きな円卓ととオールドテイルを中心とした地図が広げてある。
円卓の椅子には先ほどロゼッタに報告へきた兵士長のヴァン、ロベルト、結界の維持をしていて、この街の代表ともいえる老齢の魔法使いレイモンドが座っていた。
「やっときたかぃ、ロゼッタ女史と坊主。」
「遅くなってごめんなさいね。ちょっと準備に手間取ってしまったの。」
ロゼッタは息をするように嘘をつく。
まぁ僕の心の準備に手間取ったといえばそうなのかもしれない。
「まぁいいじゃないか。ロゼッタちゃん、おチビくん、とりあえず座りなさい……飴ちゃん食べるかい?」
「いいえ、レイモンド。飴はいりません。」
ロゼッタがロベルトの隣に座ったのを確認して、壁際にあった座り心地の悪い簡易椅子に僕も腰を下ろす。
「美味しい飴ちゃんなのに。……とりあえず、状況から説明いいかね?」
「あぁ、じいさん頼む。」
「それじゃ。……報告時と変わらず、"陰の人"はそのまま遺跡内部に留まり続けておる。それは儂がずっと視ているから間違いない。内側から攻撃するでもなく、様子を伺ってるようじゃ。」
「魔物はどうでしょう、まだ集まっているのですか?」
「魔物は遺跡周辺を囲むようにしておるよ。数は、ヴァンかお主に報告に行ったときの倍はいるかもしれぬな。」
「かなり増えましたね。」
「はっ。ロゼッタ女史たちが優雅に準備してたからかもなぁ?」
皮肉った言い方をしてきたロベルトは、殺気を振りまいていて、周りの全てを破壊しそうなほどの勢いだ。
「優雅に……というほどゆっくりしていたわけではないと思いますが?……フランのことで殺気立っているのはわかりますが、私とレイに当たらないでください。貴方の感情で周りを振り回すのはどうかと思いますけど?」
丁寧に言っているが、ロゼッタもほんの少しの苛立ちを混ぜて、牽制している。
正直、ふたりとも怖い。距離を取りたい。
「……まぁまぁ落ち着きなさいよ、ふたりとも。空気になってるヴァンくんが怖くて漏らしちゃったらどうするの。」
「……ははっ。レイモンド様、勘弁してくださいよ。」
巻き込まれたヴァンは口元が引きつっていた。
僕に振られなくてよかったと内心ほっとした。
実はレイモンドとはあまり面識がない。行事で何度か挨拶した程度なのだ。
レイモンドはふぉっふぉっと笑っていたが、サファイアのように澄んだ瞳が、一瞬僕を見たような気がした。
……僕おチビくんだから、漏らしたと思われてる?
だがそんな感じの視線ではなかった。こう、覚悟を問われているようなそんな感じだ。
「まぁとりあえず、今後の予定を話していこうか。この後予定通りロゼッタちゃんとおチビくん、……あとロベルトくんの三人で外西の遺跡に出発して貰って、陰の人を討伐するのが目標ね。陰の人の戦闘力は未知数だから無理はしないように。ちみ達がいなくなったら困る人が沢山いるんだから。一度撤退することも視野に入れて、戦闘するように。フランちゃんに関してはその場の判断に任せる感じで。できれば連れ帰ってきてね。……わかったかい?」
レイモンドのわかったかいは命令と同義だ。
ロゼッタが立ち上がったのに続いて僕も立ち上がる。
ロベルトは自分も行けるとは思っていなかったのか、少し驚いた顔をしていたがすぐに目元をぎらつかせて立ち上がる。
「承知いたしました。ロゼッタの名において弟子と共に必ず任を遂行いたします。」
「……我が失態を挽回する機会をくれたこと感謝いたします。ロベルトの名において任を遂行し、必ず弟子フランを連れ帰ります。」
ふたりが同時にお辞儀をするのをみて、僕も同じようにした。
レイモンドはゆっくりと立ち上がり、僕たちを見据える。
先ほどとは別人なんじゃないかと思うほど、威厳に溢れた強者の圧に恐怖を感じ、思わず下を向いてしまう。
「貴殿らの活躍、ここからしかと拝見する。オールドテイルはレイモンドが必ずや護り通す。この地に住む"クォーツの民"としての責務、しかと果たそうぞ。ロゼッタたちはしばし待機。準備が整い次第ヴァンが報告する。以上。」
レイモンドの宣誓で会議は終わった。
レイモンドは僕たちにお守りじゃよと言って防御魔法を施してくれた。
目に見えない何かが、体を覆うように張り付いているような感覚があったが、直ぐにその違和感はなくなった。
「レイモンド、ありがとう。それでは私たちは外に出ましょう。」
レイモンドとヴァンに見送られながら、僕たちはテントを後にする。
準備ができれば門の外へと出発だ。
不安でいっぱいなのは変わらないが、ロベルトがいるというのはとても心強い。
レイモンドの施してくれた防御魔法がある。
少しだけ勇気が湧いてきて、拳ぎゅっと握りしめた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
勇者の様子がおかしい
しばたろう
ファンタジー
勇者は、少しおかしい。
そう思ったのは、王宮で出会ったその日からだった。
神に選ばれ、魔王討伐の旅に出た勇者マルク。
線の細い優男で、実力は確かだが、人と距離を取り、馴れ合いを嫌う奇妙な男。
だが、ある夜。
仲間のひとりは、決定的な違和感に気づいてしまう。
――勇者は、男ではなかった。
女であることを隠し、勇者として剣を振るうマルク。
そして、その秘密を知りながら「知らないふり」を選んだ仲間。
正体を隠す者と、真実を抱え込む者。
交わらぬはずの想いを抱えたまま、旅は続いていく。
これは、
「勇者であること」と
「自分であること」のあいだで揺れる物語。
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
通りすがりのエルフに求婚された貧乏男爵令嬢です〜初対面なのに激重感情を向けられています〜
東雲暁
恋愛
時はヴィトリア朝時代後期のイングランド。幻想が消え、文明と科学が世界を塗り替えようとしていた時代。
エヴェリーナ・エイヴェリーはコッツウォルズ地方の小さな領地で慎ましく暮らす、17歳の貧乏男爵令嬢。ある日父親が嘘の投資話に騙されて、払えないほどの借金を背負うはめに。
借金返済と引き換えに舞い込んできたのは、実業家との婚約。彼はただ高貴な血筋が欲しいだけ。
「本当は、お父様とお母様みたいに愛し合って結婚したいのに……」
その婚約式に乱入してきたのはエルフを名乗る貴公子、アルサリオン。
「この婚約は無効です。なぜなら彼女は私のものですから。私……?通りすがりのエルフです」
......いや、ロンドンのど真ん中にエルフって通り過ぎるものですか!?っていうか貴方誰!?
エルフの常識はイングランドの非常識!私は普通に穏やかに領地で暮らしたいだけなのに。
貴方のことなんか、絶対に好きにならないわ!
ティーカップの底に沈む、愛と執着と少しの狂気。甘いお菓子と一緒に飲み干して。
これは、貧乏男爵令嬢と通りすがりのエルフの、互いの人生を掛けた365日の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる