Over Rewrite Living Dead

きさらぎ冬青

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【2020/05 速度と密度】

《第3週 金曜日 夜中》⑧ (*)

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深く、奥に突き当たるまで挿入すると矢も盾もたまらないとばかりに、先生はおれにしがみつく。先生の顔の脇に肘をついて、額や頬や唇に口づけながら腰を揺すると、それに応じて先生も腰を動かす。片手を先生の下腹部、恥骨のやや上あたりに当てて、薄い腹壁越しに中の動きを探る。
過敏な肉襞を中と外から擦られて、おれを包み込んでいる柔らかい粘膜がひくひくと震え、締め付ける。先生は腕を解き、下腹を親指の腹で探っているおれを手を掴んで左右に首を振った。痛むのかと思ったがそうではない。先生の幼い花蕊は先程以上に粘液を滴らせ腹部を汚している。
肘をついているおれの腕を掴み、爪を立てて先生は額を擦り付けて悶えていた。全身を震わせ、目を潤ませながらも声を殺して堪える口元からは涎が零れかけていた。顔を近づけて舌でそっと拭って、そのまま深く口付ける。時に啄むように、時に舌を絡ませて口づけ合いながら交わる。
吐息混じりに口づける合間合間に、もっとしてとせがみ腰を振る先生が愛おしくてたまらない。速度を早め、奥に打ち付けるように責め立てると一際反応が大きくなる。先生の顔や体に汗が滴って落ち、濡れて冷えた肌が触れる。達しそうになる度に自分を制して先生に繰り返し口づけた。
身を丸めて脚をガクガク震わせて達しそうになっている先生に改めて覆い被さり、腕を脇から回して引き寄せてきつく抱きしめて無我夢中で腰を動かす。汗に濡れた互いの頬と頬が触れて、胸からは互いの拍動が伝わり、首筋からは血の流れる感触がした。
おれが達するのにやや遅れて、先生が達し、おれを咥え込み痙攣していた内部が急激に緩み、しがみついていた腕が解ける。おれも力尽きて崩れ、先生の傍らに寝転んだ。繋がったまま横倒しになって暫く抱き合ったまま互いの汗にまみれ上気した顔を見ていた。
ベッドボードに手を伸ばしてティッシュを数枚取って、萎え始めたものを引き抜いておれの体液を吐き出すそこに押し込んだ。改めて先生を抱き寄せて額や唇に口づけた。先生は舌を差し入れてこようとしたが、指で制して啄むように繰り返し口づけ合う。
やがて先生は照れくさそうに笑っておれの胸元に顔を寄せて、いい匂いがすると言った。互いの身体の放つ甘い匂いとスパイスのような香りが入り混じって、互いの体に染み付いているのがわかる。おれの脚や体に触れている先生の足先や指先がひんやりして気持ちいい。
そのまま二人うたた寝して、明け方近くなって部屋がうす青く染まってきて目が覚めた。おれが目を覚ましてから15分程して先生も目を覚ました。その15分の間何をしていたか訊かれたけど、おれは只、先生が眠っている顔を見ていた。そして気づいたことがあった。
明るくなってきた部屋で、先生の顔を見ていると、顎の下を切開した痕と縫い閉じた痕があること、目の二重のラインも元々会ったと思われるところとは違う位置に作り直して痕が残っていること、耳の付け根にも切開した痕があること、そして小鼻の鼻腔の下のあたりにも。
あと、先生の腕に、リストカットした細い線が連なってガタついた部分以外に、手の甲側から腕の脇の方にかけて縦3㎝から5㎝くらいの深い幅の大きな傷がいくつかあること。特に左の腕に多い。もしかして、これが原因で先生は薬指と小指が不自由になったのだろうか。
「ねえ、先生、訊いてもいい?先生のこと、やっぱり教えてほしいことまだあるんだ」
先生は小さく「いいよ」と言ってくれた。
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