Over Rewrite Living Dead

きさらぎ冬青

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【2020/05 不時着】

《第3週 日曜日 夜》⑨ (*)

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「…シャワー、行きましょうか」
唇が離れて、互いの顔を見合わせたときに呼びかけられてはっとした。
「あ、そうだね、ごめん」
「うふふ、フジカワさんはなんか今日、謝ってばかりですね」
つばさが腕にバスタオルなど一式が入ったエコバッグを下げて、おれの手を引いて風呂場に向かう。脱衣所がないので風呂場の入口の前にある洗濯機置場との間で服を脱いだ。
脱ぐときには手を貸してくれて、脱いだものは軽く畳んで洗濯機の蓋の上に置いた。おれを全て脱がせてから脱ぎ始めたつばさに後ろから抱きついて、耳元や首筋に口づける。ベルトを緩め、前綴じを開いて下着とともに穿いているものを下ろすと半勃ちの花芯が顕になった。
全て脱ぎ、振り返って畳んだ服をおれが服を置いた上に重ねてから軽くハグした。熱を持った互いのものが直に肌に当たる。期待に震え、その先端は濡れている。グリンスと歯磨きセットを手にしたつばさを先に浴室に入るよう促して、おれが後から入って扉を閉め、再び抱き合った。
手を伸ばしてシャワーヘッドを外し、洗面台に置いて蛇口の栓を緩める。お湯が出るのを待つ間も互いに疼く業物を弄び、つばさはおれの胸に舌を這わせ、おれはつばさの耳元や項に舌を這わせた。やがて湯気が上がりふわりと暖かい空気が室内に広がった。
つばさがボトルからグリンスを手にとってシャワーから掬い取ったお湯と混ぜて泡立て、おれの体を洗う。洗浄成分で滑らかになった手で脇腹や首筋を撫でられ、ざわりと電流のような快感が伝播する。鉄芯のように硬く、熱くなったものも柔らかく滑らかな感触に包み込まれ更に昂ぶった。
「フジカワさんも手、出して。おれの体洗って?」
微笑みかけて言われて掌を出すと、シャトルーズグリーンの液体がそこに滴り、水溜りになった。手に掬ったお湯を少し足して、おれの手に手を重ねて擦り合わせて泡を立てていく。
十分に泡が立ったところで手首を掴んでおれの掌を胸元に当て、下腹部まで滑らせると上を向いたものに手を添え、下に向けると脚の間に挟み込んだ。そのまま腰を前後に揺すり、おれの顔を見上げる。
「大丈夫?ここ出るまで、我慢できる?」
できるわけがない。おれはつばさの動きに合わせて腰を振った。業物は柔らかな腿の間で益々昂り硬度を増し、その刺激に腹の奥が激しく疼き、洗浄剤のそれとは違うとろりとしたものが内腿で拡がっていく。つばさはおれの体に密着して、胸の突起をやさしく舐りながら吸った。
おれは泡に塗れた手を伸ばし、つばさの臀部の柔らかい膨らみを手で包むようにして撫で、その肉襞の谷間に指を差し入れて奥にある蕾に這わせた。小さく鳴くのが聞こえ、額にキスすると、つばさは仰け反って口づけをせがんだ。それに応え再び口内を舌を深く侵し、探り合った。
指先を少しずつ埋め、手を返し円を描くように、内側から腹の指で襞を開くようになぞる。第二関節まで飲み込まれたところで、つばさの膝がガクガクと振れる。甘く鳴く声が浴室内に反響して、おれの理性は飛んだ。
「つばさ、ごめん、ダメなのわかってるけど挿れたい」
つばさは一瞬驚いた様子だった。しかし。
「生でしちゃダメって言われてるけど、フジカワさんだったら、いいよ。前もしちゃったもんね」
微笑んで、上気した頬と潤んだ目でおれを見て言った。
「そこにあるボトル、ローションだよね?とって?」
そう言うと壁に手をついて、おれにお尻を向けた。
「お願い、おれも我慢できない、挿れて」
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