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【2020/05 秘匿】
《第4週 月曜日 日中》④
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南との遣り取りが終わってから、おれは長谷にも欲しい物をリストアップし、商品写真やの商品情報のリンクと売っている店の情報なども添えて、着いたら連絡するように書き添えて送った。
その後は日が西に傾き、やや空が赤くなって南からメッセージが届くまでの間、のんびり風呂に入ったり、うたた寝したり、スマートフォンでゲームをしたり、加入しているサービスのアプリを落として動画を見たり、音楽をかけて漫画を読んだり、とにかくダラダラしていた。
基本的におれは掛け持ちで仕事しているから休みなんてあってないような生活をずっとしてきてて、家にいることも少なかったから、こういう時間は久しぶりだった。
そもそも家に居ても、家事はユカちゃんに丸投げでほぼ何もしなくてよかったし、大抵寝てるか風呂入るか以外は何かしら仕事していることが多くて、のんびりダラダラすることもなかった。まあちょっとゲームくらいはするけどそんな長々やらないし。
時折来る買うものはこれでいいかという確認のメッセージに返信して、あとは本当にダラダラして到着を待つばかりだった。やがて最寄り駅についたとか、ロビーに着いたとかの連絡が来て、おれは起き上がってドアの前で南が来るのを待った。
チャイムが鳴って、ドアスコープを覗くとホテルの人に連れられてきたマスク姿の南の姿が見えた。仕事中じゃないときの南は相変わらずすごい恰好だ。黒い民族衣装っぽいワンピースに柄の派手なストールに、ジャラジャラしたネックレスやブレスレットやイヤリング、バングルにピアス。赤紫色とシルバーのアイメイク。明らかに一般人じゃない。こういう人、バンドマンにいそう。
「いやいや、これはこれは、ご足労おかけしまして、どうぞどうぞ」
両の肩から幾重にもショッパーを掛けて、手にもいくつも持ってやってきた南を部屋に招き入れる。
「全くもうねえ、人使いが荒いっつんですよお…」
ああ、この間延びした話し方もなんだか久しぶりに聞いた気がする。言ってること自体はきつかったりするし、南がおれのこと嫌ってるのもわかってんだけど、それが半減どころじゃなく目減りするんだよな。
買ってきたものが詰まった袋を、2つあるベッドのうちの、おれが寝てたほうの手前のベッドに乱雑に置くと、南はマスクを外してそのままベッドに仰向けに寝転がった。
「やった~早く買ってきたの見せて!や~どれ着ようかな~、南が選んでくれたのみんなよかったよ~」
疲れ果ててひっくり返ってる南の横でおれが買い物袋を次々開けて服を選んでいると、呆れたように溜息を付きながら南がおれを見上げた。
「色んな人に散々ご迷惑ご心配おかけしといてからに呑気なもんですねぇ」
「まあそうチクチクしないで見立ててよ、とりあえず今日は仕事しないからこれとこれなんかでどうかな」
襟がフーディー風になったハイネックの、袖のリブの長い、お尻まで隠れる芥子色のスウェット。下はきれいめにラインが出る細めの焦茶色のジョガーパンツ。それと、クッション性の高いふかふかのルームシューズと脱ぎ履きがしやすいフットカバー。
おれがウキウキして着ていた寝間着を脱いで一旦全裸になって着替え始めると、おれの体のピアスを見て南が「うーわー」と眉間に皺を寄せて本格的に呆れた顔をした。それに構わずさっさと着替えて「ほら、どう?どう?」と回って見せた。
「まあ、先生がイイならイイんじゃないですかぁ」
「…そのイイはどうでもいいのイイじゃない?」
投げやりな回答に突っ込むと、南は笑った。
「そんなことないですって~、被害妄想ですよぉ」
他の買ってきた服なども包装から出して、部屋のクローゼットに片付ける。気が利くことに南は300円ショップで簡易な収納ボックスやハンガーなんかも一緒に買ってきてくれていた。有能すぎる。着々と片付けていると、背後から声がした。
「そうだ先生、レシートとおつりどうしますぅ?」
その後は日が西に傾き、やや空が赤くなって南からメッセージが届くまでの間、のんびり風呂に入ったり、うたた寝したり、スマートフォンでゲームをしたり、加入しているサービスのアプリを落として動画を見たり、音楽をかけて漫画を読んだり、とにかくダラダラしていた。
基本的におれは掛け持ちで仕事しているから休みなんてあってないような生活をずっとしてきてて、家にいることも少なかったから、こういう時間は久しぶりだった。
そもそも家に居ても、家事はユカちゃんに丸投げでほぼ何もしなくてよかったし、大抵寝てるか風呂入るか以外は何かしら仕事していることが多くて、のんびりダラダラすることもなかった。まあちょっとゲームくらいはするけどそんな長々やらないし。
時折来る買うものはこれでいいかという確認のメッセージに返信して、あとは本当にダラダラして到着を待つばかりだった。やがて最寄り駅についたとか、ロビーに着いたとかの連絡が来て、おれは起き上がってドアの前で南が来るのを待った。
チャイムが鳴って、ドアスコープを覗くとホテルの人に連れられてきたマスク姿の南の姿が見えた。仕事中じゃないときの南は相変わらずすごい恰好だ。黒い民族衣装っぽいワンピースに柄の派手なストールに、ジャラジャラしたネックレスやブレスレットやイヤリング、バングルにピアス。赤紫色とシルバーのアイメイク。明らかに一般人じゃない。こういう人、バンドマンにいそう。
「いやいや、これはこれは、ご足労おかけしまして、どうぞどうぞ」
両の肩から幾重にもショッパーを掛けて、手にもいくつも持ってやってきた南を部屋に招き入れる。
「全くもうねえ、人使いが荒いっつんですよお…」
ああ、この間延びした話し方もなんだか久しぶりに聞いた気がする。言ってること自体はきつかったりするし、南がおれのこと嫌ってるのもわかってんだけど、それが半減どころじゃなく目減りするんだよな。
買ってきたものが詰まった袋を、2つあるベッドのうちの、おれが寝てたほうの手前のベッドに乱雑に置くと、南はマスクを外してそのままベッドに仰向けに寝転がった。
「やった~早く買ってきたの見せて!や~どれ着ようかな~、南が選んでくれたのみんなよかったよ~」
疲れ果ててひっくり返ってる南の横でおれが買い物袋を次々開けて服を選んでいると、呆れたように溜息を付きながら南がおれを見上げた。
「色んな人に散々ご迷惑ご心配おかけしといてからに呑気なもんですねぇ」
「まあそうチクチクしないで見立ててよ、とりあえず今日は仕事しないからこれとこれなんかでどうかな」
襟がフーディー風になったハイネックの、袖のリブの長い、お尻まで隠れる芥子色のスウェット。下はきれいめにラインが出る細めの焦茶色のジョガーパンツ。それと、クッション性の高いふかふかのルームシューズと脱ぎ履きがしやすいフットカバー。
おれがウキウキして着ていた寝間着を脱いで一旦全裸になって着替え始めると、おれの体のピアスを見て南が「うーわー」と眉間に皺を寄せて本格的に呆れた顔をした。それに構わずさっさと着替えて「ほら、どう?どう?」と回って見せた。
「まあ、先生がイイならイイんじゃないですかぁ」
「…そのイイはどうでもいいのイイじゃない?」
投げやりな回答に突っ込むと、南は笑った。
「そんなことないですって~、被害妄想ですよぉ」
他の買ってきた服なども包装から出して、部屋のクローゼットに片付ける。気が利くことに南は300円ショップで簡易な収納ボックスやハンガーなんかも一緒に買ってきてくれていた。有能すぎる。着々と片付けていると、背後から声がした。
「そうだ先生、レシートとおつりどうしますぅ?」
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