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婚約破棄された聖女は魔法使いの隠れ里で溺愛される~私を捨てた国がどうなっても知りません~
第一話 聖女追放
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「婚約は破棄させてもらう。名ばかりの聖女はこの国に不要だ! この国から出ていくなりすればいい」
聖女ディアーヌは王子からの突然の宣言に驚いた。彼女は王宮の中庭にいて、花々が優雅に咲く様子とは裏腹に、その場の空気が一変してしまった。
「急にどうしたと言うのです。陛下が倒れた今、そんなことをしている場合ではないでしょう」
「父上が倒れたからだ! 父上は聖女などという意味もない肩書を大切にしていたが私は違う。そんな詐欺のようなただ光るだけの力でこの国に寄生するなど言語道断だ!」
「詐欺などではありません。わたくしの力でこの国を守っているのです。陛下はわたくしの力を認めてくださっておりました」
「詐欺師の言いそうなことだ。証明は出来るのか? 出来ないのだろう。国民からも王族に次ぐ権力を持つ聖女に不要論が出ていると聞く」
ディアーヌは深呼吸し、周囲の花々の香りで気持ちを落ち着かせようとした。
「証明ですか……この国が魔物に侵略されれば証明になりますが。」
「この国に魔物が侵略すれば良いと言うのか!? 国家反逆罪も追加だ! この国から出ていけ!」
「王子、本当によろしいのですか?」
「クドイ!! 父上の意識がない今、私の言うことが絶対だ! さっさと出ていけ」
(あらあら、きっと王子がのめりこんでいる踊り子のための婚約破棄でしょうね。王宮の近くに住まわせていると噂になっていますもの。でも婚約破棄されて正直せいせいしている、今日は最高の日ね!)
「わかりました。この国を出ていきたいと思います」
(陛下が意識をとりもどしたら相当叱られるでしょうね。もし陛下がそのまま帰らぬ人になってしまったらこの国は滅ぶわね)
そうして聖女と王子の婚約は破棄された。
聖女ディアーヌは王子からの突然の宣言に驚いた。彼女は王宮の中庭にいて、花々が優雅に咲く様子とは裏腹に、その場の空気が一変してしまった。
「急にどうしたと言うのです。陛下が倒れた今、そんなことをしている場合ではないでしょう」
「父上が倒れたからだ! 父上は聖女などという意味もない肩書を大切にしていたが私は違う。そんな詐欺のようなただ光るだけの力でこの国に寄生するなど言語道断だ!」
「詐欺などではありません。わたくしの力でこの国を守っているのです。陛下はわたくしの力を認めてくださっておりました」
「詐欺師の言いそうなことだ。証明は出来るのか? 出来ないのだろう。国民からも王族に次ぐ権力を持つ聖女に不要論が出ていると聞く」
ディアーヌは深呼吸し、周囲の花々の香りで気持ちを落ち着かせようとした。
「証明ですか……この国が魔物に侵略されれば証明になりますが。」
「この国に魔物が侵略すれば良いと言うのか!? 国家反逆罪も追加だ! この国から出ていけ!」
「王子、本当によろしいのですか?」
「クドイ!! 父上の意識がない今、私の言うことが絶対だ! さっさと出ていけ」
(あらあら、きっと王子がのめりこんでいる踊り子のための婚約破棄でしょうね。王宮の近くに住まわせていると噂になっていますもの。でも婚約破棄されて正直せいせいしている、今日は最高の日ね!)
「わかりました。この国を出ていきたいと思います」
(陛下が意識をとりもどしたら相当叱られるでしょうね。もし陛下がそのまま帰らぬ人になってしまったらこの国は滅ぶわね)
そうして聖女と王子の婚約は破棄された。
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