【第一章】‐壱‐ 彼は獣医師だった。

百鎖(mosa)@ʜ

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《七歩》傘



ザー

    ザー…









老人「お前さんのお陰で無事に成仏できたのだ。」





僕「…無事に、って……。」





















その話から成仏できたのは雪ちゃんの事だと直ぐにわかった。



それは良かったと思っている。

でも、今知りたいのはその事じゃない。















僕「貴方の墓石はどちらでしょうか…」




老人「ほほほッ!  面白い事を聞くのぉ」
















「手を合わせて欲しい」

あの時の言葉は「雪ちゃんに」ではなく「老人に」だったのか…




雪ちゃんが無事に成仏できたのなら、

ご老人にも成仏して欲しい。




その事で頭がいっぱいだった。













老人「良かろう。ついて来なさい」








そう言うと老人はゆっくり歩き出した。




僕は咄嗟に老人を傘の内へ入れる

だが、その動作をする僕に対して
老人は静止した。












老人「お前さんはどこまでも優しいな」



僕「……………」











ザー

     ザー










老人は雨の中をスタスタと進んでいく。



幽霊だから天気とか関係無いのかな…

素朴な疑問に思考を持っていかれる。
















老人「ここじゃよ。」





僕「…ここって……」















老人が足を止めた場所は僕にとって、

直視できるの光景ではなかった。




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